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“勝って不思議なし”!? フィエロの追い切り詳報!

  • 2016年04月20日(水) 18時00分


フローラSのパールコードは安定感あり

 ハイレベル決戦で話題になった、先週の皐月賞。単勝オッズでは三つ巴の戦いだったと思いますが、結局勝ったのは、ディーマジェスティ。勝って不思議ない実績馬だっただけに、◎を打った方にはおいしい「単勝3090円」だったのではないでしょうか。私も久しぶりにこんな馬に本命を打ちたいなあと考えている今日この頃です。

 さて、今週から競馬場が中山、阪神から東京、京都に開催替わり。重賞は福島牝馬S、フローラS、マイラーズCとなかなか難しそうなレースが揃っています。特にフローラSは近年の的中記憶がなく…、今年こそはという感じ。逆に福島牝馬Sは昨年こそ不的中も2012年から3年連続◎が連対。こちらはNo.1予想で的中することができそう、と思ったのですが、◎がすべて角居勝彦厩舎だったことを思うと、それが出走する予定のない今年は…、なんて暗いことを考えてしまいます。

 今から重賞予想には少し自信なさげですが、平場レースで狙えそうな馬は20日の追い切りでわんさか。掘り出し物もたくさん見つけましたので、そのあたりは馬券総合倶楽部の予想コラムもしくは狙い馬で取り上げたいと思いますので、ぜひ参考にしてください。

【福島牝馬S/シャルール】

 前走後、松永幹夫調教師から「ノリが乗りに行ってくれるらしい」というで、ここへの参戦が決定。一流ジョッキーがテン乗りの一鞍でその素質の高さを感じるのですから、アルテミスS以来の重賞挑戦でも素質が劣るということないでしょう。

 この中間はノーザンFしがらきに放牧に出されており、追い切り本数は多くありません。追い切り時計自体は前走時と比較しても大差なく、仕上がり状態は悪くないと判断したいところですが、前走時のようにラスト1Fが最速ラップではありません。大きく追走したとはいえ、併せ馬で遅れたのもこのあたりが要因だと思われるだけに、これでも重賞制覇が可能な能力の高さを持っているのか。あとはそこだけです。

【フローラS/パールコード】

 1勝馬の出走は抽選対象になるため、調整が難しいと思いますが、本馬のように2勝していれば、きっちり調整できるところが強み。まして中山競馬場で結果を出しているので、前日からの長距離輸送に対応しているところも評価できます。

 1週前追い切りは芝コースだったので、あまり目立った動きという印象はありませんでしたが、20日のCWでは半マイルながら、52.9秒という数字をマーク。これは前走時の最終追い切りとは比較にならないくらい速く、それだけ負荷をかけることができる状態にあるということでしょう。やはり栗東所属の中では安定した結果が期待できる1頭ではないでしょうか。

パールコード(4月20日撮影)

栗東所属の中では安定した結果が期待できるパールコード(4月20日撮影)



【マイラーズC/フィエロ】

 昨年同様、香港マイルからの参戦。海外帰りという課題をクリアして昨年は3着。適性の高さに加えて、状態もしっかりしていたからこその結果だけに、年齢をひとつ重ねた今年でも状態さえ昨年と変わらなければといったところ。

 まず追い切り本数。これは昨年より今年の方が2本少なめ。これに関しては仕上がり状態が考慮されてのものだと思うだけに心配なし。それよりも評価の難しいところは最終追い切り場所をCWに変更したこと。昨年の最終追いは坂路でしたが、一昨年はCW。前者3着、後者2着なら、純粋に今年の方が昨年よりもよい最終追い切りを行ったと判断すべきでしょうか。実際、追い切りでの動きは抜群で、この仕上がりなら勝っても不思議なしという感じです。

フィエロ(4月20日撮影)

今年の方が昨年よりもよい最終追い切りを行ったと判断すべきのフィエロ(左内4月20日撮影)



【マイラーズC/ダノンリバティ】

 2走前4着、前走1着。どちらもハナクビの差だったわけで、決して距離適性が絡んでくる話ではないかも知れませんが、実際にようやくの3勝目を1600mで挙げることができたという点から、マイルベストは間違いないような気がします。ちなみに音無秀孝調教師は「距離は1800mでもいいけど、コーナーは2つのワンターンがベスト」と話ます。

 今回はベスト条件。初重賞制覇の期待もかかるわけですが、調教内容に関しては全く問題なし。中3週で4本の追い切りは厩舎の定番ですし、最終追い切りの4F時計もそこそこの速さ。気になることがあるとすれば、調教師が前走の騎乗に苦言を呈していること。もっと後ろで脚をタメなければいけないということを盛んに話しています。開幕週の京都でそんなことをしたら、どうも届かないような気がするのですが。

ダノンリバティ(4月19日撮影)

開幕週の京都で届かないような気がするダノンリバティ(4月19日撮影)



【マイラーズC/サンライズメジャー】

 以前は印の打ち方が難しい馬で、昨年2着の同レースでも無印。その理由は追い切り本数が少なかったり、最終追い切りの4F時計が遅い点にありましたが、キャピタルS(1着)で◎を打って以降、相性の良い馬に変化。偉そうに言えば、好走時の調教パターンを掴むことができました。

 それで言えば、前走は追い切り本数が少なめ。それが今回はきっちり平均本数なので狙えます。また、時計面に関してもキャピタルSよりも速い4F時計ですが、これは昨年マイラーズC2着時と同じような数字。むしろこれは評価できることなので、これで昨年同様にハナを奪う競馬ができれば、なんとか後続を封じ込めての重賞制覇も十分にあると思います。

サンライズメジャー(4月19日撮影)

サンライズメジャー(4月19日撮影)



◆次走要注意

・4/16 アンタレスS【クリソライト】(4人/4着)

 今回は調教内容以上に1番枠でハナに立てなかったことが堪えたと思います。しかし、それでも直線は盛り返してくるような脚を見せており、これはこれで収穫になるはず。
 次走はダイオライト記念を勝った時のように、最終追い切りが栗東坂路で速い4F時計をマークすることが好走条件になりそうです。

[メモ登録用コメント] [平安S]最終追い切り栗東坂路で4F51秒以下なら勝ち負け

・4/17 春興S【シャドウダンサー】(2人/8着)

 馬券総合倶楽部の予想コラムにも取り上げましたが、結果は8着。出遅れて、直線は行き場がない競馬で勝ち馬からは0.3秒差。決してマイルが向かなかったとは思えません。
 10キロ馬体重が増えていたことを考えても、トラック調教の割合が減っていたことが原因でしょう。少なくとも併用系統で出走すれば、今度は巻き返せるはず。

[メモ登録用コメント] [芝1600m]併用系統の調教タイプなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・【ロードグリッター】
 前走は2番人気で10着と人気を裏切りましたが、20日のDPでの動きを見ていると、とても500万下を勝てないような馬には思えません。
 想定を見ると、特別登録している川俣特別に使うことができそう。福島競馬場にも実績がありますから、そうなれば前走着順は度外視です。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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