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隣の芝生とフローラSのお花畑。

  • 2016年04月21日(木) 12時00分


加速装置が発動して、他馬とは加速力が違うことをわかりやすく見せてくれると思い注視していたサトノダイヤモンドは(自分には)わかりにくい加速を発動し(加速はしてたと思う)、3着に負けた。しかも最後の直線で持ち前の「まっすぐ走れる」特技をも封じられての3着だった。Mデムーロの寄せがなかったとしてもディーマジェスティやマカヒキを捕らえられたかは疑問だけれど、ルメールは去年に引き続き、Mデムーロに行く手を阻まれたかたちだ。

それはともかく、ダービーに向けて視界は加速したのだろうか?
サトノダイヤモンドの道中の位置は8-8-9-5。
これで上がりは34.8。

サトノダイヤモンドより速い上がりを繰り出したのは、1着、2着馬だけ。ディーマジェスティ34.0、マカヒキ33.9。その2頭は4角を回るまで10番手より後ろにいた馬2頭で、道中サトノダイヤモンドのすぐ後ろにいたナムラシングン、ロードクエストらが上がり35.1、35.4で7着、8着だったから、サトノダイヤモンドが中団メンバーの中では一番強い上がりを繰り出したことは間違いなく、みんなが期待していた次元の違う加速は見られなかったけれど、それなりの加速はしてたようには思う。

ルメールは「久シブリデ、最後甘クナッタ」と語っているけれど、ことダービーを考えると、8-8-9-5の位置はどうしても体験させたかったはずで、取りたかったポジションでレースを進められたのではないか?

負けた相手も後方待機組だからある意味では納得のはずで、最後甘くなったのは事実だとしても、陣営はまったく悲観していないのではないか?
そもそも最初から目標はダービーと語っていたから、悲観するなんてことはないんだろうけど、心のどこかで「それでも勝っちゃう?勝っちゃったらすげー馬だぜ」とは思っていただろうから(ここは決めつけてみます)、悲観があるとすれば、そこまで人智を超えていたわけではなかったということくらいだろう。

よくわからないのはリオンディーズだ。Mデムーロは「今日ノ競馬ヲ見テ、前ニ行ッタ。掛カッテ速イペースニナッテシマッテ…」とコメントしているけれど、自分にはそれが信じられない。なんだかMデムーロのアドリブみたいに聞こえるけれど、本当なのだろうか?Mデムーロといえども、皐月賞=角居厩舎=キャロットの馬をフリースタイルで任されているとは思えない。

でもこれがダービーのための布石だとしたら納得できる。8枠16番枠に入ったことで、先行するか後方待機かの選択を迫られて、ダービーを想定して、後方待機ではなく、先行を選んだのではないか?キズナはダービーを4角14番手から差し切ったけれど、ダービーを勝つのに後方待機はリスクの大きすぎる戦法だからだ。つまりMデムーロのアドリブではなく、関係者とコンセンサスが取れた上での先行だったと思うのだ。ただ、想定とは少し違ったのはペースではなく、先頭に立つのが早すぎたことではないか。

位置取り2-2-1-1。
理想は2-2-2-2。4角で先頭に並びかけるような競馬だったのではないか?
あのペースでも、最後は凌げるという自信もあったと思うけど、3角で先頭に立つのは想定外だったように思える。

もし、何もかもMデムーロのアドリブで、それが角居師の意向とは違うものだったとすれば、ダービーで乗り替りがあるかもしれない。勝負どころで鞍上をチェンジするのも角居師の勝負手の一つだ(非情のライセンス)。ありえない話ではない。誰かな?Mデムーロとチェンジさせるのだからきっとそれなりの騎手のはずだ。スミヨンかな?ムーアかな?うむ、もっとありえないな。Cデムーロ?ありえそうだな。でもこれは怖いな。非情すぎて怖いな。でも自分は、皐月賞はあくまでもダービーのための一手と思っているので、乗り替りはないと思っている(当たり前か?)。

ノーザンFの馬はダービーをいっぱい勝ってるけれど、馬主キャロットとしてはダービーを勝っていない。「すべてはお客様の旨いのために」。うむ、ダービーを勝ちたい動機は十分だ。そもそも角居厩舎は東京2400と東京1600で強い馬を集め、仕上げていると思っているので、皐月賞をダービーを勝つための伏線と考えていても驚けない。

兄貴のエピファネイアは、弥生賞4着で、皐月賞2着で、ダービーは2着だった。しかし3角手前のアクシデントがなければダービーを1着していたとも言われている。
リオンディーズは弥生賞2着、皐月賞4着(結果5着へ降着)。うむ、似たようなもんだ。

サトノダイヤモンドの池江厩舎、リオンディーズの角居厩舎、日本を代表する二大厩舎が皐月賞の舞台で、ダービーを勝つための伏線を張り巡らせていた。考え過ぎだとしても、そう考えたほうがダービーでエキサイトできる。ならば、それがけしからん方向だとしても、やめられない、止まらない。

隣の芝生はヤバい。
ライバル陣営からしたら、皐月賞のタイムを作ったのはリオンディーズという認識のはずで、あの馬にダービーで、兄貴のエピファネイアのジャパンカップみたいなレース(道中3-2-3-4)をされたらヤバいと思うのではないか。
同じようにサトノダイヤモンドもダービーを想定した競馬をちゃんとしてしまったと…ライバル陣営は感じてるかもしれない。

では皐月賞を勝ったディーマジェスティはどうなのか?実は自分はディーマジェスティこそ…
おっとヤバいヤバい。気がついたら、ダービーが止まらなくなってしまった。このつづきはダービー週でお願いします。

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フローラSの芳香
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フローラSは、「内田博」か「松岡&柴田大」がヤバい。っていうか、この3人を上手に買えばここ8年ず〜っと気分はお花畑だ。

どのくらいお花畑かは過去を見ればわかる。

以下は、過去10年で内田博、松岡、柴田大が掲示板に載ったときの着順と人気。そうポイントは5着まで見ることだ。

07年
5着ヴィアラクテア   内田博 12人気

08年
1着レッドアゲート   内田博 1人気
3着キュートエンブレム 松岡  8人気

09年
1着ディアジーナ    内田博 2人気
3着ハシッテホシーノ  松岡  4人気

10年
3着ブルーミングアレー 松岡  2人気

11年
2着マイネソルシエール  柴田大 15人気
3着ピュアブリーゼ    内田博 3人気
5着マイネイサベル    松岡  2人気

12年
2着アイスフォーリス   松岡  2人気

13年
1着デニムアンドルビー  内田博 1人気

14年
3着マイネオーラム   松岡 13人気

15年
1着シングウィズジョイ 内田博 2人気
4着ウインアキレア   柴田大 12人気

3人気以内の内田博は4-0-1-0。
人気になったときの内田博はほぼパーフェクトにヤバいことがわかる。そう、内田博騎手がとても頼りになる重賞なのだ。

逆に松岡&柴田大は人気薄でのヤバさが目立つ。松岡は社台系の馬に騎乗したときは人気で、岡田繁幸氏系(ラフィアン、ウイン、コスモ、岡田繁幸氏名義など)の馬に騎乗したときは人気薄で、柴田大は岡田繁幸氏系でときどき穴をあける感じだ。この二人は人気薄を毎回走らせているわけではない。惨敗するときもある。でも走らせたときの見返りが大きいから、毎年注目したくなる。

つまりこういうことだ。
内田博騎乗馬は、1〜3人気だったら1着を前提に馬券を組み立てる。
松岡&柴田大騎乗馬が岡田繁幸氏系だったら、人気薄でもナイガシロにしない。
(松岡騎手は最近社台系に騎乗しないからそこは考えない)。

では今年はどうかな?

内田博騎乗予定馬=エルビッシュ=予想10人気
松岡騎乗予定馬=ゲッカコウ=馬主ラフィアン=予想5人気
柴田大騎乗予定馬=パラノーマル=馬主ラフィアン=予想18人気以下(抽選で出走)

おっととっとー!
エルビッシュ人気ないなぁ〜。
ゲッカコウ人気あるなぁ〜。
パラノーマル直近負け過ぎだなぁ〜。

人気はあくまでも予想であって、実人気ではない。もっと人気だったことも、思ったより人気がなかったことも多々ある。でも予想10人気の馬が3人気になることはほとんどない。エルビッシュが3人気以上の人気を獲得することはなさそうだ。だとすると……。

ゲッカコウは微妙だ。そもそも5人気を人気と捉えるか、人気薄と捉えるかは人それぞれだ。ただフラワーCを2人気で2着した馬が5人気と捉えると人気は薄いとも思える。

去年、1人気で2着したディアマイダーリンはフラワーC3着だった。
3年前、2人気で2着したエバーブロッサムはフラワーC2着だった。
6年前、1人気で1着したサンテミリオンはフラワーC3着だった。
7年前、2人気で1着したディアジーナはフラワーC2着だった。
8年前、1人気で1着したレッドアゲートはフラワーC2着だった。

フラワーCで2着、3着した馬がフローラSでは人気になりやすいことを思うと、予想だとしても5人気は悪くない人気だ。
予想3人気のクィーンズベストはチューリップ賞で4着した馬だ。クィーンズベストとゲッカコウは勝ったり負けたりの関係だ。若竹賞はクィーンズベストがゲッカコウに0.1秒先着して、次走の500万ではゲッカコウがクィーンズベストに0.3秒先着した。自分はクィーンズベストがチューリップ賞で4着したのを見て、ゲッカコウをフラワーCで注目した。
そのクィーンズベストが予想で3人気ならば、予想5人気のゲッカコウを買いたくなる。

パラノーマルは人気薄でそそられるけど、過去大激走していた岡田系の馬は前2走とも負けるにしても1秒以内で踏ん張っていた。パラノーマルは着差2.4秒、1.1秒。だいぶ負けている。そもそも出走できるかという問題もある(20分の11頭)。とはいえ、人気がないのは間違いないから、抽選を突破したなら、ヒモで100円、いや50円くらいは買ってみたいな。

う〜む…正直、今年はヤバい3人が活躍するイメージが薄いな。お花畑感が沸いてこない。

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フローラS注目馬
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ギモーヴ
馬名由来には「フランス菓子の一種」とあるけれど、要はマシュマロだ。フランス系の菓子やパン屋のシェフにマシュマロと言うと、マシュマロといっしょにしないで!ギモーヴと言って!とたしなめられるけど、自分には違いがよくわからない。血統からリンクした馬名をつけるのが上手い社台系の馬だから、ギモーヴには意味があるのだろうけど、それもよくわからない。メキシコにアマランサスという種子を使ったお菓子があると言うから、お菓子つながりでフランスに飛んだか?(母ヒカルアマランサス)

馬名の真偽はわからないけれど、母ヒカルアマランサスがヴィクトリアマイルを8人気で2着したのはよく覚えている。関西馬だったから東京にはあまり来なかったけれど(0-2-0-0)、阪神(1-0-0-5。1着は500万特別)より京都(2-1-0-1。着外はエリ女5着)を得意としていたのを見ると、東京の芝生は青々と輝いて見えていたのでは?と思えてくる。

ギモーヴは京都2着(新馬)、中京3着(未勝利)、阪神1着(未勝利)、中山4着(フラワーC)と、京都で勝っていない。ただ京都は重馬場だったから負けた。中京はアドマイヤダイオウに負けた。阪神は相手が弱かったから勝てた。そう思えれば、東京の良馬場での期待は萎まない。

シンハライトは兄姉同様に阪神で力を発揮した。同じような期待がギモーヴでも持てないか?予想は11人気。抽選を突破したら、無性にそそられる人気だ。東京の芝生は、ギモーヴにはいい意味でヤバい芝生であって欲しい。

エルビッシュ 内田博騎乗馬。人気がないから軸にはしないけど、ナイガシロにはしない。
ゲッカコウ  松岡騎乗馬。微妙な人気だけど、クィーンズベストより人気がないならナイガシロにはしない。

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マイラーズC注目馬
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ネオスターダム…調子にのってそうだから。
ケントオー…今度は先行しそうだから。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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