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高配当を狙ってナンボのコース&レース!/フィリーズレビュー

  • 2016年03月09日(水) 18時00分

■フィリーズレビュー(G2・阪神芝1400m内)フルゲート18頭/登録26頭


【コース総論】阪神芝1400m内 Aコース使用

・コースの要所!

★3連複の平均配当が4万8186円と波乱傾向。穴馬を積極的に狙いたい。
★枠番の内外による成績差は見受けられず。外枠でもとくに問題なし。
★内回りながら、差しや追い込みも平気で届く、展開不問のコース。






 中央の全コース中でも、屈指の「波乱傾向が強いコース」である、阪神の芝1400m内。18頭立ての平均配当は、単勝1380円、馬連6546円、3連複4万8186円と、3連複だけが突出して高くなっている。つまり、1〜2着はそれなりに堅いが、3着には大穴が平気で突っ込んでくるコースということだ。

 しかし、枠番による成績差はほとんど見受けられず、きわめて公平。信頼度は外よりも内のほうがわずかに高いが、コース形態を考えれば、外枠の大健闘といえる。息が入らない展開となることが多く、先行勢が総崩れとなることも少なくない──という展開面の特徴が、大きく影響していると思われる。

 この「息が入りづらい」という特徴は、脚質面においても影響が大。この距離で直線の短い内回りコースだと先行勢有利となりそうなものだが、実際は意外なほどに展開不問。阪神カップで無類の強さを見せたサンカルロのように、後方からでも一気の脚で突き抜けることが可能だ。スタミナ面に不安を残す馬が多い3歳牝馬限定戦となると、もう「差し優勢」くらいに考えたほうがいいかもしれない。

【レース総論】フィリーズレビュー(G2) 過去10年

・レースの要所!

★2〜3着は紛れが大アリで、平均配当は馬連でも万馬券。波乱前提で。
★枠番の内外で成績差はないが、人気薄での激走率が高いのは外枠。
★芝1600mからの距離短縮組が非常に強い。回収率の面でも超優秀。









 ふたケタ人気の超穴馬が過去10年で5回も馬券に絡んでいるように、かなり波乱傾向が強いフィリーズレビュー。3番人気以内[7-2-1-20]と、1着には人気馬が来るケースが多いのだが、ヒモには毎年のように人気薄が突っ込んでいる。馬連1万3398円、3連複5万1789円という平均配当からも、波乱傾向の強さは疑いようもない。

 まずは枠番だが、コースデータ同様に「信頼度の面では大差ない」というのが、総合的な観点からの見立て。馬番7〜12番の「センター枠番」の信頼度が低いが、回収率の高さは、それを補ってあまりあるものだ。また、外枠の枠番値がプラス1.1と猛烈に高いのも特徴で、単純に内外で比較した場合でも、回収率や枠番値は外の圧勝。つまり、人気馬を狙うならば内のほうが、人気薄ならば外枠のほうがベターということだ。

 脚質に関しては、かなり極端なデータが出ている。勝ち馬の半数が4コーナー11番手以下からの追い込みで、残りの半分が好位からの押し切り。思い切って行くか、もしくは徹底的に末脚をタメるか、腹をくくった作戦に出たほうがいいレースのようだ。不器用で成績は安定しないが、常に速い上がりを使えるようなタイプがいれば、ぜひ狙ってみたい。

 ローテ面については、阪神ジュベナイルFから直行組が好成績。対照的に前走G3出走組の成績はイマイチで、ここ3年は馬券絡みゼロだ。前走G3組を狙うくらいなら、「前走500万下特別1着馬」のほうが、はるかに期待できるはず。この条件を満たす唯一の登録馬であるカトルラポールは、人気薄でもけっして侮れない。

 あとは、人気薄で好走した馬の多くが乗り替わり組であったことや、中3週よりも長いゆったりとした出走間隔で使われる組のほうが好成績であるのも、重視したいポイント。いずれにせよ、期待できる人気薄をいかに高確率で選び出せるかが、勝敗を分ける大きなカギであるのは間違いない。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 Aコース継続。日曜日の芝コースは内&前有利の傾向が強かった印象だ。

・天候予測
 冬の寒さが戻るが降雨はなさそう。良馬場前提の予想で問題ないはず。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、キンシャサノキセキ産駒○、アドマイヤムーン産駒▲

 土曜日はけっこう差せていた阪神芝コースだが、日曜日のレースでは、好位からの押し切り勝ちが圧倒的多数。追い込み馬は3着にくるのが精一杯と、前有利のバイアスを感じさせる結果が多かった。また、内枠に入った馬の好走率が高かったことから、今週も「内枠の先行勢」に有利な馬場となる可能性が高い。

 血統面では、ディープインパクト産駒とキンシャサノキセキ産駒の強さが目立つ。ダイワメジャー産駒やキングカメハメハ産駒の成績も悪くはないが、プラス評価するほどではない──というのが正直なところ。それなら、複勝回収率の高いアドマイヤムーン産駒を狙ったほうが面白そうだ。

★出走登録馬・総論×各論

 メイショウスイヅキやアットザシーサイド、キャンディバローズなど、阪神ジュベナイルFで「負けてきた組」が人気を集めそうな、今年のフィリーズレビュー。レース傾向としては確かにこの組が強いのだが、だからといってそう信頼できるとは思えず、非常に難しいレースとなりそうだ。確実に出走できるのが9頭で、残り9つのイスを最大17頭で抽選。高く評価した馬が出走できないケースも大いに考えられるので、そのあたりはご了承いただきたい。

 というわけでトップ評価は、除外の可能性が大アリのダイアナヘイローである。キャリアは2戦と浅いが、前走はエルフィンSでレッドアヴァンセの2着に好走。オープンでもやれる能力を見せている上に、プロフィル面でも「芝1600mのオープン特別から中4週で出走する、鞍上が乗り替わり予定の人気薄」と、買い材料が非常に多い。クラシック出走へ向けて、陣営も気合いが入っているはずだ。

 二番手評価は、阪神ジュベナイルFの最先着馬であるアットザシーサイド。芝1400m戦で2勝をあげており、今回の距離短縮が大きなプラスとなるはずだ。血統的にも「マイルよりも1400m」という印象が強く、決め脚もいいモノを持っている馬。鞍上次第では、本命級の評価としても良さそうである。

 三番手評価にカトルラポール。「前走500万特別で1着」からのローテは信頼度が高く、昨年1着のクイーンズリングと2着のペルフィカも、いずれもこのパターンに該当していた。今年は26頭もの登録がありながら、この条件をクリアするのは本馬のみ。関東馬が強いレースであるのも、この馬にとっての強調材料となる。

 四番手評価にキャンディバローズ。阪神ジュベナイルFでは9着に敗れたが、重賞勝ち馬という実績だけで、ここでは間違いなく格上。ローテ面だけでなく血統面での強調材料もあり、アッサリ巻き返してきても驚けない。アテにはできないが軽視もできないということで、この評価に落ち着いた。

 あとは、五番手評価のクードラパン、六番手評価のペプチドサプルも上位評価組。以下はリボンフラワー、メイショウスイヅキ、ワンスインナムーン、エターナルユース、ウインミレーユ、ソーディヴァイン、ワンダフルラッシュという序列である。除外を考慮して、今回はかなり多めに取りあげてみた。

 あとはオッズと枠番次第だが、ダイアナヘイローとカトルラポールの人気薄2頭は、フォーメーションの上位に必ず組み込みたいところ。その上で、3着を思いっきり手広く流す高配当シフトの馬券を、現時点ではオススメしておきたい。


■総論×各論・先週の馬券回顧





中山11レース 弥生賞(G2)
1着 11マカヒキ
2着 10リオンディーズ
3着 04エアスピネル

今週の「負け犬の遠吠え」コーナー( ゜Д゜)!
上がり勝負の流れを、リオンディーズ&エアスピネルより0秒8も速い上がりで差し切ったんだから、これはお見事。パドックでの気配も抜群だったし、皐月賞&ダービーでも素直に主役級でしょう。対照的に、期待したエアスピネルはパドックでの気配がイマイチ。でも、この敗戦で評価を落とすようなら、次こそ面白い気がする(泥沼)。

※コース&血統データは2013年以降、レースデータは2006年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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