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少頭数のきさらぎ賞はどう攻略する!?

  • 2016年02月05日(金) 18時01分


◆波乱は期待しづらいか

 きさらぎ賞は、もともと2000mからの距離短縮組が強いレース。今年は人気馬がそれに該当するし、出走9頭だけに、波乱は期待しづらいところだ。

 サトノダイヤモンドは人気に応えそうな雰囲気十分。500万勝ちしたばかりで人気というのは本来嫌いたい状況だが、今年は前走オープン組が皆無という前代未聞の(少なくとも平成以降では初)メンバー構成。あっさり勝ちそうではある。なにかしらケチをつけるとしたら、2戦がともに湿った馬場のスローだったことくらいか。ただペースはともかく、馬場は良馬場になって悪いことはないはずだ。

 ロイカバードはデビュー戦でサトノダイヤモンドに完敗しているが、1戦多い経験値を利して逆転したいところ。武豊騎手は最近戦略面で冴えたレースを見せているだけに、相手を1頭に絞ってどんな競馬をしてくるか楽しみだ。

 レプランシュも素質的にはかなりのものを持っているのだが、レースぶりがどうにも不器用な印象。逆転があるとしたら、極端な上がり決着になった場合だと思う。今回は頭数が少ないうえに正直強くない馬も混じっているので、この馬でも人気馬と差の無い位置は取れるはず。そのうえで超スローになるとチャンスが生まれてくる。ただ、リアルなところとしてアタマ付けまでは狙いづらい。

 ノガロは戦績面では見劣るものの、平均ペースを経験している点だけは強み。自身もややスタミナ色が強いので、タフな流れを期待したいところだろう。逆にそうならないと人気どころの決め手に屈する可能性が高い。

 新馬勝ち直後の2頭は両方とも前走がスローの逃げ切り。それぞれ血統的なポテンシャルはあるが、一気に人気どころを負かすことまでは想定しづらい。馬券的にどちらか片方を取るなら、私個人はウルトラバロックのほう。理由は馬というより騎手で、最近はミルコ・デムーロ騎手のほうは過剰人気になりすぎ。年明け以降、芝での回収率が単39%・複69%。同騎手の乗る馬が過小人気になることは考えづらい。

 他の3頭は正直相当に厳しいだろう。もともとレース間隔の詰まった形で出てくる馬はこのレースにおける成績が悪いし、ここは9頭立て。「1頭負かせば……」という本音もあるはずで、なにかの拍子に掲示板に引っ掛かることはあっても馬券圏内は無理だろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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