一応の中心はメジャーエンブレムだが
クイーンCは1月下旬だったり、2月末であったり、再三日程を変えてきたが、4月上旬の「桜花賞」の前に行われるようになったのは1968年からのこと。ここまで48年間で、クイーンCから桜花賞に直行の日程を組んで、「桜花賞で3着以内」に好走したのは、次の10頭になる。
▽2012年 ヴィルシーナ(ク1着→桜2着)
▽2011年 ホエールキャプチャ(1着→2着)
▽2008年 エフティマイア(6着→2着)
▽2007年 カタマチボタン(2着→3着)
▽2006年 コイウタ(1着→3着)
▽2002年 シャイニンルビー(1着→3着)
▽1998年 エアデジャヴー(2着→3着)
▽1996年 イブキパーシヴ(1着→2着)
▽1981年 テンモン(3着→2着)
▽1976年 テイタニヤ(1着→1着)
仕上げの手法が高度になった近年ほど、直行の日程を組む陣営が多くなったが、約半世紀の間に、このローテーションで勝ったのはもう40年も前のテイタニヤたった1頭だけである。その年のクイーンCは2月29日で、4月11日の本番は6週間後だったという記録がある。
メジャーエンブレムは12月13日の「阪神JF」を勝っている。今回、2ヶ月ぶりのクイーンCに出走のあとは、再び2ヶ月後、4月10日の桜花賞になることを決めている。
「ゆっくり間隔を取ったほうがいいタイプ」とあって、このゆったりしたローテーションは理想と考えられるが、馬体を緩められる間隔ではなく、ミニ休養の2ヶ月という間隔は春の牝馬の場合、案外、難しい一面があるのではないか。
だから、2-3着はあっても、半世紀の間にたった1頭しか勝っていないのではないか、という(断然の人気馬だからこそささやかれる)心配はある。
今回、予定通りに3週前に美浦に戻って、仕上がりにはまず不安はないと思えるが、かかって先行し、ただ1度だけ2着に負けたのが約2ヶ月ぶりの「アルテミスS」だった。この相手の今回の1600mでは崩れる危険は少ないはずだが、目下、シンザン記念2着ジュエラー(父ヴィクトワールピサ。ワンカラットの下)と並んで桜花賞の最有力候補なので、今回はレース内容だけでなく、当日の気配を入念にチェックしたい。仕上げと、ローテーション再確認のテーマがあるのがメジャーエンブレム。ここは、なんとしても勝ちたいレースだから究極の仕上げで出走してきたわけではない。ではなぜ、ここに出走するのか。最大の理由は、直前のトライアルに使いたくないからである。といって、4ヶ月休養はない。
なんとか桜花賞に出走したい「まだキャリア1-2戦」の素質馬
ロッテンマイヤー(祖母ビワハイジ)、
ルフォール(母の兄にステイゴールド。いとこにショウナンパンドラ)、
サプルマインド(新潟で上がり32秒5で勝ったM.デムーロと再コンビ)に先行投資の手もある。人気薄のコパノマリーン、ラブリーアモンも買いたい。ここは波乱の生じる可能性がかなりある。メジャーエンブレムを一応の中心としても、なんとか伏兵を絡ませる手を考えたい。