一流馬だからこそ…マカヒキ独特の動き/トレセン発秘話
◆しなやかなフットワークから起きる“マジック”
競走馬は大なり小なり、レース後に疲れが生じるものだ。その部位はトモであったり、肩であったりと、馬によって様々なわけだが…。
皐月賞に出走するマカヒキの場合は、「他の馬とは違って骨盤の辺りに疲れが出る。なかなか、こういう馬は珍しい」とは管理する友道調教師。「骨盤の可動域が広くて、トモの運びや筋肉の使い方が他馬とは違うから、そうなるんだろう」と解説してくれた。
他馬とは違うアクション…最終追い切り(13日)でも、その片鱗を見せてくれている。前半からゆったりと走り、とても速い時計が出るような動きには見えなかったが、計測されたタイムは、時計のかかった栗東坂路の調教後半の時間帯で4ハロン52.7秒である。
「一見、普通キャンターみたいに見せて、あれだけ時計が出るんだからね」と、トレーナーも改めて見た目と数字とのギャップに驚いた様子だった。これもマカヒキ独特のしなやかなフットワークから起きる“マジック”のひとつなのだろう。
かつてジェンティルドンナに騎乗した福永が「基本、馬は後輪駆動だけど、この馬は四輪駆動。無駄な動きがないし、加速するのもスムーズ。なかなか、こういう動きをする馬はいない」と、その独特かつ一流の動きを絶賛したことがあったが、今回マカヒキの手綱を取る川田も「牡馬でこういうキャンターをする馬に、あまり乗ったことがありません。これだけ大型馬でありながら、トモが弾む感じは、なかなか経験できないことです」と、その特殊な動きに対して同じようなニュアンスの言葉を残している。
一流馬特有の他馬とは違うアクション、フットワーク…。日曜の中山でも普段通りにそれを出せれば、レース後には「3強」から“1強”へと勢力図が塗り替えられているかもしれない。(栗東の坂路野郎・高岡功)