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そうそう堅くは決まらない一戦!/根岸S

  • 2016年01月27日(水) 18時00分

■根岸S(G3・東京ダ1400m)フルゲート16頭/登録22頭


【コース総論】東京ダ1400m

・コースの要所!

★1番人気の信頼度は高いが、配当的妙味があるのは7〜9番人気のゾーン。
★優秀なのは馬番9〜12番も、枠番の内外を気にする必要はほとんどナシ。
★好位で流れに乗れる先行勢が好成績。逃げ切るケースもけっこう多い。






 芝スタートのダ1600mとは違い、スタートからゴールまでダートだけを走るダ1400m。バックストレッチのスタート地点から最初のコーナーまでが長いため、短距離戦ながら、先行争いはそれほど激化しない。オーソドックスでクセのない、力のある馬が能力をキッチリ発揮しやすいコースといえる。

 ただし、16頭立てにおける平均配当は単勝1239円、馬連7988円、3連複3万1947円と、けっして低くはない。1番人気の信頼度は連対率52.3%、複勝率64.8%と高いのだが、7〜9番人気の穴馬も複勝率14.9%と好成績を残しているように、人気薄も侮れないのだ。人気馬が圧倒的に強いというコースでは、絶対にない。

 クセのないコース形態でもあり、枠番による有利・不利はほとんどなし。総合的に見ると馬番9〜12番の「やや外」がもっとも好成績なのだが、これを理由に馬券を買えるほどではないので、とくに気にしないでいい。内のほうがもう少し有利なイメージがあったのだが、実際は「外枠でもまったく問題なし」と捉えてもらえばいい。

 最後の直線が長い東京ダートだが、脚質面は先行勢が優勢。4コーナーを2〜5番手で回った馬が複勝率29.8%、複勝回収率114%と、逃げた馬よりも高期待値となっている。6〜10番手の馬と比較すればその差は明白で、軸足を置くべきは迷わずココ。道中のペースが厳しくなる重賞でも、力のある先行勢はキッチリ押さえておきたい。

【レース総論】根岸S(G3) 過去10年

・レースの要所!

★4〜6番人気を筆頭に人気薄が激走を連発。波乱傾向はかなり強めのレース。
★外枠である馬番13〜16番の信頼度が低いが理由は平均人気。やや外が強い。
★中団から差せる馬が圧倒的に強い一戦。前走G3組や5歳馬の強さも目立つ。









 いわゆる「順当決着」がほとんどない、根岸S。昨年も3着には15番人気の爆穴アドマイヤロイヤルが突っ込んでおり、人気馬が飛べばフツーに波乱、人気馬が来た場合でもヒモ荒れと、まるでハンデ戦のような混戦模様である。「ある程度は荒れる」という前提のもとで、買い目を構築したほうがいいレースといえそうだ。

 枠番については、コースデータと同様に内外であまり差がない印象。しかし、内外での平均人気の差を考えると、コレは「内枠が意外に不甲斐ない」ともいえる。あとは、けっこう前に厳しい展開になることが多いのも、内枠のイマイチな成績に繋がっている可能性アリ。馬番9〜12番あたりの「やや外」に入った差せる馬を、上位に評価したい。

 解説が前後したが、脚質面は差し馬優勢。過去10年、4コーナーを5番手以内で回った馬は、たったの1勝しかあげていない。4コーナー11番手以下からでも10頭が馬券に絡んでおり、対照的に逃げて馬券に絡んだのは1頭だけ。勝ち馬が、すべて上がり3F順位3位以内であることからも、キレる末脚は勝ち負けに必要不可欠といえる。

 年齢別では、7歳以上馬の不振が目立つ。5〜6歳を馬券の中心に据えるべきなのは、データからも明らかだ。また、前走中央G1〜G2出走組と前走地方交流組がイマイチで、前走で中央G3もしくはオープン特別に出走していた組が圧倒的に優勢。あとは、斤量57キロ馬が好成績であるのも、押さえておきたいポイントだ。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 ダート戦だが、凍結防止剤の影響が出て脚抜きのいい馬場となりそう。

・天候予測
 金曜日から天候が崩れる見込みで、日曜日も降雨の可能性アリ。重馬場前提。

・注目血統
 フレンチデピュティ産駒◎、Tapit産駒○、スクリーンヒーロー産駒▲

 金曜日から日曜日にかけて降雨予報が出ており、冷え込みの厳しさを考えると、凍結防止剤の散布もありそう。つまり、かなり脚抜きのいい馬場になる可能性が高い──ということだ。レースデータは完全に差し優勢も、例年よりも前が粘れるケースも十分に考えられそう。このあたりは、土曜日のレース結果を踏まえて判断したい。

 血統面は、正直なところ「コレ」という存在が見当たらない。それなりに産駒の出走数があるところで、プラス評価の対象としたのは、フレンチデピュティ産駒だけである。Tapit産駒やスクリーンヒーロー産駒も好成績だが、こちらはいかんせん出走数が少なく、何ともいえないところ。いっそのこと、血統というファクター自体を軽視するのもアリか。

★出走登録馬・総論×各論

 なかなか一筋縄では決まらない、根岸S。「中団から差せる脚のある前走G3〜オープン特別組の5〜6歳馬」が好走馬のイメージで、レース傾向から考えるに、ある程度は人気薄のほうがベターだ。上位人気はしっかり押さえつつ、この条件をできるだけ満たすような穴馬から流す馬券で、ここは勝負してみたい。

 というわけで、トップ評価にはアンズチャンを抜擢。牝馬、関東馬とマイナス評価となる部分も抱えているのだが、徹底して東京ダ主体で使われている適性の高さ、キレのある東京向きの末脚、臨戦過程、血統面など、プラス評価の項目も非常に多い1頭。意外にやれておかしくないはずで、人気薄となるならなおさら面白い。

 二番手も、人気薄となるであろうサクラエール。いい末脚のキレを持っているのはこちらも同じで、前走はオープン特別のファイナルSで2着と、臨戦過程も問題なし。関西の5歳馬であるのも強調材料で、アンズチャンよりもマイナス材料は少ない。人気上位と互角以上に張り合えておかしくない、プロフィルの持ち主である。

 三番手にモーニン。驚異的なスピードで出世中であり、その器の大きさから、ここも通過点という評価を受けそう。コース適性や末脚のキレなども十分で、人気サイドではもっとも信頼度が高いとみている。勢いで勝る若々しい4歳馬であり、先々が楽しみな好素材であるのは間違いなし。懸念材料をあげるとすれば、過剰人気だ。

 四番手にタガノトネール。交流重賞でも安定した走りを見せており、その実績もここでは胸を張れるもの。前々で流れに乗ってソコソコの脚を使えるという、非常に安定感の高いタイプである。斤量57キロ馬という強調材料もあり、ここも確実に上位へと食い込んできそう。信頼度の高さだけなら、モーニンよりもこちらのほうが上だろう。

 以下は、プロトコル、タールタン、レーザーバレット、マルカフリート、グレープブランデーという評価の序列。現時点では、アンズチャンとサクラエールを軸に流す3連複フォーメーションあたりを想定している。あとはオッズ次第だが、ある程度はバットを長く持って、振り回したほうがいいレース。積極的に高配当を狙っていきたい。


■総論×各論・先週の馬券回顧





中山11レース アメリカJCC(G2)
1着 03ディサイファ
2着 11スーパームーン
3着 07ショウナンバッハ

馬単3360円的中っ!
自分にとっては「まさか」のディサイファ2番人気。枠番も2枠3番、単オッズ5.0倍なら文句なしに買いと見て、01マイネルフロストではなくこちらを軸に取りました。本線的中は逃すも、押さえのほうでキッチリ的中。やればできるやん、俺!(増長)

※コース&血統データは2012年以降、レースデータは2006年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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