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トーホウジャッカル、復調なるか!? 最終追い切りでチェック!

  • 2016年03月16日(水) 18時00分


【次回公開日変更のお知らせ】
 次回の「調教Gメン研究所」更新につきましてですが、高松宮記念出走馬中、最終追い切りを明日行う陣営がおりますため3月24日18時の公開となります。予めご了承くださいますようよろしくお願い申し上げます。

馬券総合倶楽部では会心のスマッシュヒット!

 今朝16日の調教開始時の気温が0℃だった栗東トレセン。まだまだ寒い日々が続いていますが、快晴での追い切りは双眼鏡からの視界も気持ちよく、また、ビッグネームの追い切りが数多く行われていることもテンションが上がってくるひとつの要因でもあります。それともうひとつ、自分のモチベーションが上がった理由は先週の馬券総合倶楽部の狙い馬で取り上げた「サンキュー」の的中。

 毎週のように追い切りを見ていた3歳未勝利でしたが、先週の動きは明らかにこれまでと違っており、これは馬券にではないだろうかと思っていました。そして、使ったレースのメンバーが非常に弱かったこと、そして、藤懸貴志騎手がきっちり先行させてくれたことで、圧勝のレースぶり。いくら状態が良くても、他との力関係で劣っていたり、自分の力を発揮できないレースになると結果は出ませんが、単勝30.0倍の配当が見事に決まりました。

 毎週こんなことばかりなら、蔵も建つんでしょうが、なかなかそうはいかないでしょう(笑)。ただ、いくら競走成績がさえなくても、その理由と原因を把握して、それが改善されるような状況なら、馬券になることがある。まして、実際の動きを見ていなければ、なかなか分からないような変化を、馬券総合倶楽部の狙い馬で伝えていくことができれば、と思っています。

【ファルコンS/シュウジ】

 前走朝日杯FSでは、目標にされるレースぶりもあって、勝ち馬から離された5着に終わっていますが、今回の中京競馬場では新馬、中京2歳Sで連勝した舞台。まして、前走ほど強いメンバーではないだけに、自身の状態次第で、結果がついてくるのではないかと思います。

 転厩して最初のレースということもあってか、ここまでかなり入念な調教過程を踏んでいます。今回はCWでの追い切りも積極的に取り入れており、左回りでの内容も含めると、ここまで3本を消化。あとの坂路追い切りもしっかり負荷がかけられており、最終追い切りは坂路4F50.3秒で自己ベストをマーク。ここを叩いてうんぬんというよりも、ここできっちり結果を出すといった意思が伝わってくるような内容でした。それだけに馬券を考える上で、軽い扱いはできないでしょう。


シュウジ(3月15日撮影)

ここできっちり結果を出すといった意思が伝わってくるような内容だったシュウジ(3月15日撮影)



【スプリングS/ミッキーロケット】

 ここまで4戦して3回がメンバー最速上がりをマーク。それがすべて良馬場以外ということは、馬場が悪い時の方が走るイメージもありますが、普段の走るフォームや良馬場の時に勝っていることを思えば、決して馬場が悪いから最速上がりをマークしているように思えません。むしろ良馬場でこそ結果を出す馬という印象ですから、今週末が雨という天気予報があまり歓迎できません。

 ただし、状態に関しては使うごとに良くなっていると思います。前走時の最終追い切りで坂路4F時計の自己ベストをマークしていますが、今回の最終追い切りで、そのベストをまた更新。実は1週前追い切りの段階でベストを更新していて、結果として、週を追うごとに時計が速くなったことになります。ここで3着以内に入らないと皐月賞への出走は無理だと思うので、そのあたりも含めた完璧な仕上げ。馬券的な妙味は今回でしょう。

ミッキーロケット(3月15日撮影)

完璧な仕上げで馬券的な妙味は今回、と思えるミッキーロケット(3月15日撮影)



【スプリングS/ドレッドノータス】

 デビュー時の最終追い切りで坂路4F53.7秒、1F13.6秒要して、併せ馬で遅れ。それでもきっちり勝っているあたり、追い切り内容とレース結果が直結するタイプでないのかも知れません。まして、デビュー前の追い切り本数は決して多くなかっただけに、気で走るタイプという見方もできます。

 それが分かっていても、今回の追い切り本数や1週前追い切りの内容を見ると、どうしても評価を下げたくなってしまいます。ただ、16日の最終追い切りでは坂路4F51.4秒と自己ベストを更新する数字。併せ馬でも先着できましたし、先週の追い切りで走る態勢が整ってきたのかも知れません。無敗馬ということで、過剰人気するだけに馬券の軸と評価するのはどうかと思いますが、相手には入れておくべき状態ではあると思います。

ドレッドノータス(3月15日撮影)

先週の追い切りで走る態勢が整ってきたドレッドノータス(3月15日撮影)



【阪神大賞典/トーホウジャッカル】

 菊花賞を勝った後の宝塚記念。久しぶりでも、速い時計の追い切りを消化していて、ひょっとしたら走れるかもと思わせてくれる仕上げて4着。その後の札幌記念では、慣れないトラック追い切りで結果が出せませんでした。順調に使うことができずに、ここまで延びているだけに、その状態にはかなり神経を使いたいところです。

 ちなみに1週前追い切りを見た時には、最終追い切りで動けるだろうという想定をしていました。それだけに4F53.0秒という数字には少し不満を覚えるところですが、ラスト1Fが最速になるラップを踏めている点は予想通り。もちろん、菊花賞時のような素晴らしい動きというわけではありませんが、この馬の能力を考えれば、現状でも十分に勝ち負けできるはずです。

トーホウジャッカル(3月15日撮影)

この馬の能力を考えれば、現状でも十分に勝ち負けできるはずのトーホウジャッカル(3月15日撮影)



【阪神大賞典/シュヴァルグラン】

 坂路とCWを併用して仕上げるパターンは変わっておらず、これで結果を出してきました。この中間もそれに変わりはなく、追い切り本数もしっかりと積んでいます。ただ、2週前追い切りと1週前追い切りではサラトガスピリットに遅れており、どうしても見映えがさえない印象はありました。

 最終追い切りはアドマイヤイバマとアドマイヤフィズを追走する併せ馬。特に前者は攻め駆けしないので、先着するのは当然。時計的にもこれまでとあまり変わらないので、力を出せる状態だと思います。それでもトーンが上がらないのは、前週までの動きと今週の動きのイメージ。あくまで主観的におすすめしていないだけなので、この馬に関して私の評価はアテにならないかも知れません(笑)

シュヴァルグラン(3月16日撮影)

時計的にもこれまでとあまり変わらないので、力を出せる状態のシュヴァルグラン(中・3月16日撮影)



◆次走要注意

・3/12 フローラルウォーク賞【オリエントワークス】(6人/6着)

 直線に急坂のある中京競馬場でトラック単一調教。他の上位馬が坂路もしくは併用系統だったことを考えれば、調教適性の差で負けただけ。

 既走馬を相手にデビュー勝ちしたように、センスの良さと立ち回りの巧さは500万下で十分に通用すると思います。京都競馬場に戻れば。

[メモ登録用コメント] [京都]調教タイプが標準併用なら勝ち負け

・3/13 中山牝馬S【シングウィズジョイ】(6人/15着)

 コーナーが4つあるよりも、2つの方が結果が出るようになったのかも知れませんし、前に入られた影響があったのかも知れませんが、個人的には中間の追い切り過程の中で今回の結果は想定できました。

 それだけに、次走に向けてはどんな舞台にせよ、まずは追い切り本数が標準以上であること。これがこなせていれば、あとはメンバーや枠順次第できっちり巻き返してくれると思います。

[メモ登録用コメント] [芝マイル]調教タイプが追い切り本数標準以上なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・若葉S【ノガロ】
 きさらぎ賞でも厚い印を打ちましたが、その後の様子を見ていると、決して1勝クラスで甘んじるような馬ではない印象。前走後も在厩調整している効果なのか、馬体に幅が出てきた感じもありますし、16日の最終追い切りでは、坂路4F時計の自己ベストを更新。
 数字だけでなく、タッチシタイとの併せ馬での動きを見ていても、最後に脚が上がった相手に対して、こちらはどこまでの伸びていきそうな雰囲気を見せていたことも評価した要因です。

ノガロ(3月15日撮影)

決して1勝クラスで甘んじるような馬ではない印象のノガロ(3月15日撮影)

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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