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クジ運が勝負を分ける? フローラS

  • 2016年04月20日(水) 18時00分


◆ニジンスキーが強調されてしまうのは福島ではいいことです

 先週の皐月賞はローカル血統に夢を託しましたが、見事ディープ産駒が1〜3着。キンカメが4、5着。改めて「バブルの血」を「モダンに居抜き」する大事さを痛感するレースに。やはり、ローカル指向の血統は福島で買うべきでした。

 土曜の福島10レースは、先週の当コラムでも注目コースに取り上げた福島芝2600m。本命のメイアルーアが優勝。先週書いたように、ノーザンファーム育成ながらディープ、キンカメ産駒ではない馬。父スペシャルウィークは母父が福島の名血ニジンスキー系のマルゼンスキー。

 今週末の福島牝馬Sで穴を出してきた馬達もニジンスキーが入ってる馬は多いです。昨年同レースで13人気3着のメイショウスザンナ、一昨年16人気で3着のフィロパトールはいずれも母系にニジンスキーの血を持つ馬。

 ニジンスキーが強調されてしまうのは、今の中央競馬では軽さが足りないことも多いのですが、福島ではいいことです。

 そして、日曜福島7レースは「型通り」にホームページで推奨馬に上げた2頭クローソーとダイワズットラブが1、2着。

 クローソーの父はハービンジャー。ダイワズットラブの父はハーツクライ。いずれも芝2200m以上の上位種牡馬。しかし、福島7レースは芝1200mのレース。「スタミナ血統が外を差してくる」とヤマを張れば大本線でハマったレース。

 念のため書いておきますが、このレースで推奨したのはクローソーとダイワズットラブの2頭だけ。ローカルの平場は本命を書いてしまうとオッズが片方に寄ってしまうので、推奨馬を2頭上げる形式にすることが多いのですが、このレースに関してはハマりすぎてしまいました。

 1着のクローソーは10人気。2着のダイワズットラブは7人気とどちらも穴馬でしたが、この2頭の組み合わせだけを厚く買った人はかなり多かった模様。

 クローソーからの馬連を見ると1番オッズが低かったのは2人気イルーシヴキャットとの組み合わせ(79倍)でしたが、7人気のダイワズットラブとの組み合わせは3番目(110倍)に売れていたのです。

 馬単はさらに異常で、1着クローソーとの組み合わせで最も売れていたのは2着ダイワズットラブとの組み合わせ! ワイドも、クローソーとダイワズットラブの組み合わせ(2770円)はクローソーとイルーシヴキャット(2人気)との組み合わせ(2950円)よりも人気。10人気と7人気の組み合わせが2人気との組み合わせよりもオッズが低い異常事態。ローカルでは中央で考えられないような売れ方をするのがいつもの姿。

 なお、クローソーとダイワズットラブの組み合わせをワイドではなく、3連複2頭軸総流しにして、均等に払い戻されるようにした場合のオッズは38倍。ワイドより10倍近く上。同じ的中率なのに10倍もオッズが違います。同じ予想でもオッズの確認をしないと、1000円の投票に対して1万円近く利益に差が出ます。

 こうしたチェックを行うのは、個人レベルでオッズを比較しようとした場合、現状ではそれなりのコストがかかります。だから、ますますローカルの敷居が高くなってしまうのです。そこでボクらは安価(しばらくは無料)でオッズを比較できるシステムを公開します。

 ちなみに、日曜福島7レースの3連単の売上は約7000万円。皐月賞は約60億円。この差は危機的な状況。

 福島の売上が少ないのは、既存の大手メディアが、ローカルを楽しむための情報やツールを充実させないから…と批判するのではなく、大手がやらないなら、ビジネスチャンスです。G1で散財するだけではなく(苦笑)、ローカルのレース予想も皆様に気軽に楽しんでいただけるようなツールの開発費用に、きっちりと投資を続ける所存です。

 なお、こうした馬券の売り上げにも貢献するツールを作ろうとしても、なんと親玉のJRA(の子会社)から圧力がかかることも。(職員の皆さんはいい人ばかりなのに)どうしてこうなるのか…と語りだすと長くなるので、また別の機会に紹介します。

 福島について語りだすと、文字数がいくらあっても足りないのですが、G1と比べると、数%しかない需要(売上)ですからね。重賞に話を移しましょう。

 フローラSはステイゴールド産駒が異常に強いレース。3頭が馬券になり、複勝率38%。回収率は単、複とも300%超え。すべての面でディープを圧倒。今年もステイゴールド産駒に注目です。最近、異常なほど重賞でのメディア運が悪いため、馬名を上げると、走らないどころか、レースにすら出ていなそう(抽選? で除外)だからあえて馬名は書きません(笑)

 そして、このレースに関してはまったく妙味はないでしょうが、ヴィクトワールピサは面白い種牡馬です。兄のスウィフトカレントも種牡馬としてもっと評価されていいはず。ディープ産駒よりもタフな馬場、レースを得意とする馬を出しやすいのもセールスポイントとなるでしょう。フローラSはステイゴールド産駒に相性が良いわけですから、ヴィクトワールピサ産駒のパールコードには適した条件。

 また、フローラSは枠のクセも凄いレース。内枠が圧倒的に有利になりやすいので、その辺も考慮する必要はあります。どの馬が出れるか、どの馬がいい枠を引くか。抽選? が結果に大きく影響を与えるレースです。

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血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
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