スマートフォン版へ

「皐月賞らしい皐月賞」で穴になる2頭とは?

  • 2016年04月15日(金) 18時01分


◆異なるラップ構造の中でも力を発揮できるか

 3強で堅いと言われている今年の皐月賞。しかし、先週のメジャーエンブレムを見ても分かるように、競馬に絶対はない。しかも皐月賞は1番人気馬があまり強くはなく、6〜8番人気あたりまで馬券に絡むチャンスがそれなりにあるGIだ。

 個人的に今年のポイントは、「皐月賞らしい皐月賞」になるかどうかがポイントになると思っている。もともと皐月賞は道中のラップが緩みにくく、年によっては前傾ラップになることもある。いまの芝中距離馬は勝ち上がり過程でスローの競馬を多く経験しているので、その馬たちが異なるラップ構造の中でも力を発揮できるかどうかが問題だ。

 マカヒキの弥生賞は、だるだるの中緩みだったレース、しかもレースの上がりが11.3-11.3というところを後方から差し切ったのだから、この馬の決め手は尋常でない。問題はその決め手が生きるレースになるかどうか。先述したようなラップで後方からとなった場合は、伸びそうで意外と伸びてこないという可能性もありうる。

 サトノダイヤモンドも似たリスクを抱える1頭。ただ、きさらぎ賞のほうがまだ予行演習としてはベターだったと思う。一方できさらぎ賞というレース自体が最近は出世レースになっていない。これは少なめの頭数+直線平坦→多頭数+直線坂というコース替わりが影響しているものと個人的には考えている。見た目の能力は高そうだが、それがきちんと発揮されるかどうか。

 リオンディーズは弥生賞においては積極的なレース運びがマカヒキに負ける原因となったが、それはあくまで結果論。フルゲートになり、前走よりも道中が流れる今回は、取れる範囲で位置を取ったほうがいい。鞍上が前走を反省しすぎると逆効果になりかねない。

 では、皐月賞らしい皐月賞になった場合はどの馬が穴になるのか。これもあくまで個人的見解だが、「キレないディープ」の2頭だと思う。

 1頭はディーマジェスティ。共同通信杯→皐月賞というローテも近年では成功例が多いし、「今年の共同通信杯はなんかヘンなレースだった」と思われていることが、馬券的には(人気を落とすので)むしろプラスだ。ただ、大外枠はちょっと痛い。

 もう1頭はマウントロブソン。以前と違い、近年のスプリングS組は弥生賞組と同じくらい走っている。派手さはないが、じりじり伸びて馬券圏内、というイメージだ。

 ただこの2頭は、強さの絶対値で3強に大きく劣る可能性はある。また、皐月賞も結局上がり勝負になりました……という結末の場合、掲示板のどこにもいないような大敗を喫するだろう。

 エアスピネルはまだ見限りたくない馬だが、立ち位置がちょっと中途半端。3強とは対極の競馬をするしかないと思うので、リオンディーズが後方に控えることを祈りつつ、前付けしてみるのが解決策か。

 アドマイヤダイオウはどちらかというとディーマジェスティやマウントロブソンと同じグループだろう。こちらのシナリオから入る場合はヒモ抜けすると超高配当を逃すことになり悲惨なので、このあたりまでカバーしておきたい。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング