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悩ましい、ドゥラメンテの扱い

  • 2016年02月23日(火) 12時00分


クラシック馬は三冠以降に1800m以下を使う機会がないまま終わることも多い

 かなりの好メンバーで盛り上がりそうな今年の中山記念。二冠馬ドゥラメンテは長期休養明けであることと、状態面がどうかということで心配されているが、距離短縮での1800mというのもひとつの鍵だと思う。

 牡馬クラシックはいちばん短いレースでも皐月賞の2000m。よってクラシック馬は、三冠以降に1800m以下のレースを使う機会がないまま終わることも多い。

 平成以降の牡馬クラシック勝ち馬(牝馬のウオッカはのぞく)が起点となるクラシック勝ち以降、2000m未満のレースを使ったケースはのべ56例。そのうち、安田記念やマイルCSなどGIを除くと34例しかない。

 その成績は[5-6-5-18]で勝率14.7%・複勝率47.1%。回収率は単68.5%・複96.5%と単がやや物足りない。

 クラシック馬といってもその後、手詰まりになった馬が指標を下げているのではないか、と考える方もいるだろう。しかし、該当レースで1番人気に推されていたケースに限定しても[2-4-1-4]で、回収率は単29%・複83%。2番人気でも[0-1-0-3]。思ったほど勝ちきれていない。

 実は私個人としては、ドゥラメンテの仕上がり面は気にしていない。というか、香港マイルのモーリスにしても京都記念のサトノクラウンにしても、堀厩舎は調教でよく見せずに、しかし実は仕上がっているというケースも多い。ただ、ここまで述べてきたように、短めのところを使うクラシック馬というのは、意外と勝ちきれないもの。とりあえず自分のシルシでは、ドゥラメンテの1着付けは無い形にしてみようと思っている。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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