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展示会続く

  • 2016年02月17日(水) 18時00分
スクリーンヒーロー展示風景

スクリーンヒーロー展示風景


スクリーンヒーローやゴールドシップなど日高では種牡馬展示会ラッシュ

 12日に浦河のイーストスタッド、そして週が明けてから15日のJBBA静内種馬場、アロースタッド、レックススタッドと一日で三か所の展示会が続き、翌16日はビッグレッドファームにて、ゴールドシップのお披露目を兼ねた展示会が開催された。そして今日17日は日高町のブリーダーズスタリオンと、先週から今週にかけて日高では種牡馬展示会のラッシュである。

 14日はこの時期としては異例の暖気になり、終日雨の降るおかしな天候となったが、一転して15日(月)からは一気に気温が急降下し、北西の季節風が強く吹き荒れる真冬日に逆戻りしてしまった。

 午前9時。この日はJBBA静内種馬場の展示会よりスタートである。二十間道路に面する三か所の種馬場がそれぞれ時間差で展示会を開催するのが恒例になっており、順番もJBBAからアロースタッド、そしてレックススタッドへと開催場所を移動して行く。

 今年のJBBAは、今年度より供用開始のジャイアンツコーズウェイ産駒・エスケンデレヤを含む全8頭が約300人の関係者に展示された。

エスケンデレヤ

今年度より供用開始のエスケンデレヤ


ケープブランコ

今年度より供用開始のケープブランコ



 JBBAからアロースタッドまでは約500mの距離だが、集まった人々はこの間をそれぞれ自分の車で移動する。この種馬場間の移動の方がむしろ大変で、展示と展示の間の時間帯は二十間道路が大渋滞になってしまう。

 アロースタッドの展示開始は10時。ここでは30頭もの種牡馬が次々に登場した。今年のアロースタッドの新種牡馬はガルボ、ワールドエース、トウケイヘイロー、ワンダーアキュート、ハタノヴァンクールの5頭だが、それらが紹介される前に、まず今年産駒デビュー予定のアーネストリー、トランセンド、リーチザクラウン、ヒルノダムール、スズカコーズウェイの5頭の展示からスタートした。

トウケイヘイロー

新種牡馬のトウケイヘイロー


ワールドエース

新種牡馬のワールドエース


ワンダーアキュート

新種牡馬のワンダーアキュート



 30頭ともなると、撮影していても順番通りメモらなければ混乱してくる。後半は3シーズン以上の繋養になるタイキシャトルやサウスヴィグラスなど13頭が元気な姿を見せ、最後はワイルドラッシュの展示でしめくくった。

 11時半からはレックススタッドの展示が行われた。ここもまた繋養種牡馬が多く、全28頭になるらしいが、今回はサクラオリオンとサクラプレジデント、サクラゼウス、ショウナンマイティを除いた24頭がお披露目され、トップバッターは今をときめくスクリーンヒーローであった。

 レックスでも新種牡馬が5頭いて、ヴァンセンヌ、コパノリチャード、セイクリムズン、ニホンピロアワーズ、オーシャンブルーと個性的な顔ぶれが揃った。また社台スタリオンより、ネオユニヴァース、キャプテントゥーレ、閉鎖となってしまった日高SSからダノンバラードの3頭が移動してきて今年よりここで供用される。また周知のように、すでにタニノギムレットやスペシャルウィークもここで繋養されている。

スクリーンヒーロー

今をときめくスクリーンヒーロー



 この日は三か所合計で62頭の展示であった。

 翌16日は新冠のビッグレッドファームに会場を移しての展示会となった。ファンの多かったゴールドシップがお披露目されるということで、今年は異例の大人数が集まった。

 まず展示会に先立ち、展示場にやってきたのはアイルハヴアナザー産駒の2歳牡が3頭。

 ゴールドシップが注目を集める中、実は最も気になるのが今年デビューするこのアイルハヴアナザー産駒の動向で、後述するが、これら3頭は展示会終了後に、牧場内の坂路コースにて公開調教が披露された。

 ところで、ゴールドシップは、去る1月6日に到着した時から40日ぶりに見たことになるが、初種付けも終わっているというのに、展示会では驚くほど物静かで落ち着いているのが印象的であった。環境にすっかり慣れたということなのか、大勢の人々の前に登場しても、まるで興奮することもなく、静かに佇立していた。まるでもう何年も種牡馬生活を送っているベテランのような風格であった。この馬の産駒が期待通りの活躍をしてくれるかどうか、とても気になる。

ゴールドシップ

すでにベテランのような風格だったゴールドシップ



 種牡馬展示会はアイルハヴアナザーで始まり、ゴールドシップで終了したが、その後は前述のように、場所を坂路コースに移して公開調教が行われた。

 1組目は母マイネカンナの牡馬。柴田大知騎手が騎乗しマイネルビクトルと併せ、2組目は母マイネエストレアの牡馬に丹内祐次騎手が騎乗しマイネルヴェルスと併せた。3組目が母タイキシャインの牡馬で松岡正海騎手が騎乗し、マイネルミラノと併走した。4ハロンの合計タイムはそれぞれ51秒3、52秒9、51秒8であった。

母タイキシャインの牡馬

公開調教に登場したアイルハヴアナザー産駒の母タイキシャインの牡馬



 こうして実際に産駒が走っているところを見学し、本年の配合を検討して頂こうという趣旨なのである。ある意味、ゴールドシップよりも、このアイルハヴアナザーの方がビッグレッドファームにとってはより重要度が高いはずで、夏以降に初産駒たちがどんなレースを見せてくれるのかが非常に注目されるところだ。

岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

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