今週はジョッキーについて手厳しい質問が。ジョッキーの立場として、丁寧&正直に答えてくれました
「パドックでジョッキーがダラダラしているのが不快!」、「罰金さえ払えば危険騎乗してもいいと思ってる?」などなど、少々手厳しい質問が。もちろん、小牧騎手への個人攻撃ではありませんが、そこは懐の深い小牧騎手。ジョッキーの立場として、丁寧&正直に答えてくれました。
(取材・文/不破由妃子)
緊張感はいつも持っているけど…
──今回は、ジョッキーの皆さんにとって、ちょっと耳が痛いかもしれない質問やリクエストをいくつか。まずは、「パドックで騎手が整列して挨拶、そして馬のところへ行く流れを見ていると、あまりにもダラダラしている騎手が多すぎます。はっきり言ってかなり不快です。小牧さんのようなベテランが率先して直すことはできないのでしょうか?」というものです。
小牧 僕のことかな(苦笑)。
──続きがありまして、「アンチの意見ではありません。何とかしてほしい。曾和先生の前でもダラダラしますか? ファンの前でも緊張感を持ってほしいです」とのことですが。
小牧 緊張感はいつも持ってるけどね。それに、ダラダラはしてないと思うよ。走り方とかは人によって癖があるから、そう見えてしまうジョッキーもいるのかもしれんけど。それに、馬を怖がらせたらアカンから、タッタッタッタ! と勢いよくは走らへんねん。だから静かにソロっと近づくようにしてるんやけど、それがダラダラしてるように見えるんちゃう?
──なるほど。それはあるかもしれませんね。
小牧 ただ、ダラダラしているように見えてしまうのはいいことではないから、今度から意識してみますわ。
──質問に曾和先生のお名前が出ましたが、今年も大晦日にご挨拶に行かれたんですか?
小牧 うん。行ってきました。31日の夕方から曾和先生のお宅にお邪魔して。先生と先生の息子さんと僕と娘でカラオケに行ってね。結局、12時半くらいまで歌ってたんちゃうかな。気づいたら先生と二人になってたわ(笑)。
──サシですか!?
小牧 そう。笑うやろ(笑)。
──小牧さん、また記憶がないパターンですね。
小牧 違う違う! 先生と一緒のときは、記憶がなくなるまで酔っ払わへん。先生のご自宅にはカラオケ専用の部屋があって、肺活量を鍛えるために毎日歌ってるんやって。パワフルやわ。
──続いては、制裁についての質問です。「斜行などは馬の癖もあり、すべてが騎手の責任だとは思いませんが、隙間がないところに無理矢理進路を取って制裁を受けるパターンでは、同じ騎手が繰り返し制裁を受けていることが多いように思います。結局、騎手の意識としては、罰金さえ払えば危険騎乗をしてもいいだろうと思っているのでしょうか?」というものです。制裁については何度もお答えいただいてますが、相変わらず質問が途切れませんね。
小牧 みんな気になるんやろうね。なかには“罰金さえ払えば…”って思っているジョッキーもいるかもしれんけど、少なくとも僕はそんなふうには思ってないよ。ただ、今は降着がほとんどないからね。はっきり言って、そう思ってしまっても不思議のないシステムですやん。
──騎乗停止はともかく、ですよね。降着がほとんどないから、自分以外に迷惑が及びませんものね。この質問には続きがあるのですが「何度も騎乗停止になる騎手がいることから、反省しているようには見えません。現在の制度について、小牧さんはどう思いますか? 騎手の立場からご意見を伺いたいです」。
小牧 騎手の立場からということなら、前のように他馬に大きく迷惑をかけたら降着になるシステムのほうがキレイなレースはできるよね。僕は嫌です、今のシステムは。前に戻してもらいたいけど、国際ルールになっている以上、もう戻らんやろうね。
──となると、もはやジョッキー一人一人の意識の問題ということになりますね。では、最後の質問ですが…「結婚とはなんでしょう?」。いきなり(笑)。
小牧 なんやそれ(笑)。結婚とは……、お互いの人生を支え合うことちゃいますか。もし将来、嫁さんが病気になっても、しっかり面倒を看る自信はあるしね。要するに、人間として一緒にいたいかどうか、お互いの人生に責任が持てるかどうか。マジメに答えてしまったわ(笑)。
──小牧さんの奥様は、小牧さんのことを「太くん」って呼んでらっしゃいますよね。それがとっても素敵だなぁって、いつも思っているんです。
小牧 もうずっとやで。娘や息子の前でも、ずーっと「太くん」や(笑)。
もうずっとやで。娘や息子の前でも、ずーっと「太くん」や(笑)