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陣営のコトバを聞いて記者はこの2頭に“肩入れ”したくなった/吉田竜作マル秘週報

  • 2016年04月06日(水) 18時00分


◆メジャーエンブレム一色ムードだが、絶対がないのが競馬

 森厩舎に2歳馬の入厩が続いている。最初に入ったルイ(牡=父Into Mischief、母Tipsy At Midnight)とロードバレット(牡=父Malibu Moon、母Ravish Me)の2頭の外国産馬のうち、あっという間にゲート試験をクリアしたのはルイで、ロードバレットは不合格に。

 残されたほうは1頭でゲート練習に励まなければならないところだったが、そこで新たに入厩してきたのがリンクスゼロ(牡=父アドマイヤマックス、母チャメ)。心強い新たなパートナーを見つけたことで、ロードバレットもルイの後に続いてくれるだろう。

 早々に動きだしている厩舎もあれば、動きだす時期を迷っている厩舎もある。「もうそろそろ2歳馬を入れないとって思ってはいるんだけど…」と木原調教師は何やら思案顔。「やっぱり1頭ではなく、2頭揃って入れないとってことですか?」と問うと、「そうなんだよねえ。入れるなら2頭一緒に入れないと」。

 新馬戦のスタートは、まだ2か月も先。2歳馬を2頭入厩させることは、厩舎経営的観点では2か月間、2馬房分の稼ぎがなくなることを意味する。次世代への布石を打つか、厩舎の継続的な稼働を取るか。木原師だけでなく、どの厩舎にとっても、この時期は悩みどころなのだろう。

 もちろん、理想は“2頭一緒”でも、結果的に単独で入厩するケースもある。例えば高橋康厩舎のメイトウショウの14(牝=父キンシャサノキセキ)だ。

「本当はもう1頭連れてくる予定だったんですが、出発前に熱が出てしまって…。それでこの馬1頭で来ることに。ただ牧場でも順調に乗り込めたようですし、こちらに来てからというもの、カイバもゆっくりながら食べてくれている。これなら大丈夫かな、と」(高橋康調教師)

 今後はゲート練習を積みながらデビュー時期を模索するそうだが、半兄にはオープンまで出世したトウショウブリッツ、近親には名牝スイープトウショウもいる血統。そこに2歳戦に強いキンシャサノキセキが配合されたとなれば、早い時期から“大暴れ”(もちろん活躍するという意味)してくれるのでは。

 さて、今週は桜花賞。POG的には、ここからがある意味“答え合わせ”のシーズンとなる。

「自分としてはワントゥワンは桜花賞、ジュエラーは距離が持ちそうなのでオークスでと思っているんだ。ただスケールなら、やはりジュエラーだと思うよ」と藤岡調教師に教わりつつも、(現在休養中の)ワントゥワンのほうを上位に指名した記者は“戦わずして負け”ってことになるが、馬券で取り返すチャンスは、まだ残されている。

「前走(チューリップ賞2着)は、あくまでトライアル仕上げ。まだ上積みは見込めるし、(シンハライトとの)勝負付けが済んだとも思っていない。確かにメジャーエンブレムは強いけど、ああいう(スピードの勝った)馬が楽にレースをできないのが桜花賞。チャンスはあると思うよ」

 高松宮記念をビッグアーサーで制覇。JRA・GIトレーナーとしては初めてのクラシックとなる藤岡調教師も気合十分だ。

 一方で、チューリップ賞で不可解な敗戦(14着)を喫したのがブランボヌール。「騎手(岩田)は“手応えがなかった”と。自分は乗っていないので、それ以上は言えないよ」と中竹調教師も釈然としないようで、「あれがこの馬の力とは思えないし、改めて」と闘志を燃やしている。

 メジャーエンブレム一色ムードだが、絶対がないのが競馬であり、特にこの桜花賞というレース。記者はジュエラーとブランボヌールの2頭に“肩入れ”して見守るつもりだ。

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