スマートフォン版へ

JBC7度目の大井開催決定で

  • 2016年02月12日(金) 18時00分


◆たとえば兵庫県競馬組合主催で阪神を舞台にJBC開催ということはできないものだろうか

 2月5日、来年のJBCの開催場が大井に決定したことが発表された。去年やったばかりでまた大井なの?と思った人も多かったのではないだろうか。JBCは17回の歴史で、大井は7度目の開催となる。

 JBCの開催場は、毎年各主催者からの立候補を受付け、プレゼンが行われたうえで、JBC実行委員会によって決定される。昨年の大井開催では新スタンドG-FRONTのオープン、また今年の川崎では、かつて3号スタンドだったところに間もなくオープンする商業施設『マーケットスクエア川崎イースト』などがプレゼンにおいてアピールされたと想像される。

 そしてこのたびの第17回JBCでは、立候補したのが大井のみゆえの決定となったとのこと。

 大井以外に手を挙げる主催者がいなかったのは、例年JBCの開催となることが多い11月3日が、2017年は地方競馬IPATの発売がない金曜日にあたることが要因のひとつと考えられる。

 もともとの売上げが大きい南関東はともかく、それ以外の主催者にとって地方競馬IPATでの発売は直接売上げに影響する。地方競馬IPATの発売が始まって以降、南関東以外でJBCが行われたのは2013年の金沢、2014年の盛岡だが、それぞれJBC当日の1日の売上げは、25億円弱、29億円強というもの。これはその年のそれぞれ主催者の年間総売上に対して、金沢で約19%、岩手で約12%という相当に大きな額となった。それゆえ、地方競馬IPATの発売がないかもしれない状況でのJBC開催には二の脚を踏むということも仕方ない。

 そしてこれまでは開催場決定と同時に、開催の日付まで発表されていたのだが、第17回の大井開催決定では「11月上旬」という発表にとどめられている。地方競馬IPATでの発売がない祝日ではなく、地方競馬IPATで発売される平日開催も検討されるのかもしれない。

 JBC開催は、普段GI/JpnIレースが行われていない競馬場にとってはチャンスだが、一方で開催規模が大きく、普段の開催とはケタ違いのファンも訪れるので、それ相応の準備が必要になる。2011年からはJBCレディスクラシックも行われるようになり、中央との交流が1日に3レースとなった。ある主催者からは、3レース分の交流用出張馬房が用意できないのでJBC開催の立候補ができないという話も聞いたことがある。

 ファンにしてみれば、お祭り的に1日に大レースがいくつも行われるのは歓迎だが、主催者によってはあまり規模が大きくなり過ぎると対応しきれないということはあるようだ。

 それでの提案だが、将来的に、たとえば兵庫県競馬組合の主催で、阪神競馬場を舞台にJBC開催ということはできないものだろうか。かつては、札幌、函館、新潟、中京などの競馬場で地方競馬の開催も行われていただけに無理な話ではないだろう。ぜひとも検討していただきたい。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング