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スプリングSの有力馬分析と「かなり魅力を感じる馬」

  • 2016年03月18日(金) 18時00分


◆極端な穴狙いはしづらい

 スプリングSは以前と比較すると堅い重賞になりつつあり、極端な穴狙いはしづらいところ。買い目を絞るか、フォーメーションでアトサキをはっきりさせることで採算性の良い馬券を組み立てていくのがよい。

 ロードクエストは満を持しての登場。ホープフルSではハートレーに体当たりぎみの先捲りを打たれて2着となったが、それでも地力のあるところは見せた。夏重賞の勝ち馬は成長力が課題となるだけに、2歳末の重賞を好走できたことは心強い。

 ただ、脚質的なリスクはある。最近のスプリングSはかなり逃げ・先行有利。1番人気になるような馬はそれを覆すこともあるが、惜しい2着といった結末は想定しておいたほうがよいだろう。

 ドレッドノータスは、単純に通過順ベースで見た場合はこのレースの傾向に合う脚質。さすがに今回も前には行くだろう。問題はこれまで踏んできたラップで、2走ともゆるゆるのスローペース。全体に締まったラップ構造になった場合に耐えられるかどうかがテーマだ。

 アドマイヤモラールも脚質はこのレースに合うのだが、距離が微妙。1400〜1600mがベストの可能性はある。京成杯もこの馬と道中近い位置にいた1,2着馬にはっきりした着差をつけられている。今回は距離短縮なのでばっさりとは切りづらいが、さりとて1800mで絶対大丈夫という太鼓判を押す根拠はない。

 マウントロブソンは育成時代から期待されていた馬。ディープインパクト産駒にしては一瞬の切れ味で勝負するタイプではなく、むしろ場合によってはキレ負けする。未勝利勝ち時のように平板なラップになるか、前走のように自分だけロングスパートするような競馬が良い。今回スローになった場合、テン乗りのシュタルケ騎手が後者のような競馬の必要性を認識しているかどうかがポイントになる。

 ミッキーロケットも安定味と持続力で勝負するタイプ。前半13秒台連発のレースでも差しに構える馬だけに、今回も初手は後ろからだろう。問題は前半が流れなかった場合で、捲る競馬を経験しているマウントロブソンより、まだ未知数のこの馬のほうが評価しづらい面がある。

 マイネルハニーは逃げた3戦すべて馬券に絡んでいる一方で、差しに回って良かったことはない。今回は腹をくくって逃げるのではないかと想像する。自分の形に持っていったら強い馬。良績は東京に集中しているが、まだ中山がダメと断ずるほどの根拠は溜まっていない。今回馬券的な面ではかなり魅力を感じる馬だ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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