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ルメールを信用していいか?戸崎を信用していいか?田辺は逃げるのか?

  • 2016年02月18日(木) 12時00分


先週も岩田の南蛮漬けが炸裂した。京都記念で3着したアドマイヤデウスのことだ。もちろん自分はこちらで書いたように岩田の南蛮漬けを狙い、先々週のヘボな自分へお返しをしてやった(スズカデヴィアスも狙ったけど、自分の思っていた立ち位置ではなかったので、少し狙いを下げた)。最後の直線では少々ヒヤヒヤしたけど、いい酸味だった。

岩田騎手の今年の成績は先週までで9-15-21-85。
岩田騎手にとっては不本意な成績かもしれないけれど、自分の馬券とは波長が合っている。どんなに上手い超名手がいても、自分の馬券スタイルとズレていたらなかなか、その恩恵に預かれない。逆にどんなに下手と言われる騎手だろうと、自分の馬券スタイルに合致するなら買えるし、恩恵にも預かれる。それがギャンブルってことだろう。

だから今週も南蛮漬けだ。その恩恵に預かろう。そう思っていたけど、いない。岩田騎手の名前がフェブラリーSの想定にない。どこ行った?
小倉にいた。小倉大賞典のネオリアリズムに騎乗するようだ。

先週の共同通信杯はあ〜でもないこ〜でもないと長考し、最終的に蛯名のディーマジェスティを◎にした。しかし馬券はハズれた。ハートレーとスマートオーディンを信用しすぎたのだ。人気の2頭のどちらかはふつうに勝ち負けすると思ってしまったのだった。しかし2頭ともに掲示板にものれずに負けた。京都記念で上がったマイ・テンションは一気に急降下した。あ〜〜れ〜〜〜〜〜〜。

ディーマジェスティを◎にした理由はいろいろあるけど、その1つに「鞍上・蛯名」もあった。前日のクイーンCで7人気のフロンテアクイーンを2着に持って来たのを見て、いい状態にいるような印象を抱いたからだった。蛯名騎手は「状態」で感触が掴めるタイプのように感じている。あくまでも自称・競馬印象派の戯言にすぎないけれど、それが先週は上手くいった。もちろんフロンテアクイーンも拾えた(騎手に関する深い考察は発売中の競馬王3月号に掲載されている。自分の使う『状態』とは意味合いが少し違うけれど、騎手はいろんな意味で『状態』を見極めるのが大事なことがよくわかる特集だ)。

よし、岩田騎手がいないのならば、蛯名騎手に期待だ。そう思ってフェブラリーSの想定を見たけれど、いない。どこ行った?もしや小倉か!?
小倉大賞典のマイネルフロストに騎乗するようだ。

ここはわかりやすい。どうみてもJRA全10場重賞制覇を狙っての遠征だろう。
思えば12年頃から全10場制覇を意識しているように見える。

蛯名騎手の小倉重賞騎乗
09年 騎乗なし
10年 騎乗なし
11年 騎乗なし
12年 小倉大賞典 コスモファントム テン乗り 1人気3着
   北九州記念 ジュエルオブナイル 乗り替り(騎乗経験1-0-1-1) 3人気16着
13年 騎乗なし
14年 小倉大賞典 サンライズメジャー テン乗り 5人気10着
15年 騎乗なし

遮二無二騎乗しようとしているわけではない。あくまでもチャンスホースがいれば騎乗する感じだ。でもテン乗り2回、乗り替り1回からもわかるように、10場制覇を意識しているのも伝わってくる。

今年はマイネルフロスト。テン乗りだ。
コスモファントムと同じ系列の馬主だ。応援している感満載だ。しかも予想2人気。蛯名騎手が前日のダイヤモンドSをタンタアレグリアで勝ったりなんかしたら、全10場制覇との相乗効果で場合によっては1人気になるかもしれない。

マイネルフロストは中山金杯で狙ったマイ乾杯・氷結ホース。もう1回狙って蛯名騎手の全10場制覇を氷結で祝すのもいいかもしれない。でもオープンならともかく重賞で人気を背負って勝ち負けできる馬なんだろうか?そのための蛯名騎手招聘なんだろうけど、ここはハンデ戦でもある。惜しい匂いも漂う。

マイネルフロストをナイガシロにするつもりはないけれど、人気を考えると今週も岩田の南蛮漬けを狙いたくなる。
予想10人気はそそられる。堀厩舎だし、これからもっと人気になったとしても、せいぜい7、8人気だろう。ならば狙える。

にしても今年の小倉大賞典のメンバーはニギニギしい。岩田、蛯名だけでなく、松田博厩舎がいて、橋口厩舎がいて、フォーリーがいて、バルジューがいる。去年2着したコスモソーンパークがいて、3年前に2着して、去年3着したダコールがいる。荒れるような気もするけど、荒れないような気もする。勝ちにいく競馬をする面々が何頭かいて、そのまま勝ち切れるか、最後に力尽きて、いい線狙う競馬をしていた馬が間に合うか?そんな気もする。

などとニギニギとメンバーを眺めていたら、蛯名の南蛮漬けもありのような気がしてきた。
蛯名のマイネルフロストは勝ちに行く競馬をしての3着、岩田のネオリアリズムはいい線狙う競馬をしての3着。うむ、悪くない。

他では小倉中距離力がありそうな池江厩舎のベルーフや、アイルランドTで1人気だったメドウラークが気になっている。

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ルメールを信用していいか?戸崎を信用していいか?
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■ルメールをどこまで信用すべきか?

ノンコノユメで腑に落ちないのは、ルメールがチャンピオンズCで先行しなかったことだ。
いや先行とは言わないまでも、中団にはつけると思っていた。

チャンピオンズCはG1。
ルメールが勝つために勝負しないわけがないと思っていたのだ。しかも年の瀬でまだG1未勝利だった。勝ちたくてしょうがなかったはずだ。
しかし、位置は16頭立てで、14-14-15-15だった。

勝つべきレースではポジションチェンジをいとわず、攻めるルメールがノンコノユメではかたくなに追い込み競馬にこだわっている(ように見える)。なぜだ?

それでも4角15番手から内を突いて、2着に持って来たのだからルメールは上手だ。ノンコも強い。しかしそれをフェブラリーSでもやるのだろうか?
フェブラリーSは東京マイルだからチャンピオンズC以上にノンコノユメには向いたコースに思える。しかし、フェブラリーSの過去を見ると、差し追い込み馬が苦戦してるのもわかる。

過去10年の勝ち馬
16頭立て・真ん中を8・9番手とすると、
4角8番手より前にいた馬が8勝
4角9番手より後ろにいた馬は2勝

9番手より後ろにいた馬は、
サンライズバッカス 4角10番手(16頭立て)
テスタマッタ    4角13番手(16頭立て)

以下は鞍上ルメールになってからのノンコノユメの位置取り。

青龍S 11-10-9 1着(12頭立て)
ユニコーンS 15-15-14 1着(16頭立て)
JDD  8-8-6-6 1着(13頭立て・中央馬6頭)
武蔵野S 12-10-11 1着(14頭立て)
チャンピオンズC 14-14-15-15 2着(16頭立て)

(頭数-2)くらいが直線に向くまでの位置取りだ。
今回は16頭立てだろうから、14番手くらいを追走すると仮定できる。

ノンコノユメは強い。けれど、スーパーに強い馬にはまだ見えない。
ノンコノユメが楽勝していたのは同世代対決のユニコーンSやJDDだ。武蔵野Sは勝ったけれど、タガノトネールにハナ差だった。チャンピオンズCはサンビスタに0.2差つけられた。

古馬との闘い、それもG1では、追い込み系の脚質ではそう簡単には勝ちきれないのがよくわかる。
っていうか、そんなことは陣営だって、ルメールだって、よ〜〜くわかっているはずだ。だから腑に落ちないのだ。

なんらかの弱点を抱えていて、ルメールはそれを封印しながら上手に乗っている可能性もある。だとしたら、今回も追い込みだ。
で、少々考える。1人気でもそれをやるのか?

でも、こうも思う。
もし、それで勝つようなら、すごい!スーパーだ!
ダートのディープインパクトだ!ダートだしゼニヤッタだ!
見たい!
フェブラリーSを追い込んでまとめて勝ち切る競馬を見たい!

うむ、ついた!
心の整理がついた!
ノンコノユメがディープインパクトみたいに差し切るレースをしたら、脱帽し、喝采を贈り、敬服しよう。
あ〜だんだん思い出してきたぞ、ディープインパクトのときもいつもそうやって、心の整理をしてたんだ。で、別の馬から買ってたんだ。そして返り討ちにあっていたんだ。

よし、ルメールを信用しよう。今回も追い込み競馬に徹してくれると信用しよう。
そして、追い込んで届かず!それだ。

■戸崎をどこまで信用していいか?

先週の共同通信杯は戸崎に関わりのある馬が3頭いて、戸崎騎乗のイモータルが戸崎からの乗り替りのメートルダール・リスペクトアースに先着した。
イモータルは5人気、メートルダールは3人気、リスペクトアースは4人気だったから、オッズ的には戸崎が一番信用されてなかったとも言える。しかし戸崎は先着することで自身の選択が正しいことを証明した。

今回も同じだ。
戸崎は前走騎乗したモーニンではなく、かつて騎乗したことのあるベストウォーリアに乗る。
そして人気も、モーニン予想2人気、ベストウォーリア予想4人気で、先週同様に戸崎が騎乗する方の人気が下がりそうだ。

どんな事情で戸崎がベストウォーリア、Mデムーロがモーニンになったのかはわからない。
わからないけど、戸崎にダートでは間違えて欲しくない。間違えて欲しくないんであります。

戸崎が間違えてないと仮定すると、あとがとても楽になる。
根岸S組を一枚割り引けるからだ。
ここはけっこう大事だ。ここが割り引けると武蔵野S組も割り引けてしまう。グレープブランデーは武蔵野S5着で、チャンピオンズC8着で、根岸S3着だった。タガノトネールは武蔵野S2着で、根岸S4着だった。だいたい同じくらいの力量の馬達が凌ぎ合っていたと言えなくもない。少なくともノンコノユメ以外は割り引ける。

そのノンコノユメはチャンピオンズCでサンビスタとサウンドトゥルーの間の着順だった。つまりサンビスタと勝ち負けを繰り返したホワイトフーガにも注目できてしまうのだ。あ〜楽チンだ。

よし!戸崎を信用しよう。少なくともモーニンには先着してくれると信用しよう。

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フェブラリーS注目馬
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ホワイトフーガ 戸崎を信用して、大野に行き着いた。
ベストウォーリア だから戸崎には頑張っていただきたい。

この2頭は地方では先行して、中央では中団で競馬ができそうに思える。そこも後ろ盾ではある。

お楽しみ
モンドクラッセ

フェブラリーSはときどき大穴馬が激走して、4着する。
カフェオリンポス 15人気4着
ケイアイテンジン 14人気4着
セイクリムズン  16人気4着
ノーザンリバー  11人気4着
グレープブランデー11人気4着

でもときどき間違えて馬券圏内に飛び込んでくる。
ユートピア    11人気3着
コパノリッキー  16人気1着

先行か差し、比較するなら先行タイプの方が激走しやすい。

モンドクラッセは逃げタイプで、鞍上が田辺。
ちょっとそそられる。

田辺は東京1600ダートの重賞ではけっこう逃げたがりだ。

フェブラリーS
14年コパノリッキー   2番手1着(16人気)
13年タイセイレジェンド 逃げて14着(14人気)
12年タガノロックオン  8番手6着(11人気)
武蔵野S
14年カチューシャ 逃げて7着(13人気)
13年グラッツィア 逃げて16着(9人気)
12年トリップ   6番手7着(5人気)

ぜんぜん馬券になっていなかったけれど、13年の研修がコパノリッキーで身を結んだと言えなくもない。
逃げないと味のないモンドクラッセだけど、田辺なら2、3番手で上手くレースを進めてしまうかもしれない。で、4着。間違えて3着。ほんのちょっとだけ注目。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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