1800mへの出走もいい経験に
土曜日の関西2場(阪神、中京)は、雨の影響で「重馬場、不良馬場」のスタートだったが、関東の中山の方が降雨量はやや少ないように思える。注目の皐月賞最終トライアルはそれほど悪いコンディションのなかでのレースではないだろう。
今年、ここまでのポイントのレースは、サトノダイヤモンドの勝った「きさらぎ賞」と、マカヒキ、リオンディーズの「弥生賞」とされるが、スプリングS組はハイレベルのレースを展開できるだろうか。
過去20年間の皐月賞で「1-3着」した計60頭が、本番直前のどのレースに出走していたかをまとめてみた。牝馬の桜花賞は、主力の大半がチューリップ賞を選んでいたが、実は、フィリーズレビュー、アネモネS、12月の阪神JFなど、直近のステップレースは計「7レース(プラスその他2レース)」に達し、さまざまなルートがあった。
ところが、皐月賞「1-3着馬」の直前の出走レースは、
皐月賞1着-2着-3着
▽ 弥生賞………【7頭-7頭-9頭】
▽ スプリングS 【6頭-6頭-4頭】
▽ 若葉S……… 【3頭-6頭-3頭】
▽ 共同通信杯…【3頭-0頭-3頭】
▽ その他………【1頭-1頭-1頭】
ほぼ4つのレースに限定されている。その他は、10年の3着馬エイシンフラッシュ(京成杯)、01年の2着馬ダンツフレーム(アーリントンC)、99年の1着馬テイエムオペラオー(毎日杯)。60頭のうちのたった3頭だけである。
好走した60頭のステップレースのなかに、なぜか今年の人気馬サトノダイヤモンドの「きさらぎ賞」が入っていないのは気になるが、同じ2月で1週しか日程の差がない「共同通信杯」組が3頭も勝っているから、たまたまのこと、さして問題ではない。
ただ、きさらぎ賞から皐月賞に直行で好走したもっとも近い例は、遠く1990年の1着馬ハクタイセイ(父ハイセイコー)までさかのぼらないと存在しないから、気にならないといえばウソである。サトノダイヤモンドは、「たとえ皐月賞は負けてもいいから、なんとしても日本ダービーは勝ちたい」。そういうローテーションを取ってきたともいえる。
トータルしてちょっと驚いたのは、中山当時は伏兵の宝庫として知られた「若葉ステークス」が阪神に移ってからも健在、重要なレースであり続けていること。これだけ好走馬を送っているのだから、土曜の若葉Sは再チェックする必要がある。
スプリングSの
ロードクエスト(父マツリダゴッホ)は、ちょっと乗り込み量不足とも思えた前回とは、調教量からして雲泥の差。再鍛錬になったのか、馬体重はともかく体つきがたくましくなった。本番に向けての1戦とはいえ、まだスローのレースだけしかしていないから、1800mへの出走もいい経験になるだろう。
前回は、道中からしてスムーズではなかったうえ、スパートも強引すぎた。母方が平坦で一族のためか、中山の直線の急坂を苦にした印象もあったから、中山が2度目になる今回は、最大の勝負どころとなる坂で最大の持ち味の「爆発力」が発揮できるかどうかも確認したい。相手は、鋭さを増している
ミッキーロケットに魅力が大きい。