枠番に注目も現時点では「一強」か/天皇賞・春
■天皇賞・春(G1・京都芝3200m)フルゲート18頭/登録19頭
【コース総論】京都芝3200m Cコース使用
※今回は「京都芝2200m〜3200mの外回りコース」を集計対象としています
・コースの要所!
★人気馬も順当に強いが、4〜6番人気の期待値がもっとも高いコース。
★圧倒的に内枠が有利。信頼度、回収率、枠番値のいずれも他を圧倒。
★4角6番手以内が勝ちポジ。外回りだが、直線一気はまず決まらない。
京都の芝3200mは事実上、天皇賞・春の専用コース。コースデータ=レースデータとなってしまうので、特例として京都芝2200m〜3200mの「外回り」を集計対象とした。これらを一緒くたにするのはかなり乱暴な話だが、こればっかりはどうかご容赦を。というわけで、参考データ程度に考えてもらうのが一番いいと思われる。
では、人気別での成績傾向から。1番人気は[9-4-5-13]で連対率41.9%、複勝率58.1%と、マズマズの成績。配当的な妙味を考えると、3〜7番人気あたりを狙ったほうがここは美味しい。18頭立てにおける平均配当も、単勝1938円、馬連7036円、3連複3万3662円と高水準。ビートブラックなどが単勝平均配当を押し上げているとはいえ、それ抜きでもけっこう高い水準にある。
次に枠番だが、こちらはイメージ以上に内枠有利。馬番1〜6番が信頼度、回収率、枠番値のいずれも他を圧倒している。中枠である馬番7〜12番と比較すると、平均人気では0.4の差しかないが、平均着順には1.8もの差があるのだから、いかに内枠有利かがうかがい知れる。内枠を引き当てた馬は、かなりプラスに評価すべきだろう。
最後に脚質だが、広々とした外回りコースで差しが決まると思いきや、完全に前有利。4コーナーを6番手以内で通過した馬が、信頼度の面でも回収率の面でも他をぶっちぎっている。上がり3F順位が2位以内の馬が好成績と、相応の「決め脚」は要求されるのだが、その脚を後方から使ったのでは間に合わない。最悪でも中団のポジションが欲しい。
【レース総論】天皇賞・春(G1) 過去10年
・レースの要所!
★1番人気は激しく弱いが2〜4番人気は好成績。以下は人気を問わず激走。
★コースデータ同様に「超」内枠有利。内枠を理由に買うだけの価値アリ。
★勝ち馬はすべて前走でも4角6番手以内。中央はえぬき関東騎手も強い。
1番人気が勝ったのは2006年のディープインパクトが最後で、馬券に絡んだのも2008年のアサクサキングスが最後と、現在7年連続でぶっ飛び中。ただし、2〜4番人気がそれをカバーする好成績を残しており、人気サイドが弱いワケではない。そして人気薄は、中穴から超大穴までまんべんなく激走。ふたケタ人気馬が[2-1-3-76]と6回も馬券に絡んでいる、かなり波乱傾向の強いレースである。
枠番は、コースデータ以上に「超」内枠有利。平均人気がもっとも低い馬番1〜6番が、平均着順では断然のトップという、逆転現象が起きている。対照的に外枠はかなり厳しく、勝率はわずか1.9%。単純に内外で比較すると、連対率や複勝率にはそれほど差がないのだが、回収率は天と地ほども違う。人気薄を狙うなら、迷わず内枠からチョイスしたい。
脚質もコースデータと同様の傾向で、勝ち馬はすべて4コーナー6番手以内。4コーナーを先頭で回った馬の複勝率が50.0%と非常に高いのも、このレースの特徴といえる。4コーナー7番手以下からでは、2〜3着にくるのも精一杯といった印象だ。また、好走馬のほとんどが、前走でも4コーナーを6番手以内で回っていたのも、注目すべきポイントである。
年齢別成績では、4〜6歳がほぼ横並び。昨年は7歳のカレンミロティックが3着に好走しているが、7歳以上馬はトータル[0-1-2-46]で連対率2.0%と、かなり分が悪い。ローテ別の成績はおおむねイメージ通りだが、阪神大賞典で5着以下に敗れていた馬や、日経賞で3着以下だった馬は、総じて低調な成績。前走からの巻き返しがもっとも期待できるのは、間違いなく大阪杯組だ。
そして最後に、騎手についても触れておこう。外国人ジョッキーが猛威を振るう昨今だが、このレースではデビュー当時から中央所属だった「はえぬき」のジョッキーが好成績。とくに目立っているのが関東所属騎手の好調さで、昨年も1〜3着を関東はえぬきジョッキーが独占している。あとは、元地方ジョッキーがイマイチなのも、覚えておいて損はない。
【馬場&血統総論】・現在の馬場
先週から引き続きCコース。内ラチ沿いが伸びるイン有利な馬場という印象。
・天候予測
この週末は土日ともに好天に恵まれそう。パンパンの良馬場前提でオッケイ。
・注目血統
ディープインパクト産駒◎、ステイゴールド産駒○、アドマイヤドン産駒▲
先週行われたマイラーズCでは、それなりに前が流れたにもかかわらず、先行したクラレントが3着に粘った。また、上位3頭がいずれも内枠で、差したクルーガーも最内を突いての1着。対照的に、後方から外を回ったフィエロが4着に終わったことから、馬場の内側が伸びるコンディションにあったのは間違いない。このままいくと今週も、内枠から先行可能な馬に有利となりそうだ。
血統面では、ディープインパクト産駒の強さが目立つ。勝率、連対率ともにキングカメハメハ以下を圧倒しており、過剰人気となりやすい血統にしては、回収率の高さも十分。ハーツクライ産駒が[6-17-7-89]と勝ち切れていないのと比較しても、その優秀さはきわだっている。あとは、回収率の高いステイゴールド産駒と、出走数は少ないが好走率が異様に高いアドマイヤドン産駒も、プラス評価の対象とした。
★出走登録馬・総論×各論 昨年の有馬記念上位馬など、中長距離路線の一線級が顔を揃える、今年の天皇賞・春。頭数も登録段階で19頭と揃い、フルゲートでの開催となりそうだ。ゴールドアクター、キタサンブラック、サウンズオブアースの3頭以外にも、復活が期待されるトーホウジャッカルや、前走が非常に強かったシュヴァルグラン、昨年の2着馬フェイムゲームなど、出走メンバーもなかなかハイレベル。面白いレースが期待できそうだ。
気になるのが、ハナを主張する馬の少なさだ。一応はカレンミロティックがいるが、キタサンブラックは逃げ馬ではなく、また大阪杯のような超スローの流れになりそう。前走で逃げてない馬が逃げるとかなり期待できるのだが、そのあたりは陣営のコメントを待ちたいところ。いずれにせよ「差せない」レースとなる可能性が高い。
それを意識しつつ、各論へと入ろう。トップ評価は、もっとも多くの項目でプラス評価となった、
ゴールドアクターだ。スッと好位につけられるセンスのよさは大きな魅力で、このところ瞬発力も出てきている印象。鞍上が「関東のJRAプロパー」吉田隼騎手というのも、このレースでは大きなプラス材料となる。
二番手評価に
サウンズオブアース。こちらも、大きく割り引くようなファクターは見当たらず、引き続き好走可能とみている。往年のナイスネイチャやステイゴールドを彷彿させる詰めの甘さだが、昨年の秋からいっさい崩れておらず、トップクラスの能力を持つのは間違いなし。鞍上の藤岡佑騎手が、どう乗るのかにも注目したい。
三番手評価が
トゥインクル。ダイヤモンドSで1着からのローテは、昨年のフェイムゲームと同じ。そして、そのフェイムゲームに前走は圧勝しているのだから、その力は決して見くびれない。今どき珍しいほどステイヤー指向の馬だけに、ここは大一番。こちらも、「関東のJRAプロパー」勝浦騎手が騎乗予定で、ぜひ激走を期待したいところだ。
四番手評価も、人気薄となりそうな
タンタアレグリア。阪神大賞典で2着というのは割引だが、それ以外はなかなか侮れないプロフィルの持ち主。昨年の菊花賞でも4着に好走しており、長距離適性の高さはかなりのものがある。休み明けを2回叩かれて、デキもこのあたりでピークに。皐月賞で魅せた蛯名騎手に、もう一発の期待を託す。
そして、意外なほどプラス評価の項目が少なかったのが、キタサンブラックとトーホウジャッカルの2頭。いずれも先行力があるだけに侮れないのだが、ここはかなり評価を割り引いて、キタサンブラックを五番手、トーホウジャッカルは無印とした。また、シュヴァルグランも強調材料はそう多くはなく、六番手評価となっている。
以下は、サトノノブレス、フェイムゲーム、ファントムライト、アルバート、アドマイヤデウスという序列。一応は順番を定めたが、このあたりは枠番次第で、簡単にひっくり返る程度の差である。忘れないようにしたいのが、「内枠に入った前に行けそうな人気薄はすべて買う」という方針。馬番1〜6番をどの馬が引くか、大いに注目したい。
■総論×各論・先週の馬券回顧
東京11レース フローラS(G2)
1着 18チェッキーノ
2着 11パールコード
3着 06アウェイク
ノリさん最後方( ゜д゜)ポカーンまあ、ビッシュが3着以内だったとしても、外枠を理由に18チェッキーノをメイチ消しで勝負してたから、どっちみちハズレなんですけどね(喀血)。力の差をまざまざと見せつけるかのような走りで、大外枠もおかまいなし。東京適性の高さも証明したわけで、オークスでも好勝負になっちゃいそーな気がしますね。
※コースデータは2010年、血統データは2013年、レースデータは2006年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。