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驚異の急成長でトップを目指す!デビュー3年目の若武者・石川裕紀人

  • 2016年02月02日(火) 18時00分
石川裕紀人騎手

石川裕紀人騎手



石川裕紀人騎手「大きいところも獲れるよう努力し続けます」

赤見:デビューした2014年は12勝でしたが、去年一気にジャンプアップして40勝を挙げましたね。

石川:勝利数だけ見れば一昨年に比べて伸びたんですけど、振り返ると取りこぼしの多い競馬がいっぱいあったので、そういうところはまだまだだなって思いました。自分の中では納得できていないです。

赤見:でもこれだけ勝てると楽しいんじゃないですか?

石川:そうですね。勝てばやっぱり楽しいですね。数もたくさん乗せていただいているので、本当に有難いです。

赤見:ジャンプアップの一番の要因は何だと思いますか?

石川:そういう質問をけっこうされるんですけど、そんなにこう、格段に何かが上がったっていうのはないと思います。僕が感じるのは、けっこう数を乗せてもらっているので、その経験が少しずつですけど身になって来たのかなと思います。騎乗技術を磨くのは自分の努力ですけど、周りの方にサポートしてもらって、たくさん乗せてもらえないと経験を積めないので、周りの方々には本当に感謝しています。

赤見:騎乗フォームを見ていると、ヨーロッパ系の力強い追い方をお手本にしているのかなと思っているんですけど。

石川:僕はライアン・ムーア騎手が目標というか、尊敬しているんです! 競馬学校の候補生だった頃から憧れていて。だから見よう見まねで真似させてもらっています。

赤見:その姿勢が去年は目だっていたなと思いました。

石川:本当にまだまだですけど、周りの方から「外人ジョッキーみたいだね」って言っていただけると嬉しいです。そういうことで印象付けるのも、ジョッキーとしてアピールする一つの方法だと思っているので。

赤見:去年の後半は重賞にもかなり騎乗するようになったし、有馬記念にも騎乗したりと勝ち星だけではないステップアップが見られましたね。

石川:本当に有難いです。たくさんのチャンスをいただいて、いろいろな経験をさせてもらっているので、今年はそれが結果に繋がるようにしていきたいです。

赤見:騎手学校の受験の時に、「凱旋門賞を最初に勝つのは僕しかいない」って書いたんですよね?

石川:宣言しましたね。なんていうか、大きいことを言うのが自分は好きなので(笑)。もちろん、行動や結果が伴わないと意味ないですから、口だけじゃないっていうところを見せていきたいです。

赤見:実際にデビューしてからは、なかなか簡単ではないなと感じる時期もあったんじゃないですか?

石川:本当にその通りです。最初は当たり前ですけど数も乗れなかったし、初勝利まで焦りしかなかったです。周りからは「焦るな」って言われましたけど、同期はどんどん勝っていくし…。結局、僕が同期の中で初勝利が一番遅かったですから。まぁでもしょんぼりしていても仕方がないので、地道に頑張っていこうと思っていました。

赤見:これまでで一番想いが強かったレースはどのレースですか?

石川:やっぱりニシノソラカラで勝たせてもらった初勝利ですね。この先もその気持ちは変わらないと思います。初めて勝ったレースですし、ダービーの日(2014年6月1日)に勝てたことも大きかったです。けっこう周りから「ダービーの日に勝ったよね」って言ってもらえるし、自分の中でももちろんですけどインパクトはあったんじゃないかなと。

赤見:1勝の重みは大きいですよね。

石川:大きいですね。頑張ってくれたニシノソラカラにも、乗せてくれた関係者の皆さんにも本当に感謝しています。

赤見:騎乗のポリシーは何ですか?

石川:馬のリズムを大事にすることです。馬が気持ち良く行ければ、最後の踏ん張りやキレに繋がるということを馬たちに教えてもらいました。去年たくさん乗せていただいた分、すごく実感しましたね。

赤見:今年は成人の年ですね。

石川:そうなんです。成人式は競馬だったので出られなかったんですけど、その後の集まりには行きました。すごく懐かしかったですね。僕は小さい頃からジョッキーになりたいって言っていたので、同級生から「夢を叶えてすごいな」って言ってもらいました。でもまだまだなので、もっと成長した姿を見せたいですね。

赤見:今年3年目です。目標は?

石川:減量枠が5年に延びるんですけど、それには頼らずに100勝して自力で減量を取りたいです。今の勢いをどんどん伸ばして行って、大きいところも獲れるよう努力し続けます。

石川裕紀人

「今の勢いをどんどん伸ばして行って、大きいところも獲れるよう努力し続けます」と語る石川裕紀人騎手(写真は2016年AJCCのパドック)



赤見:では、馬券を買って応援してくれるファンの方に、何かヒントをお願いします。

石川:ヒントですか?得意なコースとかってことですか?基本的にはその馬に合った乗り方を心掛けているので、どんなコースでも特に意識はしていないです。その中で、強いて言えば中山の芝1600は相性いいなと思います。今年も精いっぱい努力しますので、応援よろしくお願いします!

常石勝義
1977年8月2日生まれ、大阪府出身。96年3月にJRAで騎手デビュー。「花の12期生」福永祐一、和田竜二らが同期。同月10日タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビュー5か月で12勝をマーク。しかし同年8月の落馬事故で意識不明に。その後奇跡的な回復で復帰し、03年には中山GJでGI制覇(ビッグテースト)。 04年8月28日の豊国JS(小倉)で再び落馬。復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は栗東トレセンを中心に取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)の『常石勝義のお馬塾』(毎週金曜日17:30〜)に出演中。

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