スマートフォン版へ

フィリーズレビューはデリケートに。中山牝馬は10番手に。

  • 2016年03月10日(木) 12時00分


弥生賞、チューリップ賞が終わると、なぜか3歳世代の重賞1人気の成績をまとめてしまう。パブロフの犬みたいに、バカの一つ覚えみたいに、毎年毎年条件反射的にさらってしまう。そんな自分自身をパブロフの一つ覚えと呼んで、自虐したり自傷したりしているけれど、最初は違った(はずだ)。ワン!

もっと使命感をもってやっていた気がする。
その年の3歳世代には人気を背負っても勝ち切れる馬がどの程度いるのか?
1人気の成績は世代全体の特徴をつかんだり、足腰の強さをはかるバロメーターにもなるのではないか?
そしてそれは春のクラシック、特にダービーでの答えになるのでは?
うむ、重賞1人気から垣間見えることはいっぱいあるはずだー!とりゃ!

しかし実際はまとめるだけで満足し、その後にぜんぜん活かせていない。活かせていないと認識しつつも、それでも毎年さらっている。そう、パブロフの一つ覚えからはなかなか逃れられないのだ。ワンワン!
もちろん今年もさらってみた。

今年の3歳重賞の1人気の成績は、2-2-0-5。
来るときは連対、来ないときは馬券圏外。
ほぼ50:50。
去年が1-2-1-5だったから、馬券圏内的にはいっしょだ。でも去年と決定的に違うのは、今年は1月からずっとルメールとMデムーロが騎乗していることだ。実際、そのことがちゃんと成績に反映されている。

と、それを説明する前に、ここ3年の成績を記しておく。

13年
1人気2-0-0-7
勝ったのはマイル路線の2頭のみ。あとは3着にも入れなかった。1人気をナイガシロにしやすかった。

シンザン記念  エーシントップ 1人気1着
フェアリーS  イリュミナンス 1人気4着
京成杯     フラムドグロワール 1人気10着
きさらぎ賞   リグヴェーダ  1人気8着
クイーンC   コレクターアイテム 1人気9着
共同通信杯   ラウンドワールド1人気4着
アーリントンC コパノリチャード1人気1着
チューリップ賞 レッドオーヴァル 1人気7着
弥生賞     エピファネイア 1人気4着

14年
1人気7-2-0-0
勝率.777!
ここまではパーフェクト連対だった!

シンザン記念  ミッキーアイル 1人気1着
フェアリーS  オメガハートロック 1人気1着
京成杯     キングズオブザサン 1人気2着
きさらぎ賞   バンドワゴン 1人気2着
クイーンC   フォーエバーモア 1人気1着
共同通信杯   イスラボニータ 1人気1着
アーリントンC ミッキーアイル 1人気1着
チューリップ賞 ハープスター  1人気1着
弥生賞     トゥザワールド 1人気1着

15年
1人気1-2-1-5
去年はどっちつかずで、捕らえ所がなかった。

シンザン記念  ダッシングブレイズ 1人気4着
フェアリーS  カービングパス 1人気8着
京成杯     ブラックバゴ  1人気2着
きさらぎ賞   ルージュバック 1人気1着
クイーンC   ロカ      1人気3着
共同通信杯   ドゥラメンテ  1人気2着
アーリントンC ナヴィオン   1人気4着
弥生賞     シャイニングレイ 1人気7着
チューリップ賞 クルミナル   1人気11着

で、今年はこう。
16年
1人気2-2-0-5
シンザン記念  ピースマインド(藤岡康)1人気14着
フェアリーS  リセエンヌ(蛯名)1人気7着
京成杯     ウムブルフ(Fベリー)1人気5着
きさらぎ賞   サトノダイヤモンド(ルメール)1人気1着
クイーンC   メジャーエンブレム(ルメール)1人気1着
共同通信杯   ハートレー(横山典)1人気9着
アーリントンC アーバンキッド(Fベリー) 1人気5着
弥生賞     リオンディーズ(Mデムーロ) 1人気2着
チューリップ賞 ジュエラー(Mデムーロ) 1人気2着

ルメールで2勝、Mデムーロで2着2回。
1人気で連対させているのはルメールとMデムーロのみ。

なるほど。
今年はそういうことだ。

わかりやすい。
実にわかりやすい。
つまり今年のフィリーズレビューもそこに注意すればいいってことだ。

とはいえ、フィリーズレビューは、そういう世代傾向とはかけ離れたところで、決着する場合も多い。1人気がパーフェクトに連対していた14年では5着にずっこけたし、1人気がどっちつかずだった去年は1着した。そういえば去年1着に導いたのはMデムーロでもあった。なるほどなるほど。そういうことなのですね。

今年のフィリーズレビューにはMデムーロが騎乗予定だ(ルメールは未定。メジャーエンブレムがいるから、ここは騎乗しないかもしれないし、したとしても1人気になりそうな馬には騎乗しないだろうからスルーしておく)。馬はナタリーバローズ。
つまりこの馬が1人気ならば、勝ち負けする。そういうことだ。

予想オッズを見ると、
4人気 ナタリーバローズ

おっととっと。1人気じゃない。
最近のMデムーロの神がかり的活躍を見たら、1人気、もしくは2人気と思っていたので、予想の段階とはいえ4人気はサプライズだ。
でもこの馬は賞金400万で、抽選対象だから、今は少し人気が浮動しているだけかもしれない。実際、出走することになったら、1人気になる可能性はある。

ちなみに予想1人気は、もう1頭のバローズのキャンディバローズ。この馬は、馬体重410キロ前後。ちょっとデリケートな感じがする。この時期はまだ小さい馬でも頑張れるとはいえ、そもそもフィリーズレビューの1人気馬は、基本デリケートな傾向がある。

1人気成績は過去10年で3-1-0-6。去年はMデムーロで差し切っているとはいえ、連対した他3頭はみな先行馬だ。しかも位置取りは4-3-3系ばかり。位置取りもデリケートだ。しかも430キロ以下の1人気は0-0-0-3と苦戦している。

キャンディバローズの脚質を見ると、4-3-3系の競馬ができそうだけど、馬体重的にはデリケートな一面を見せそうで、心配指数は上がる。仮にナタリーバローズが出走できずに、キャンディバローズが予想どおり1人気になったら、馬券圏外の方向性で思いを巡らせたくなる。

―――――――――――
Fレビュー注目馬
―――――――――――

1人気がナタリーバローズだったらナイガシロにしない。
1人気がキャンディバローズだったらナイガシロにする。
どちらも1人気ではなかったらダブル・バローズをナイガシロにしない。

ダイアナヘイロー
ウインミレーユ

先週のチューリップ賞は、宝石職人(ジュエラー)と宝石(シンハライト)で2着、1着した。
今週はどうかな?

ダイアナヘイローの馬名由来には「曲名+父名の一部」とある
これはまさしくポール・アンカの名曲ダイアナだ。

ナタリーバローズの馬名由来には「人名+冠」とあるけど、ナタリーといえば、どこをどうみてもフリオ・イグレシアスの名曲ナタリー(黒い瞳のナタリー)だ。

これだ!
フリオ・イグレシアスVSポール・アンカ
絶倫対決…いや、かつて一世を風靡した世界的シンガー対決。JRAのCMで言えば「夢の第11レース」のマッチレース……みたいなもんだ。

キャンディバローズの馬名由来には「キャンディ+冠」とあるけど、キャンディといえばどこをどうみてもキャンディキャンディだ。よし、この際、キャンディも仲間に入れてしまおう。

フリオ・イグレシアスVSポール・アンカVSキャンディキャンディ

フリオとポールとキャンディがターフをいっしょに走ってるなんて!うは!
想像するだけで………………うん、なかなかにデリケートだ。不条理なデリケート感いっぱいだ。

ダイアナヘイローが逃げか番手でねばり込むところを4,5番手のナタリーバローズが迫る。2年前がまさにそんなレースだった(ベルカントとニホンピロアンバーで決まったレース)。ありえない話ではない。

ウインミレーユはデビューして4戦、1着、17着、1着、15着。
デリケート臭プンプンだ。鞍上は和田。上手なエスコートを期待したくなる。ウインミレーユはりんどう賞でメジェルダに勝った。今回のメンバーがファンタジーS(メジェルダ2着)と同じようなレベルならなんとかなるんじゃないか。

―――――――――――
中山牝馬S注目馬
―――――――――――

クインズミラーグロ

最近の中山牝馬Sのビクトリー・ポジションは道中10、11番手。
3角まで10、11番手にいて、3角から4角にかけて、ちょっとポジションをあげて、直線は7、8番手で入る。これで1着。

クインズミラーグロは、秋華賞では出負け、愛知杯ではスタートして挟まれて後退と、2回連続で最後方系の競馬を強いられ、2回連続で直線で壁ができて力を発揮できていない。紫苑Sではちゃんとスタートして、中団やや後方につけて、差しきった。そのときの位置取りは10-10-10-8!!

紫苑Sは距離2000だったけれど、1800のここでも同じような競馬ができれば期待できる。
今回は蛯名騎手に乗り替り。主戦吉田豊がシュンドルボンを選んだのかもしれないけれど、ここ2戦吉田豊と噛み合ってなかったともいえ、鞍上蛯名へのチェンジでふつうにスタートできれば、ふつうに10番手くらいの競馬ができるのではないか。蛯名騎手は一度騎乗して2着したこともあり、相性は悪くないはず。

他に10番手くらいの競馬をしそうなのはレイヌドネージュとリーサルウェポンあたりか。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング