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ブチコ!地方競馬ファンの前に初登場/マリーンC

  • 2016年04月12日(火) 18時01分

憧れのメイショウバトラー姐さん


 4月13日(水)、船橋競馬場で行われる『第20回マリーンC』。ミラクルレジェンド、メーデイア、ワイルドフラッパー、サンビスタと2012年以降1番人気が4連勝中。堅い決着が続いていますが、それというのも牝馬のダートグレード競走の体系がしっかりしているから。

 TCK女王盃→エンプレス杯→マリーンC→スパーキングレディーC→ブリーダーズゴールドC→レディスプレリュード→JBCレディスクラシック→クイーン賞と続く古馬牝馬の重賞。一連のレースの好成績馬が上位争いをする傾向にあるため、これらのレースをきちんと把握しておくことが重要となります。

 今回はまず、そんな牝馬限定重賞はもちろん、牡馬との戦いでも長く活躍した心に残る名馬、メイショウバトラーの思い出を振り返りたいと思います。

DGに魅せられて

▲2008年2009年とマリーンCを連覇したメイショウバトラー(写真は2009年優勝時、撮影:高橋正和)


 父メイショウホムラの数少ない産駒で、2003年3歳の6月という遅いデビュー。2戦目で勝ち上がり、3戦目以降は芝のレースを使っていました。2004年に4歳で小倉大賞典を制し、芝の重賞ウイナーとなりますが、2005年、屈腱炎を発症し約1年5か月の休養に入ります。

 2006年6歳の5月にダート戦で復帰すると、2戦目のプロキオンSを勝利。続く佐賀のサマーチャンピオン、シリウスSと重賞3連勝。7歳ではかきつばた記念、さきたま杯、スパーキングレディーC、クラスターCと重賞を4連勝。

 8歳となった2008年4月、1番人気に応えてマリーンCを制し、重賞9勝目を挙げます。管理していた高橋成忠調教師の「8歳だけどまだまだ元気。地方競馬が向くのか元気があり余っている感じです。今後も交流レースを使っていく予定」という言葉通りに、その年後半も各地のダートグレード競走で上位争いを繰り広げました。

 9歳で再び迎えた2009年マリーンC。好位追走から直線で早めに抜け出し、見事連覇を飾ったメイショウバトラー。ダートグレード競走を9歳牝馬が勝ったのは史上初の快挙でした。

 これで重賞10勝目となり、高橋調教師がインタビューで「9歳まで長い間競馬をしてもらって、馬にまず感謝しています。重賞10勝にこだわっていたので、マリーンC連覇を目標にしていました。馬にお礼を言わないといけませんね」と感謝の気持ちを述べていたことが昨日のことのように思い出されます。

 同じ女性として長く現役で活躍したメイショウバトラーは憧れの存在。あらゆる苦難を乗り越えて活躍する姿に感銘を受け、「私も頑張ろう!」と、バトラー姐さんに励まされたことは忘れられません。

ユキチャンの半妹ブチコが参戦!


 そしてこの2009年のマリーンCにはユキチャンも出走していました。白毛のアイドルホースが参戦ということもあって、平日にもかかわらず船橋競馬場には大勢のお客様が来場。結果は2番人気で6着でしたが、この年の12月、クイーン賞で勝利を挙げています。

DGに魅せられて

▲2009年のマリーンC出走時のユキチャン、たくさんのお客様が来場


 さあ、ユキチャンの話が出たところで、今年のマリーンCの話題へと移っていきましょう。

 なんといっても注目が集まっているのはユキチャンの半妹、ブチコ! 地方競馬ファンの前に初登場です。

DGに魅せられて

▲マリーンCに向けて栗東トレセンで調整するブチコ(撮影:井内利彰)


 ユキチャンは「可愛いだけじゃなくて強い」と言われていましたが、妹もそれに続くことができるでしょうか。前走・上総Sは先行して直線で力強く伸びて快勝。牡馬相手に見せた力強い走りは、牝馬限定戦なら上位争い間違いなしです。

 ブチコと同じ4歳のディアマイダーリン。オークスや秋華賞など芝の重賞を走っていた素質馬が、昨年12月、初ダートで挑戦したクイーン賞で重賞初制覇。船橋コースで勝っているアドバンテージは大きいです。

DGに魅せられて

▲素質馬ディアマイダーリンも参戦(写真は2015年クイーン賞優勝時)


 フォーエバーモアも3歳時にクイーンCを勝った芝の重賞ウイナー。このクイーンCで2着だったマジックタイムは先日のダービー卿CTを勝利。レースレベルが高かったことを証明しました。今回、ダートグレード競走初出走です。

 ヴィータアレグリアは前走・エンプレス杯がダートグレード競走初出走でアムールブリエの2着。南関東の競馬場を知り尽くしている戸崎圭太騎手と引き続きコンビというのは心強い材料といえます。

 地方馬の中からは大井のブルーチッパーが有力。スパーキングサマーC、東京シンデレラマイルを制している南関東のマイル重賞2勝馬。船橋では一昨年のクイーン賞でトロワボヌールの3着という成績があります。今回マイル戦に戻れば、中央馬を相手に好走する可能性大です。

DGに魅せられて

▲マイル重賞を2勝しているブルーチッパー(写真は2015年JBCレディスクラシックのパドック)


 今年のマリーンCはダートグレード競走の経験が少ない馬が多く、ほとんどが初対戦となるメンバー。例年のような物差しになるレースが無いため、力の比較が難しいと言えます。もしかしたら波乱の決着となる可能性も?! ニューフェイスが揃い、今後の牝馬のダート戦線を占う意味でも貴重な一戦です。

 いよいよ今年度の船橋ハートビートナイター開幕! マリーンCには藤田菜七子騎手も参戦で、話題も満載。華やかな女の戦いにご注目ください。

※次回の更新はゴールデンウィークの5月2日。少し間は空いてしまいますが、5月3日のかきつばた記念(名古屋)、4日の兵庫CS(園田)、5日のかしわ記念(船橋)という豪華3連続でお届けします



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【ダートグレード競走とは】
中央競馬・地方競馬の交流を促進し、ダート適性のある実力馬の出走機会の拡大を図るため、全日本的な見地から体系づけられたダート交流重賞競走の総称。

埼玉県出身。フリーアナウンサー。競馬好きが高じてこの世界へ。2001年から15年間、グリーンチャンネルで「中央競馬全レース中継」のキャスターを務める。2016年度から「グリーンチャンネル地方競馬中継」のコメンテーターとして出演。さらに全国各地の競馬場のトークイベントに参加するなど、中央競馬・地方競馬の垣根を越えて活躍中。

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