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ここはひねって買うのがセオリー/NHKマイルカップ

  • 2016年05月04日(水) 18時00分

■NHKマイルカップ(G1・東京芝1600m)フルゲート18頭/登録24頭


【コース総論】東京芝1600m Aコース使用

・コースの要所!

★人気サイドの信頼度は「並」程度。思いきった穴狙いもできるコース。
★枠番での成績差は平均人気の差で、実際は横並び。軽視してオッケイ。
★後方からでは意外に差せないコース。好位〜中団のポジションが欲しい。






 18頭立てにおける平均配当は、単勝1248円、馬連8747円、3連複8万4190円と高水準。1番人気の信頼度はソコソコといった程度で、人気薄の活躍が目立っている。とくに注目なのが7〜12番人気で、4〜6番人気が13勝に対して7〜9番人気が11勝、10〜12番人気が7勝と、勝率の高さはかなりのもの。人気薄を1着で狙う、思いきった馬券も買えるコースである。

 次に枠番だが、内外で比較したデータを見ての通り、それほど大きな差はない。平均人気で0.8もの差があるのを考えると、外のほうが好成績だといえるほど。もっとも信頼度が高いのは、内枠である馬番1〜6番だが、これも平均人気の差を考えれば当然の話である。馬券を買う際にも、枠番を気にする必要はほとんどないはず。この傾向は、Aコースに限定したデータでもなんら変わりはない。

 最後の直線が長い差し優勢のコースながら、データを見ると先行勢の踏ん張りが目立つ。複勝率は4コーナーを7〜12番手で通過した馬がもっとも高いのだが、勝利数や勝率は先行勢がトップ。意外だったのが後方待機組の不振で、信頼度、回収率ともにかなり落ちる。中団より前のポジションを取れる馬から入ったほうがベターであるのは、間違いない。

【レース総論】NHKマイルカップ(G1) 過去10年

・レースの要所!

★10番人気以下[3-1-5-81]と波乱傾向は「超」強め。積極的な穴狙いを推奨。
★やや外枠優勢で、4角13番手以下からでも届く。上がり上位馬も成績優秀。
★距離短縮組が高期待値。前走460〜499キロの人気薄も激走率が高く要注目。








※編集注:◆騎手関連データ:JRA免許取得後のM.デムーロ騎手とC.ルメール騎手は「関西騎手」に属します。

 先週の天皇賞・春とタメを張るほど波乱傾向が強い、NHKマイルカップ。ふたケタ人気の超穴馬がトータル[3-1-5-81]と9回も馬券に絡んでおり、平均配当は単勝1823円、馬連9721円、3連複20万954円と超がつく高水準。1番人気はそれなりに信頼できるが、基本的には荒れるという前提で考えたほうがいいレースである。

 枠番はコースデータ同様に、差はほとんどなし。内・中・外のいずれも複勝率16.7%とキレイに横並びで、勝率や連対率も似たようなものだ。ただし、枠番値はハッキリと外のほうが高く、複勝回収率が高いのも外。人気薄の取捨については、外枠重視のほうが好結果を呼び込めそうだ。

 コースデータと傾向が大きく異なるのが、脚質別成績である。未完成の3歳馬だけに前が止まる展開になりやすく、4コーナー13番手以下から1着まで突き抜けた馬が3頭もいる。全体で見れば先行勢優勢も、上がり最速〜2位の期待値が非常に高いことから、先行勢にこだわる必要はそれほどなさそう。先行勢の多さ次第では、「差し→差し」決着に決め打つのも面白いかもしれない。

 そして、かなり重視したいのが前走距離別成績である。前走で1800m以上戦に出走していた組の成績が明らかに優秀で、対照的に距離延長組は低信頼度。「距離短縮組>同距離組>距離延長組」の序列であるのは間違いない。また、関東所属騎手の成績がいいのも、このレースの特徴。なかでも「関西馬に関東所属騎手が騎乗」のパターンは、人気薄での激走率が非常に高い。今年も要注目だ。

 最後に小ネタとして、7番人気以下馬を「前走馬体重別」で集計したデータを。人気薄で激走した馬は、大きすぎず小さすぎずという適度な馬格の持ち主が強く、前走460〜499キロで出走していた馬をプラスに評価したい。逆に、人気サイドでは前走馬体重500キロ以上馬が強く、6番人気以内に限れば[2-6-0-12]で連対率40.0%と高信頼度である。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 Aコース継続。先週の日曜日から差しが決まりやすくなってきている。

・天候予測
 週末に向けて天候が下り坂だが降雨はなさそう。良馬場前提の予想で。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、ダイワメジャー産駒○、ハーツクライ産駒▲、トーセンファントム産駒☆

 土曜日はけっこう前が残っていたが、日曜日になって差し馬場へのシフトが進んだ印象。とはいえ、好位〜中団から差しての好走が多く、追い込みはそうそう簡単には決まらない。やはり、中団より前のポジションが取れる馬を重視したほうが良さそうだ。後方から最速上がりを使うような馬よりも、中団からソコソコの上がりを使えるような馬のほうが、信頼度は高い。

 種牡馬別では、成績上位を素直にプラス評価。勝利数はディープインパクト産駒が断然だが、勝率はダイワメジャー産駒やハーツクライ産駒と、ほとんど差がない。末脚のキレだけでも、先行しての持久力だけでも勝ち負けできない、このコースの特徴をよく表しているデータといえる。出走数の少ないところでは、トーセンファントム産駒の好成績も目立っている。

★出走登録馬・総論×各論

 桜花賞組のメジャーエンブレムと皐月賞組のロードクエストが参戦することで、出走馬のレベルが大幅に底上げされた感がある、今年のNHKマイルカップ。あとはイモータル、ティソーナ、トウショウドラフタ、レインボーラインなども人気となりそうだが、混戦であるのは間違いなし。アッと驚く伏兵の台頭が、また見られるかもしれない。

 分析にもかなり手こずったが、トップ評価はアーバンキッドである。数少ない距離短縮組であり、1勝馬で重賞は未勝利ながら、その戦績自体は立派なもの。それ以外にも、血統面、鞍上、中団より前のポジションが取れる先行力など、プラス評価となった項目は非常に多い。前走以上の結果も、大いに期待できそうな雰囲気である。

 二番手評価にメジャーエンブレム。桜花賞では圧倒的な人気を裏切る結果となったが、自分のレースができなかったのは誰もが認めるところ。さすがに同じ轍は踏まないだろうし、東京芝マイルでの実績があるのも心強い。久々だった桜花賞を使われて、デキもさらに上向くはず。そのポテンシャルを考えると、やはり軽くは扱えない。

 三番手評価にダンツプリウス。山内厩舎らしく、すでにキャリア10戦と豊富なキャリアを誇っている。スッと前々の位置が取れる競馬センスのいい馬で、それでいて最後の直線でもしっかり伸びるという、いかにもこのレースに向く資質の持ち主。関西馬×関東所属騎手という組み合わせも、大きなプラスといえる。

 四番手評価にイモータル。共同通信杯組のディーマジェスティが皐月賞を制したことで、この馬の評価もグンとアップした。1勝馬ながら重賞では2回の連対があり、距離短縮組であるのも大きな強調材料。大きく崩れたのは朝日杯フューチュリティSだけで、余裕を持ったローテで大事に使われているのも好印象だ。

 以下は、ティソーナ、シャドウアプローチ、ショウナンライズ、ロードクエスト、トウショウドラフタ、シゲルノコギリザメという評価順。人気の一角となりそうなロードクエストは、皐月賞からのローテであるのは強調材料も、それ以外の面で評価が伸び悩んだ。また、ブレイブスマッシュとレインボーラインも、リターンよりもリスクのほうが大きそうな印象。かなり割り引いて考えたほうがいいと思われる。

 抽選結果次第だが、出走が叶えばけっこう面白そうなのが、ショウナンライズとシゲルノコギリザメの2頭。波乱傾向が非常に強いレースでもあり、こういった穴馬を積極的に組み込んだ買い目を構築したいところだ。


■総論×各論・先週の馬券回顧




京都11レース 天皇賞・春(G1)
1着 01キタサンブラック
2着 03カレンミロティック
3着 08シュヴァルグラン

……日和った自分をブン殴りたい( ゜д゜)
あれほど「内枠の先行馬を買え」と繰り返しておきながら、迷った結果に買ったのは、上位評価組4頭のワイド。NO.1予想でも、ヒモではカレンミロティックを拾っているのに、キタサンブラックを本命にできなかった(※対抗でした)アホな自分を、しばき倒したい。コレは獲らなきゃダメだよなあ・゜・(ノД`)・゜・

※コース&血統データは2013年、レースデータは2006年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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