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ルーラーシップ産駒の満点配合レジェンドセラー

  • 2016年04月13日(水) 12時00分
【2歳】
ジェネスレーヴ(牡 美浦・木村哲也 父ダノンシャンティ、母チェルカ)
 アキトフォルテ(父キンシャサノキセキ/現2勝)、ラインハート(父ステイゴールド/現3勝)の半弟。父ダノンシャンティは現3歳の初年度産駒からスマートオーディン(16年毎日杯-GIII、15年東京スポーツ杯2歳S-GIII)を出した。NHKマイルC(GI)を当時のJRAレコード(1分31秒4)で制したスピードと瞬発力は、Halo 3×3という配合に負うところが大きい。スマートオーディンは、Haloと配合構成がよく似たSir Ivorを母方に持ち、Halo≒Sir Ivor 4・4×4としている。本馬もHalo≒Sir Ivor 4・4×5を持ち、なおかつMr.Prospectorを抱えている。仕上がり早のスピードタイプで、すでに美浦で時計を出しているので早くからデビューできそうだ。芝向きのマイラー。

ハートオブスワロー(牝 美浦・粕谷昌央 父ハーツクライ、母イソノスワロー)
 ジャスタウェイを破って新潟2歳S(GIII)を勝ったモンストール(父アドマイヤマックス)の4分の3妹で、目黒記念(GII)5着馬トラストワン(父マイネルラヴ)の半妹でもある。父ハーツクライはNorthern DancerとSecretariatの組み合わせから成る血と相性がいいので母の父デヒアは悪くなく、母イソノスワローのNorthern Dancer 4×4も好ましい。父の産駒はやや晩成傾向があるものの、この母はそれを改善してくれそうな血統構成なのがいい。芝向きの中距離タイプ。

ブライトエピローグ(牝 美浦・大江原哲 父ダイワメジャー、母ダークエンディング)
 母ダークエンディングはカナダでシリーンS(加G1)を勝った。File≒Fire Water 3×3という力強い組み合わせのクロスを持つため、パワーに秀でており、繁殖牝馬としてもそうした特徴をコンスタントに伝えている。本馬の4分の3兄ラヴィアンクレール(父マンハッタンカフェ)はヒヤシンスS(OP)を勝ち、4分の3姉イントロダクション(父デュランダル)はエンプレス杯(JpnII)で4着に食い込んだ。ダイワメジャーを父に持つ本馬もおそらくはパワーに秀でたタイプだろう。短距離なら芝でもやれるが、本質的にはダート向きのマイラーか。

レジェンドセラー(牡 美浦・木村哲也 父ルーラーシップ、母トップセラー)
 母トップセラーはアドマイヤメイン(06年日本ダービー-2着、06年菊花賞-3着)、アドマイヤバラード(現準OP)の4分の3姉で、現役時代に3勝を挙げて準OPまで出世した。父ルーラーシップはキングカメハメハ系の新種牡馬。現役時代に香港のクイーンエリザベス2世C(香G1)を楽勝したほか国内では金鯱賞(GII)など4つの重賞を制した。出遅れ癖によって取りこぼしたレースも多かったので、戦績以上に能力の高い馬だった。初年度の血統登録頭数は131頭。新種牡馬のなかではナンバーワンの数字で、サンデーサイレンスを含まないという血統的アドバンテージは大きい。繁殖牝馬としての母の成績は、4頭出走して勝ち上がりが1頭と、期待の大きさからするともうひとつという印象もあるが、「サンデーサイレンス+Mr.Prospector」という配合構成は父との組み合わせにおいて理想的だと思われるので楽しみだ。芝向きの中距離タイプ。

【3歳】
アンカーマン(牡 美浦・小島太 父ステイゴールド、母ミズナ)
 札幌記念(GII)、アメリカJCC(GII)など重賞を4勝しているディサイファ(父ディープインパクト)の4分の3弟。重賞で2着6回と勝ちきれないアドマイヤタイシ(父Singspiel)の半弟でもある。母ミズナは、わずか1世代を残して死んだDubai Millennium(名種牡馬Dubawiの父)の貴重な牝駒。2代母Tribulationはグラスワンダーの母Amerifloraの全妹にあたる良血で、「Danzig×His Majesty」はデインヒルと同じ組み合わせ。父ステイゴールドはデインヒルを抱えた繁殖牝馬との間にフェノーメノ、ナカヤマフェスタといった大物を出している。芝中距離向きで大物感がある。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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