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弥生賞、リオンディーズら3強の力関係をどう見る!?

  • 2016年03月04日(金) 18時00分


◆「第4の馬」は難しいか

 リオンディーズエアスピネルの再戦にマカヒキが絡む一戦。第4の馬、を探そうにもちょっと難しいところだ。

 エアスピネルは、中山向きの器用さという点ではリオンディーズに勝りそう。そこを生かしてうまく立ち回りたいが、今回は頭数が少ないのでリオンディーズにとっては捌きが容易という面があり、立ち回りだけでは難しいかもしれない。距離延長もこの馬にとってはリスクで、最終的に2000m以上をこなすにしても、この時期にこのメンバーでどういう結果が出るかは別でもある。

 とにかく地力はあるので馬券の一角にはいるはずだが、個人的にはアタマ付けでは買いづらいと考えている。

 リオンディーズは距離短縮で臨んだ前回が最後方からの競馬。スローのデビュー戦でも6番手だっただけに今回は後ろから進めて差し遅れもあるのでは……と考えたくなるが、デムーロなので先週と同様、積極的に出してくるのではないだろうか。過去の例を見ると前走1着馬と、たとえ前走で人気でも惜敗してきた馬との間には大きな成績差がある。皐月賞でフルゲートになったら別だが、ここは突破と見る。

 マカヒキがどこまで食い込むかが難しい。ディープインパクト×デピュティミニスター系は成功例(カミノタサハラ)も失敗例(シャイニングレイ)もある。スパート距離が長くなるとリスクが出ると思うが、そこはこの馬自身が決められるわけではない。逆にリオンディーズからしてみれば、後半早めにレースの流れを上げることで、この馬の良さを消すことができることになる。

 第4の馬候補として、やはり重賞勝ち馬に敬意を表しアドマイヤエイカンを最初に挙げよう。この馬は前半が流れるほど良いし、たるむラップが無いほうが良い。そう考えると、リオンディーズが勝ってマカヒキかエアスピネルが離された2着になるときの3着なら可能性はある。ただここ2走の負け方と、収得賞金があるのにこの連闘というのは、雰囲気として良いとはいいかねる。

 500万条件を勝っているというだけでタイセイサミットあたりも△は付きそうだが、朝日杯7着という結果が見えてしまっている以上、人気馬がちゃんと走っている状況下での3着食い込みは期待しづらい。前走は2000mで勝ったが、ベストは1600〜1800mではとも思う。

 血統的な付加価値ではモーゼスもいるが、この馬を筆頭に「逃げたら良いことあるかも」という人気薄馬が何頭かいて、展開利でどうこうは期待しづらい。このように考えていくと、今回穴党には厳しい一戦だ。そもそも中山芝2000mは紛れが少なく、人気サイドで決まりやすいコースでもある。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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