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馬体に迫力が出てきた!? 上昇モーニンの追い切りチェック!

  • 2016年02月17日(水) 18時00分


今週も新馬戦についての提言を

 先週、新馬戦についての提言をしましたが、今週も新馬戦の番組編成について書かせてください。実は今週以降、関西圏で芝の新馬戦を使おうと思うと、2月28日の阪神芝2000mしかありません。新馬戦が行われているのは、3月20日までにも関わらず、です。関東圏でも2月27日の中山芝2000m以降は芝の新馬戦がありません。

 ある調教師は「連続開催もあって、芝保護の目的で芝レースが少ないのかも知れないけど、これじゃあ、芝に適性がある馬は『仕上がっていなくても、ここを使ってください』って言われているようなもの。どうしても芝を使いたければ、未勝利を使えってことだろうけど、そもそも芝の未勝利戦を使えるような馬は前走で着(5着以内)に来ている馬が多くてメンバーが強い。どうしようもないね」と嘆いていました。

 JRAとして「スターホースの登場」は目標であり、目的でもあるはずです。きさらぎ賞を圧勝したサトノダイヤモンドが注目を集めていますが、そこで2着だったロイカバードは常に人気馬として扱われていますし、朝日杯FSを勝ったリオンディーズの新馬戦の2着馬、3着馬も注目を集めていましたし、これからも注目されるでしょう。

 やはり『新馬戦』はスターホースの第一歩なわけですから、芝の保護以上に重要視して、レース数を増やすべきだと思います。連続開催で使いたくないのであれば、小倉や中京といったローカル場にあってもよいでしょうし、こういった点が改善されてこそ、より一層、ファンが興味を持つレースを提供できるのではないでしょうか。

【フェブラリーS/モーニン】

 前走根岸Sから感じていたことですが、4歳になって、馬体に迫力が出てきたというか、存在感が出てきたというか、とにかく馬が目立つようになりました。画像を撮影したのは、16日の火曜日。火曜日はいつも坂路小屋で写真を撮影しますが、その時に石坂厩舎の軍団を見ても、いつも落ち着き払っているという感じです。

 根岸Sの最終追い切りでも素晴らしい動きを見せていましたが、今回も同様の動き。単走でしたが、4F52.2秒でラスト1F11.8秒。もともと追い切りで動くタイプだけに、数字的に成長を示すところがあるわけではないのですが、余力十分な走りは充実している今だからこその走り。中2週で坂路で2本、東京ダート1600mという条件は武蔵野Sと全く同じになりますが、当時よりも高いパフォーマンスができて不思議ない状態だと思います。

モーニン(2月16日撮影)

武蔵野Sよりも高いパフォーマンスができて不思議ない状態のモーニン(2月16日撮影)



【フェブラリーS/ベストウォーリア】

 昨年の3着馬。今年はJBCスプリント3着からのローテーション。昨年よりもレース間隔があく分、その仕上げに関しては難しさもあるのかも知れませんが、そもそも自身が休み明けで好走する傾向があるので、そのあたりの心配はないでしょう。人気面を考えても、石坂厩舎の2頭なら、こちらを中心にしようかと思う時期もありました。

 時期もありました、ということは、現時点でモーニンを上に評価しているわけですが、その理由は最終追い切りのラップ。1F目を13.6秒で2F目が13.7秒。過去1年で1F目に13秒台のラップで入ったことは3回ありましたが、いずれも1F目より遅いラップになったことはありません。わずか0.1秒のことなので、気にする必要がないといってしまえば、それまでですが、前走がスプリント戦を使っているという「過程」を考えると、どうしても0.1秒が気になります。ラップの踏み方自体は2015年南部杯の最終追い切りと同じなので、評価したいのですが…、といった感じ。

ベストウォーリア(2月16日撮影)

2F目が1F目より遅いラップになったことが気になるベストウォーリア(2月16日撮影)



【フェブラリーS/アスカノロマン】

 東海Sは完勝といってよいレースぶりだったと思います。予想コラムで◎を打っていたからというわけではありませんが、本当に今は調子が良く、馬体の充実ぶりも目立っています。それだけに、G1でも注目すべき存在であることは確か。ただ、最終追い切りを迎えるまでの時点で追い切りは1本。やはり中3週でこの本数はあまり評価できません。

 最終追い切りはCWで2回目のハローがあけた時間帯に単走。スピード乗りは前走時と同じような感じでしたし、このままゴール前でスピードが落ちなければというところでしたが、前走時ほどの凄みを感じることができなかったというのが、私の主観的な感想。本数が少なくても、印を打ちたいなあという迫力はありませんでした。

アスカノロマン(2月17日撮影)

前走時ほどの凄みを感じることができなかったアスカノロマン(2月17日撮影)



【フェブラリーS/スーサンジョイ】

 ここまで4連勝の素晴らしい成績はもちろん、デビュー戦の4着を除けば、あとの11戦はすべて馬券圏内という安定した成績を残している馬。徐々に階段を上がってきた馬だけに、ここでのG1挑戦は感慨深いものがあるでしょう。

 1週前追い切りのCWでの併せ馬はかなり地味でしたが、もともと併せ馬をすると動かない傾向があるので、これはよしとしていました。ただ、さすがに17日の最終追い切りはえらい止まるなあという感じ。他の馬も終い止まる傾向のあった時間帯の追い切りでしたが、それにしても、動かなかっただけに、調教だけではなかなか評価を上げにくい内容でした。

スーサンジョイ(2月17日撮影)

調教だけではなかなか評価を上げにくい内容のスーサンジョイ(2月17日撮影)



【小倉大賞典/テイエムタイホー】

 連闘の京都金杯が2着、中4週の東京新聞杯が5着ということで、寒い時期に関しては、間隔を詰めた方が結果が出るタイプだろうというのが、個人的な印象。それは武庫川Sを中1週で勝った実績からも間違いではないと思います。

 前走時は中間に重い動きを見せていましたが、17日のCWでの動きは自らハミをとって、しっかりとした走り。前半がゆっくりだった分、最後は走り足りないくらいの勢いでゴールをすぎていきましたから、状態に関しては申し分なし。あとは早目に勝負どころがくる小回り芝1800mでどんな競馬ができるかといったところ。

テイエムタイホー(2月17日撮影)

状態に関しては申し分なしのテイエムタイホー(2月17日撮影)



◆次走要注意

・2/13 3歳未勝利【スワーヴアーサー】(2人/1着)

 前走のレースぶりがなかなか強く、差し脚が板についたという感じ。今回は外回りということもあって、より後方待機策が功を奏した感じでしたが、ゴール前は楽に抜け出しました。
 まだまだ伸びしろがありそうなタイプだけに、次走も当然注目してほしい存在。

[メモ登録用コメント] [芝中距離]追い切り本数標準以上の併用系統なら勝ち負け

・2/14 4歳上1000万下【タマモイレブン】(7人/7着)

 内枠ということもあって、あのスタートならあの位置からの競馬で仕方ないでしょう。内に包まれたまま、終わってしまうかなというところでしたが、直線にスペースが。
 そこを突っ込めば、確実に上位争いできたと思いますが、ワンテンポどころか、あれでは仕掛けが遅すぎます。勝った時、そして今回と同じような最終追い切り坂路でのラップの踏み方ができれば、このクラスでも十分に勝ち負けできます。

[メモ登録用コメント] [ダート1200m]2走前と同じような最終追い切り坂路でのラップを踏めば勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・フリージア賞【ジュンヴァルカン】
 休み明けの前走、最終追い切りでも素晴らしい時計で動けていましたが、出したというよりも出てしまったという感じでした。
 それが今回はきっちりと「出した」という感じで、ラスト1Fが抜群の伸び。普通に走ってくれば、順当勝ちといったところでしょう。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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