スマートフォン版へ

フェブラリーSの「穴っぽい匂いがする」路線とは…?

  • 2016年02月19日(金) 18時00分


◆馬券的には厄介なノンコノユメ

 今年のフェブラリーSは前走GI勝ち馬がおらず、GIIやGIIIを勝ってきた馬は脚質などそれぞれタイプが異なる。どこからでも入れそうな、面白いレースになった。

 1番人気はノンコノユメだろうか。鞍上のルメール騎手はこのコースでの通算成績が[20-9-13-50]。複勝率が45.7%にも達しており、回収率は単複ともプラス。馬自身も古馬GIで勝ち負けになることをチャンピオンズCで示した。ただ、フェブラリーSは好位に構えるタイプが強いレースで、この馬の後方一気が決まるかどうかが問題。これまでも届かなさそうなシーンで届いてきた馬だが、馬券的には厄介な存在だ。

 ディフェンディングチャンピオン・コパノリッキーは今回、コーリンベリーモンドクラッセがいるので3番手あたりからの競馬になりそう。これは位置取りとしてはベスト。反面、ここ2走馬券の対象から外れているのが気がかり。前走はホッコータルマエに標的にされたゆえの敗戦だったのである程度言い訳はきくが……。ここでも崩れるようなら、次走以降も手を出しづらくなる。

 良い位置に構えられそうというのはベストウォーリアも一緒。JBCは1200mか2000mかという2択を迫られたので苦しかった。それでも1200mで3着はキープしているし、やはり力はある。左回り1600mは得意条件だし、やはり有力候補だろう。

 モーニンも好位に構える馬で、人気にもなりそう。成績に疵がないのは良いが、根岸S組はこのレースでの成績が芳しくない。GI路線で通用する可能性はもちろんあるが、未知の状態で上位人気というのは馬券的には難しいところ。個人的には押さえの△でお茶を濁したいところだ。

 ホワイトフーガはサンビスタを連想させるし、JBCでそのサンビスタを負かしていることもあって今回穴人気になりそう。ただ中央のダートは久々だし、サンビスタのチャンピオンズCは展開がはまった面もある。あまり人気になるようなら逆にシルシを下げることも検討したい。

 穴っぽい匂いがするのが東海S組。東海S1〜3着馬は奇しくもすべて5歳馬だが、近年のフェブラリーSはとにかく5歳馬の成績が良い。ただ3頭のうち、ハナにこだわるタイプのモンドクラッセはコーリンベリーとの競合もあり難しいところかと見る。また、今回は先行タイプが多いので、ロワジャルダンは差し構えになるのではないだろうか。そう考えるとアスカノロマンが第一候補となる。

 他に気になるといったらグレープブランデーローマンレジェンドといった古豪だが、前者の前走3着は位置取りと枠順ゆえのものという印象。後者は昨年よりやや勢いが落ちていると考えると、掲示板くらいの結果かと考える。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング