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すべては抽選結果次第&枠番次第/フローラS

  • 2016年04月20日(水) 18時00分

■フローラS(G2・東京芝2000m)フルゲート18頭/登録27頭


【コース総論】東京芝2000m Aコース使用

・コースの要所!

★1番人気の勝率なんと50%以上。当然ながら人気薄はかなり買いづらい。
★外枠は確かに不利だが内枠有利ではない。美味しいのはセンター枠番。
★勝率、連対率ともに中団待機組がトップ。差し→先行での決着が多い。






 施行レース数自体はそれなりに多いのだが、フルゲートで行われるレースは非常に少ない、東京芝2000m。2010年までを集計対象としたが、それでもたったの26レースだ。いささか信頼度に欠ける面はあるが、それでも面白い傾向がいくつも見てとれるので、サクッと紹介していこう。

 まず覚えておきたいのが、イメージよりも格段に堅いということ。その特殊な形態から、中山芝1600m同様に「紛れのあるコースの代名詞的存在」であるにもかかわらず、フルゲートでは1番人気が[14-3-2-7]と勝ちまくっている。勝ち馬の過半数が1番人気というのは異常事態で、対照的にふたケタ人気は[0-4-3-226]と大不振である。

 次に枠番だが、外枠である馬番13〜18番の成績は、やはり不振。信頼度が低く、さらに枠番値まで低いのだから、これはもう「外枠不利」と結論づけていい。しかし「内枠有利」ではないのがミソで、もっとも成績がいいのは7〜12番のセンター枠番。枠番値がプラス0.5と高いことから、配当妙味も大いに期待できる。

 広々とした直線の長いコースであるため、脚質はやはり「差し」有利。勝率で比較すると、先行馬が4.2%に対して差し馬が10.9%と、2倍以上もの大差が出ている。単勝回収率の高さもズバ抜けており、軸馬は迷わずここから選びたいところ。「差し→先行」という決着パターンを狙うのが、いちばん効率がいいと思われる。

【レース総論】フローラS(G2) 過去10年

・レースの要所!

★人気サイドが強いがヒモは紛れまくり。13番人気以下が3頭も馬券絡み。
★開幕週の影響が大で馬番1〜6番が圧倒的な強さ。脚質面も先行勢優勢。
★前走オープン組の信頼度はイマイチ。前走条件戦組の勢いを買いたい。









 過去10年の勝ち馬のうち7頭までが2番人気以内と、人気サイドの勝率が高いのはおおむねコースデータ通り。ただし、18番人気3着、15番人気2着といった人気薄での激走が多発しており、ヒモに関しては紛れまくっているといっても過言ではない。平均配当も、単勝こそ878円と低めだが、馬連1万4534円、3連複5万4225円とかなり高い水準である。要するに、人気馬からのヒモ荒れ決着が非常に多いレースなのだ。

 枠番や脚質についても、前述のコースデータとはかなり傾向が異なっている。この時期の東京は時計が猛烈に速く、前が止まらない馬場となりやすい。その影響が、レース結果に色濃く見られるのである。枠番も見てのとおり、内枠である馬番1〜6番が圧倒的な強さ。信頼度、回収率、枠番値のいずれもダントツなのだから、かなりの人気薄であっても内枠ならば要チェック。ベタ買いしてもいいくらいである。

 そして脚質別データでは、基本的には差し優勢であるにもかかわらず、前が残りまくっている。馬券に絡んだ馬の過半数が4コーナーを6番手以内で通過しており、とくに2〜3着に占める割合の高さが目立つ。能力と展開次第では中団からも差せるが、あまり分のいい勝負とはいえない。こちらもレースデータ重視で、先行勢を狙ったほうが得策だろう。

 また、前走条件戦組が強いというのも、フローラSの大きな特徴。オープンで戦ってきた組がアテにならない──というのが正しい表現か。前走500万下や前走未勝利からでもあっさり勝ち負けに持ち込める、格よりも「勢い」のレース。その他の強調材料を持つような馬であれば、なおさら買える。

 前走距離別成績では、前走で芝1800m以上戦を使われてきた組が圧倒的に優勢。前走が芝1600m以下ならば、ノータイムで消してしまうのもアリだ。また、前走で最速上がりを計時していた馬が強いのも、ぜひ覚えておきたいポイント。前走「芝1800m以上&最速上がり&3番人気以内&2着以内」といった条件をすべて満たしていた馬に限れば、トータル[4-3-3-11]で複勝率47.6%、複勝回収率150%という素晴らしい成績となる。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 開幕週のAコース。例年通りならば、前が止まらない高速馬場となるはず。

・天候予測
 木曜日に少し降雨があるも、今週末は天候に恵まれそう。良馬場前提で。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、キングカメハメハ産駒○、ヴィクトワールピサ産駒▲、マンハッタンカフェ産駒△、メイショウサムソン産駒△

 今週末は天候にも恵まれて、絶好の競馬日和となりそう。2月以来となる久々の東京開催だけに、ビッシリ生えそろった最高の芝コンディションで、レースが楽しめそうだ。どの程度のタイムが出る馬場なのか、土曜日の競馬でしっかりチェックしておきたいところ。おそらく、かなり速い時計が出る馬場だろう。

 種牡馬でプラス評価の対象としたのは5頭。軽いスピードが要求される馬場であるのは、ディープ&キンカメの「二強」がキッチリ強いことからも明らかだ。意外なところでは、メイショウサムソン産駒もけっこう強い。あとは、出走頭数わずか4頭ながら、4頭のうち3頭が連対しているヴィクトワールピサ産駒にも注目。ジュエラーの桜花賞制覇で評価が一気に高まったが、本質はマイルよりも中距離向きと思われる。

★出走登録馬・総論×各論

 確実に出走できるのは7頭だけで、あとは20分の11で抽選。しかも、馬番1〜6番がとんでもなく強いレースでもある。出走馬と枠番が確定しない段階で語れることがいかんせん少ないのだが、とりあえずは現時点での「手持ちの材料」にて分析を進めるとしよう。

 もっとも高く評価するのは、パールコードだ。プラス評価となった項目の多さは圧倒的で、臨戦過程といいプロフィルといい、まさにフローラSにピッタリである。相応の先行力を備える馬に川田騎手が騎乗予定というのも、組み合わせとして魅力的。これで内枠でも引き当ててくれれば、迷わず本命に推せる。

 ヒモ荒れ傾向が非常に強いレースであるのを考慮して、二番手評価には抽選対象のエマノンを推す。前走が「芝2000mの未勝利で2番人気に推され最速上がりで1着」という、フローラSでの好走が期待できるパターンに合致。血統もいかにも中距離向きで、相手なりに走れそうなタイプであるのも魅力的だ。

 三番手にも、まったく同じパターンであるシークザフューチャを。こちらは堀厩舎というだけで妙に人気を集めそうな予感がするが、キャリアが5戦のエマノンに対して、こちらはキャリア1戦という点に不安を残す。とはいえ、競馬センスのいい馬で、レースを使われての上積みはかなり大きいはず。抽選を突破すれば、一発があって驚けない。

 四番手評価にビッシュ。2戦2勝といまだ底を見せておらず、血統などのプロフィルはかなり強力。新馬での鮮やかな勝ちっぷりは記憶にも新しく、ここも難なく通過という可能性もありそうだ。いい決め脚を持っており、前が流れてくれる展開にでもなれば、さらに信頼度アップ。開幕週だけに過信は禁物だが、やはり力はある。

 以下は、アグレアーブル、チェッキーノ、フロンテアクイーン、クィーンズベスト、ゲッカコウ、ファイアクリスタル、シャララと続く。ただしこの序列は、抽選の結果と枠番次第でガラッと入れ替わるもの。このレースの傾向に沿う「ヒモ荒れ」の馬券を意識しつつ、最終的な買い目を構築したい。


■総論×各論・先週の馬券回顧




中山11レース 皐月賞(G1)
1着 18ディーマジェスティ
2着 03マカヒキ
3着 11サトノダイヤモンド

マカヒキがない( ゜д゜)……
いやまあ「前有利」って見立て=三強ではいちばんマカヒキが買いづらかったワケで。それでもディーマジェスティはしっかり買ってるんだから、もう一歩踏み込めば獲れた気がするよね。三番手評価と四番手評価で決まって、馬連62.2倍、馬単176.8倍。ええ、メッチャ悔しいですとも(歯ぎしり)。この雪辱は、必ずやダービーで!

※コースデータは2010年、血統データは2013年、レースデータは2006年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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