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シメシメとほくそ笑む競馬

  • 2016年02月11日(木) 12時00分


先週の東京新聞杯はここで書いたとおりに岩田騎手の3着付けを狙った。3着付けとはいえ、2着してもいいように3連複で買ったから、表現としては3着付けというより3着漬けの方がいいかもしれない? うむ、なんだか南蛮漬けみたいだ。実際、馬券は南蛮漬けみたいに酸っぱかった…。ひぃ〜。

せっかく2着してくれたのに(エキストラエンド・岩田・1列目)、
しかもヒモとしてマイネルアウラートも拾っていたのに(3列目)、
2列目にマークしたダノンプラチナ・ダイワリベラル・ダッシングブレイズが揃って馬券圏外では、どうしようもない。酸っぱかぁ〜〜!

でもエキストラエンドが好スタートから先行(4-3-3)したのを見て、シメシメと思ったものだった(内枠は最高だったけど、出負け出遅れが心配だった)。でももうちょっと先行すると思っていたダイワリベラルが4-5-5の位置で、ダイワにいて欲しかった番手の位置にマイネルアウラートがいた。レース中はあまり気にしなかったけれど、結果を見ると、先行も先行、4角3番手以内にいた馬で1着・2着・3着。シメシメはあっという間にシメすぎの南蛮漬けみたいになったのだった。

結果的に馬券ははずれてしまったけれど、岩田の南蛮漬け、じゃなかった3着漬け作戦は間違ってなかったはずだ。では今週はどうか?

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京都記念 シメシメと思うような展開は生まれるか?
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京都記念の岩田騎乗予定馬はアドマイヤデウス。
皐月賞、ダービーを一ケタの着順で踏ん張り(9着、7着)、そこから休養に入り、4歳初春に復帰し、日経新春杯、日経賞を連勝し、ポテンシャルの高さを見せつけた。
天皇賞春では3人気に支持されたものの、結果は15着惨敗。のちに骨折していたことがわかり、再び休養に入り、昨秋に復帰した。

復帰後は天皇賞秋(11着)、ジャパンカップ(16着)、有馬記念(7着)といいとこを見せられてないけれど(天皇賞秋、ジャパンカップは枠もよくなかった)、骨折した馬によくある休養明けと思えば目を瞑れる敗戦とも言えるし、有馬記念では着差もだいぶ詰めてきており(0.3差)、徐々にポテンシャルを発揮できる態勢が整いつつあるとも読める。

騎手の乗り替りが頻繁に行われる昨今において、G1を勝っていないのにも関わらず岩田騎手が乗り続けているのも悪くない(若葉Sから連続騎乗)。単なるお付き合い? いやこの馬のポテンシャルを買った上でのお付き合いではないか(お付き合いを否定はしません。大事なことです)。

アドマイヤデウスの京都成績は1-1-2-1。着外は骨折した天皇賞春のみ。これも悪くない。

では人気はどうか?
予想では5人気。
これも悪くない。
日経新春杯は6人気1着、日経賞は4人気1着を考えると悪くないどころかいい立ち位置だ。

ここまでは岩田の3着漬けで行けそうな気がする。
ただ先週のエキストラエンドは岩田の3着力に加えて、角居厩舎の東京新聞杯力もあった。アドマイヤデウスは橋田厩舎。橋田厩舎にもそういう「パワー」はあるか?

橋田厩舎が京都記念に特別強いイメージはない。ただ去年はスズカデヴィアスで2着しているから悪いイメージもない。おっと、またしても悪くないと出た。

今回はそのスズカデヴィアスとの2頭出し。橋田厩舎の芝の古馬戦線のエースはアドマイヤデウス・アドマイヤフライト・スズカデヴィアスの3頭だろうから、エース級を2頭出走させてくるわけだ。

逃げるはずのスズカデヴィアス
中団くらいにつけそうなアドマイヤデウス

レースの進行具合でスズカデヴィアスが残ったり、アドマイヤデウスが間に合ったり……うむ、悪くない。

今回のメンバーで逃げをウリにしている馬はスズカデヴィアスだけだ。
ライバルになりそうなのは、先行得意のトラストワンだけど、ヴェロンに依頼する以上は逃げの指示はないはず。

これならばスズカデヴィアスの藤岡佑はシメシメと逃げられるのではないか? 福永騎手同様に今週から復帰する藤岡佑がシメシメ。うむ、悪くない。

前走4角2番手で押し切ったヤマカツエースの積極競馬は少し怖いけれど、今回は初の2200で、しかも外回りで、少々慎重に乗るような気がする。
レーヴミストラル、サトノクラウン、タッチングスピーチ、人気馬はみな中団より後方につけそう。前方で注視する馬は、逃げる馬ではなく先行するであろうヤマカツエースだろう。ヤマカツエースが控えめに騎乗してくれれば、スズカデヴィアスのシメシメ度はさらに高まる。

おっと、アドマイヤデウスではなくスズカデヴィアスにとって悪くない流れが出来上がる気がしてきた。

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京都記念 裏と表
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ここ3年の京都記念は、1人気がドバイへの調整の一環として出てきて、期待を裏切ったように思える。今年もドバイに挑戦したい馬はいるようだけど、注目度は引退厩舎の馬と復帰する騎手に集まってるように思える。

仮に人気で表と裏を分けると、
表 レーヴミストラル 予想1人気 松田博厩舎
裏 ワンアンドオンリー 予想8人気 橋口厩舎

表 福永騎手 予想3人気 タッチングスピーチ
裏 藤岡佑騎手 予想10人気 スズカデヴィアス

表と裏、どちらを取るかと問われれば、ついつい裏と応えてしまいがちなのが裏本、裏ビデ、裏モノ世代の悲しいサガだ。だから、表裏で分けてしまうともはや裏しか見えなくなる。

ワンアンドオンリーは内田博がどう乗るのか? そこに興味がある。天皇賞秋、ジャパンカップで内田博は先行した。先行して1.1差16着、0.3差7着。そこでどんな手応えを得たのだろう。もしG1ではなくG2でならやれる手応えを掴んだのならば、ここでも先行するはずだし、もしかしたら逃げるかもしれない。

引退厩舎の逃げVS復帰騎手の逃げ。

おっと平穏でシメシメのはずの逃げが急にニギニギしくなってきた。
でも、ワンアンドオンリーの逃げはないな。この馬はドバイへの登録もしている。ここで逃げる競馬をするとは思えない。逃げたい気持ちをぐっと抑えて、番手競馬とみた(スズカデヴィアスもドバイへ登録はしている)。

復帰騎手が逃げて、引退厩舎が番手。

いいじゃないか。逃げる騎手も番手の騎手もどっちもシメシメな感じで操縦してくれたら、結果、最高の流れに仕上がるかもしれない。なんてことを書いていると表が出てしまうのが世の常だけど、表に期待して裏返るのと、裏を期待して表が出るのでは気分はぜんぜん違う。裏を期待して表が出たならあきらめはつく。

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京都記念 注目馬
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スズカデヴィアス
アドマイヤデウス
ワンアンドオンリー

途中からスズカデヴィアスにばかり注目してしまったけど、スズカデヴィアスが持たないレースになったら、アドマイヤデウスに出番が生まれるってことでよしとしよう。岩田騎手の南蛮漬けは同厩舎のスズカデヴィアス次第だ。酸っぱい結末になりませんように〜〜。

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クイーンC 注目馬
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サプルマインド
ロッテンマイヤー

難しい馬をムズカシイねぇ〜といいながら爆発的に勝つのがMデムーロ。
サプルマインドは難しい馬かな? 
もしそうなら、3、4人気になりそうなここは頭で買ってみたくなる。

ロッテンマイヤーのように新馬戦を勝つクロフネ牝馬はあまり信用しないけど(クロフネ牝馬は初戦を惜敗して、2戦目で勝つ馬が好き)、新馬はフォーリーが乗っていた。怠け癖を出すヒマを与えなかったと仮定すれば、ここでも注目できる。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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