少々の渋馬場など気にしない
雨予報の中京の芝コースは、馬場の判断がむずかしい。第1週と今週はAコースなのに、次週「高松宮記念」の残り1週だけはBコースに移る。このあたりも馬場変化、管理の難しさを示している。12月(Aコースで3週間)、1月(Bコースで3週間)にも開催されているので、全体に少々タフな芝コンディションになっているところへ雨。降雨量は多くなくとも時計勝負の馬場ではないだろう。
小足の利くフットワークの
シュウジ(父キンシャサノキセキ)は、ヤヤ重の中京1400mを快勝の記録がある。まず渋馬場は平気だろうが、素晴らしい充実を示す
トウショウドラフタ(父アンライバルド)のパワフルなフットワークに期待したい。
同じ左回りの東京芝1400mは【3-0-0-1】。2歳11月の京王杯2歳Sでボールライトニングの5着(0秒2差)にとどまっているが、馬場に先出しでカッカしていたうえ、道中もスムーズではなかった。それでも勝ち馬をしのぐ上がり33秒3で伸びて0秒2差だから、中身は少しも悪くない。
2走前に折り合い難を解消するため後方一気で2勝目を挙げたあとの前回が圧巻。坂上まであえて待ち、インに突っ込むと、残り100mくらいで一気に3馬身も抜け出してみせた。切れたというより、デビュー時から約20キロも増えて470キロになった馬体から繰り出すフットワークが、別馬のように力強くなっている。
父アンライバルドは、ネオユニヴァース産駒のわりに渋馬場は良くなかった印象があるが、スイープトウショウ(現在はノーザンFに移籍)が代表するトウショウ(藤正)牧場の誇ったこの牝系に配されてきた種牡馬は、トウショウドラフタの場合、「ジェイドロバリー…トウショウボーイ…ダンディルート…チャイナロック…ダイハード…」。そして、6代母の父は今ではもう伝説の初代3冠馬セントライトである。
少々の渋馬場など気にするとは思えない。ここ2戦はあえて控えているだけで、折り合い自在になった今なら、18頭立ての渋馬場の中、コースを選択しつつ好きな位置につけられるはずである。サンデーサイレンス分枝=ネオユニヴァース系は、同じ昨年が初産駒デビューだったヴィクトワールピサが、きょうの「若葉S」のナムラシングン、桜花賞候補ジュエラーを送るなど、勢いに乗っている。アンライバルドもトウショウドラフタの快走で一気に評価を高めたい。
折り合い不安なしの1400mなら、渋馬場も苦にしないと思える
ルグランフリソンと、前出シュウジが相手本線。大穴の中にやけに動きのいい
キングハートを入れたい。