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高松宮記念、狙いたい差しタイプの「穴で面白そうな1頭」

  • 2016年03月25日(金) 18時00分


◆プラス要素は多いミッキーアイル

 有力馬の回避が続いて、混戦の度合いが増した今年の高松宮記念。ここまでの経験を見ると、中京の馬場適性が問われるというよりは強い馬は強いという結果が多かったように思うが、それもまだ4回だけが対象のこと。本当のところはこれから分かってくるだろう。

 ミッキーアイルが1番人気だろうか。阪急杯→高松宮記念というのは改修前も後も機能しているローテーションだし、勝ってきたのはなによりプラス。5歳馬は世代別成績で見ても成績が良く、確かにプラス要素は多い。

 ただ問題は、今回はローレルベローチェハクサンムーンアクティブミノルなどもいて先行タイプが多い。香港スプリントがそうだったが、ミッキーアイルはなまじ自在性があるのであまり強く位置を主張しない。それが隙になりうる。松山騎手が強気な競馬をできるかどうか。

 ビッグアーサーは同じく5歳馬だし、こちらのほうが展開利は得られそう。ただ、臨戦過程を振り返ってみると阪神Cを使ったことが余計だった感もある。GIはそういう細かいところが影響してくることもある。

 アルビアーノの前走は1200mということでテンに置かれたが、全体としては1200mもこなせるという印象だった。今回は慣れが見込めるし中京替わり。上積みは大きいのだが、ここへきてやや急仕上げの感があるのが残念だ。

 スノードラゴンの前走はさすが地力があるという印象。今回も少差の競馬はできそうだ。ただ勝ち切れるイメージはなく、2,3着で馬券に絡むのか、4,5着で絡めないのか、紙一重というところ。オッズ次第で取捨を決めたい。

 ウリウリは中京実績もあるのだが、いまの状況でトータルの時計が速くなるとどうか。それ以上に、前傾ラップで好時計決着となると、前半の位置が下がっているぶん差し届かないイメージ。ラップ自体は上がらず、それでいて前が止まってくれる形を望むしかない。

 エイシンブルズアイはスタミナに余裕のあるスプリンターという感じで、このレースには合う。とにもかくにも1着して本番を迎えられたのは歓迎だし、先述したように今回は差し馬に出番がありそうだ。あとは石橋脩騎手が落ち着いて乗れるかどうか。

 ハクサンムーンは実力馬だが、今回は競合する馬が多すぎる。ローレルベローチェにも同様のことが言える。狙いたいのは差しタイプで、穴で面白そうなのがサトノルパン。前走はビッグアーサーに0.5キロとはいえハンデを与える立場でクビ差。ビッグアーサーが上位人気になるくらいなら、この馬にも3着のチャンスくらいはあっておかしくないだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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