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枠番次第では大混戦となるかも!?/高松宮記念

  • 2016年03月23日(水) 18時00分

■高松宮記念(G1・中京芝1200m)フルゲート18頭/登録22頭


【コース総論】中京芝1200m Bコース使用

・コースの要所!

★波乱傾向がやや強いコース。7〜9番人気あたりの中穴が狙い目か。
★枠番による成績差は小さいが、センター枠の馬番7〜12番が優秀。
★差し&追い込み勢の強さが目立つ。後方からでも突き抜けが可能。






 フルゲート18頭立てにおける平均配当は、単勝1476円、馬連7776円、3連複3万2294円と高めの水準。人気別成績をみても、人気薄の強さが目立っている。とくに注目したいのが、4〜6番人気の「2〜3着率」と7〜9番人気の複勝率が高いという点。ふたケタ人気の超人気薄もけっこう来ているが、もっとも効率がいいのはやはり、中穴狙いだ。

 次に枠番だが、枠番による成績差はかなり小さめ。外枠である馬番13〜18番の複勝率がやや低めだが、大きく割り引くほどではない。ただし、枠番値ベースでの比較では、センター枠である馬番7〜12番がプラス0.6という優秀な数値をマーク。脚質や人気を問わず活躍しており、じつはココがもっとも狙い目──という可能性もありそうである。

 そして脚質面だが、直線の長い急坂コースであるためか、こちらは差し&追い込み勢の強さが目立っている。好位勢の信頼度や回収率がここまで低いコースというのは、ちょっと珍しいほどだ。かなり差し優勢だと考えていいはずで、最後方からでも一気の脚でアタマまで突き抜けられるコース。同じスプリント戦でも、中山芝1200mとは性質が大幅に異なるのだ。

【レース総論】高松宮記念(G1) 過去4年

・レースの要所!

★3番人気以内馬の複勝率が66.7%と高信頼度。順当決着傾向が強め。
★外枠の枠番値がプラス1.4と超優秀。対照的に内枠は不振が目立つ。
★連対馬8頭はすべて前走馬体重480キロ以上。馬格の有無が超重要。









 中京リニューアル後に行われた過去4年を対象としているため信頼度は低めだが、コースデータよりも順当決着傾向が強いのは間違いなし。平均配当も、単勝485円、馬連4825円、3連複8600円とかなり低めの水準だ。ふたケタ人気で激走したのは2013年のハクサンムーンだけで、トータル[0-0-1-34]と大不振。大穴はけっこう狙いづらい。

 まず注目したいのが枠番データ。外枠である馬番13〜18番が、平均人気8.3に対して平均着順6.9という、スーパー好成績を残しているのだ。平均人気がもっとも高いのに枠番値が図抜けて高いというのは、非常にレアなパターン。対照的に、内枠である馬番1〜6番はかなり不振である。コースデータを加味して考えると、内枠に入った馬は、かなり割り引いて考えたほうがいいと思われる。

 そして脚質だが、こちらはスプリントの頂上決戦らしく、好位勢が優勢。コースデータではもっと差せていたが、さすがにG1出走馬ともなれば粘りが違う。ただし「後方からでも届く」という点はコースデータ通りで、4コーナー11番手以下から3頭が連絡み。軸足を好位勢に置きつつ、相手は差し重視で狙うスタンスを推奨したい。

 あとは、前走大敗からの巻き返しがきかないのも特徴。前走、0秒6以上の着差で負けていた馬は、[0-0-1-28]と連対例ゼロだ。0秒3以上の着差で負けていた馬も大不振で、前走1着、もしくは0秒2以内の僅差負けであるのが望ましい。また、前走馬体重480キロ以上馬が圧倒的に強いのも、ぜひ覚えておきたいポイントだ。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 Aコース→Bコース替わり。内ラチ沿いが有利となる可能性もありそう。

・天候予測
 曇りはするが降雨はなさそうな天気図。良馬場でのスピード勝負。

・注目血統
 アドマイヤムーン産駒◎、ストーミングホーム産駒○

 不良馬場だった土曜日は差しが決まりまくっていた、先週の中京芝コース。しかし、馬場が回復してきた月曜日になって先行勢が盛り返しており、今週どうなるかは何とも読みづらい。しかも、今週からBコース替わりであり、内ラチ沿いを通れる馬のほうが有利となる可能性もありそう。土曜日の馬場バイアスは、必ずチェックすべきだ。

 血統面では、アドマイヤムーン産駒とストーミングホーム産駒をプラス評価。サクラバクシンオー産駒やキングカメハメハ産駒、ディープインパクト産駒なども好成績ではあるのだが、複勝率や回収率の高さから考えて、もっとも適性が高いのはアドマイヤムーン産駒だと判断。出走数こそ少ないが、ストーミングホーム産駒も侮れない存在である。のべ33走して馬券絡みゼロのクロフネ産駒は、大幅割引。

★出走登録馬・総論×各論

 昨年の覇者エアロヴェロシティが疝痛で回避し、さらにシルクロードSを快勝したダンスディレクターも左前肢の違和感から大事をとって回避と、有力馬が立て続けに姿を消した今年の高松宮記念。これにより、ミッキーアイル、ビッグアーサー、エイシンブルズアイあたりが人気を集めそうだが、どの馬も盤石とはいえず、混戦ムードである。

 当データ分析がトップ評価としたのは、阪急杯を逃げ切ったミッキーアイルだ。昨年も僅差の3着に好走しており、秋のスプリンターズSでも4着と、スプリント路線で残してきた実績は一枚上。前走1着、前走馬体重488キロ、継続騎乗、5歳馬と、プラス材料もじつに豊富だ。好位からの競馬になっても、十分に勝ち負け可能だろう。

 二番手評価に牝馬のアルビアーノ。前走のオーシャンSでは人気を裏切ったが、さすがにあの位置からでは、最速上がりでも届かない。後手を踏んだとはいえルメール騎手らしからぬ競馬で、あの結果は度外視して差し支えないだろう。差せる脚があるのは大きな魅力で、ここは捲土重来が期待できる一戦。前走の結果で人気を落とすようであれば、なおさら食指が動く。

 三番手評価は、人気薄となりそうなローレルベローチェだ。逃げ馬だけに展開に左右されそうだが、ここにきての充実ぶりが目立つ1頭であるのは間違いなし。実績的に格下であること、騎乗予定の中井ジョッキーがG1初騎乗であることなど気がかりな面もあるが、データ面での強調材料はそれを補ってあまりある。ぜひ、ファンをアッといわせる走りを見せてもらいたいものだ。

 四番手評価にビッグアーサー。人気に応えきれない結果が続くが、そのポテンシャルはやはり侮れない。先行勢が多く前が流れてくれそうなのもプラスで、ここは改めて真価を問われる一戦となりそうだ。以下は、ハクサンムーン、ブラヴィッシモ、エイシンブルズアイ、レッツゴードンキという評価の序列である。

 あとは枠番決定後に、内枠に入った馬を割り引いて、外枠を引いた馬を少しプラス評価したいところ。混戦ムードでもあり、上位評価組のオッズ次第では、高配当を狙っていく方向に舵を切ってもいいかもしれない。


■総論×各論・先週の馬券回顧




中山11レース スプリングS(G2)
1着 01マウントロブソン
2着 04マイネルハニー
3着 10ロードクエスト

単複を買えば最下位ッ!
合っていたのは「ロードクエスト絶対」ではないという点のみ。アドマイヤモラールのみならずドレッドノータスまで沈むという、グウの音も出ない惨敗でございます。でもさすがに、この泥沼モードも今回の最下位で、さすがに底を打った気がする(願望)。

※コース&血統データは2013年以降、レースデータは2012年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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