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福島の1800mはまさにベスト/福島牝馬S

  • 2016年04月22日(金) 18時00分


牝馬ながらきわめてタフ

 ヴィクトリアマイル(今年は5月15日)に向かう古馬牝馬の路線が定着して以降、3月の「中山牝馬S」→4月の「福島牝馬S」の路線を歩む馬が多くなった。

 ただ、これはあくまで「ヴィクトリアマイルに出走したい」という展望をかかげる牝馬の路線であって、過去10年のヴィクトリアマイルで連対した20頭のうち、福島牝馬Sに出走していたのは、2009年のブラボーデイジー(福島牝馬S1着→ヴィクトリア2着)1頭だけ。

 春3月の中山牝馬Sに出走していたのも、2012年のホエールキャプチャ(中山牝馬S5着→ヴィクトリア1着)、ドナウブルー(中山牝馬S11着→ヴィクトリア2着)、前出のブラボーデイジー(中山牝馬S6着→福島牝馬S1着→ヴィクトリア2着)、そして2007年のアサヒライジング(中山牝馬S13着→阪神牝馬S8着→ヴィクトリア2着)の4頭だけである。

 10年間の福島牝馬Sの連対馬20頭は、そのうち「14頭」までが、前走は中山牝馬Sに出走(直前に取り消した15年のスイートサルサも含む)していた馬によって占められているように、ヴィクトリアマイルを前にした2つのレースは、同じ1800mとあって強く結びついているものの、ヴィクトリアマイルで好走するのは、阪神牝馬S組であったり、牡馬相手のもっと全体レベルの高いレースである。

 中山牝馬Sを小差3着しているメイショウスザンナ(父アグネスデジタル)から入る。

 すでに7歳春を迎えたが、前走は勝った5歳シュンドルボンと同じ上がり34秒5を記録して突っ込み、0秒1差の3着。2着した人気の4歳馬ルージュバックを上がり3ハロンは0秒2しのいでいた。昨年の福島牝馬Sは一気に突っ込んで1分46秒1(上がり35秒0)の小差3着。そのあと転戦した夏のクイーンS1800m(札幌)では、断然人気の4歳レッドリヴェールを差し切っているように、現在のベストの距離が1800m。

 芝もダートも平気だったアグネスデジタル(その父クラフティプロスペクター)産駒らしく、牝馬ながらきわめてタフ。最近の好走例からも、福島の1800mはまさにベストだろう。母グリーンオリーヴ(父サンデーサイレンス)は、フェブラリーHなどダートを中心に10勝もして最優秀ダートホースに輝いたメイショウホムラの半妹。祖母メイショウスキー(父マルゼンスキー)の半姉には、現在のラジオNIKKEI賞(旧ラジオたんぱ賞)が初めて福島1800mで行われるようになった1979年の勝ち馬ホクセーミドリがいる。

 横山典弘騎手が遠征する目下3連勝中のシャルール、中山牝馬Sではインでつつまれ仕掛けが遅れ、少し脚を余したアースライズの2頭が相手本線。伏兵の妙味は4歳クインズミラーグロと、ディープジュエリーか。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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