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NHKマイルで狙える穴馬とは? 追い切りチェック!

  • 2016年05月04日(水) 18時00分


イモータルは当日の気配がカギ

 先週、先々週と京都競馬場で競馬教室の講師でしたが、今週末から開催日は東京競馬場での仕事が続きます。栗東に住まいしている私にとっては、京都競馬場は近くて、移動が楽でしたが、東京になると移動にかなりの時間を費やします。でも、あの東京競馬場でのG1ファンファーレが鳴って、歓声とともに手拍子があって、スタートを迎える瞬間は地鳴りして、なんとも言えない緊張感。

「やっぱり東京っていいなあ」と思える瞬間ですが、その第一弾が今週のNHKマイルC。メジャーエンブレムを筆頭に人気上位は美浦所属になりそう。その分、ここで取り上げた馬は人気下位が多くなってしまいましたが、その点に関してはご了承ください。

【NHKマイルC/イモータル】

 netkeiba.comの予想オッズを見るかぎり、栗東所属の単勝オッズ最上位はこの馬になりそうですね。個人的にはディーマジェスティが皐月賞を勝つ前から狙っていた馬だけに、あれがなければ、ここまで人気に推されることもなかったんでしょうね。その点では残念ですが、仕上がり状態に関しては休み明けでも全く問題ありません。

 1週前追い切りは坂路でシュウジと併せたこともあって、かなり遅れてしまいましたが、今週はその点も考慮され、併せる相手が検討されたようです。その結果が、サージェントバッジを追いかけて、それを追い抜いた後にサラザンが追いかけてくるというもの。ここで言葉にするよりも、調教VTRを確認していただきたいのですが、これはかなり負荷をかけられています。時計は地味でも、これだけやれるという内容を評価したいと思いますし、あとはレース当日の落ち着きだけ。

イモータル(5月3日撮影)

時計は地味でもこれだけやれるという内容を評価したいイモータル(5月3日撮影)



【NHKマイルC/レインボーライン】

 千両賞を勝った時の最終追い切りはCWでしたが、それ以降の3戦はすべて坂路での最終追い。前走は5着、前々走は1着といっても勝ち馬とは差がなかっただけに、それらが好走調教だと判断してよいと思います。その2戦は浅見秀一厩舎らしく、レース前週の日曜日に速い時計をマークして、最終追い切りは軽くという内容。

 今回も5月1日に4F52.4秒をマークしているので、最終追い切りは時計が遅くなるだろうと予測していましたが、スタート時からかなり行きたがる素振りを見せたこともあってか、4F55.6秒と前2走と比べて速くなった時計。数字が出ることは決して悪いとは思いませんが、好走時の最終追い切りとは違うという点ではあまり評価できません。

【NHKマイルC/シュウジ】

 前走は最終追い切りで自己ベストを更新する坂路4F時計をマーク。1600mから1400mに距離短縮することを思えば、この調教はプラスだと思いましたが、時計を要する馬場でシュウジにとっては厳しいレースになったと思います。加えて、転厩初戦という条件も敗因のひとつとして挙げることができるでしょう。

 この中間は普段の調教から終いを伸ばすような乗り方になっています。その分、追い切りでも終い重点。イモータルとの1週前追い切りでも抜群の動きでしたが、シャドウアプローチとの最終追い切りでも相手をぶっちぎる加速力。あの走りは今でも頭に残っていますし、あれを見せられると距離うんぬんという概念が吹っ飛んでしまいます。

シュウジ(5月3日撮影)

シャドウアプローチとの最終追い切りでも相手をぶっちぎる加速力を見せたシュウジ(5月3日撮影)



【NHKマイルC/シャドウアプローチ】

 NZTを使う予定が挫跖したため、回避せざるえない状況に。しかし、現状について「状態は文句ない」と須貝尚介調教師が話しており「結果論だけど、使わなくてもよかったのかも知れない」というコメントまで出ています。実際、夏場ではありますが、3ヶ月ぶりのききょうSで好走しているので、休み明けは問題ないでしょう。

 最終追い切りはシュウジとの併せ馬。あっさりと置いていかれましたが、これは瞬発力の違いでしょう。朝日杯FSのように、外を回っても長くいい脚を使えたレース実績を考えれば、マイルへの距離適性は十分。追い切り本数をこなしているので、中身は出来ていると思いますし、見た目に太く映るのは体型です。東京競馬場の経験もあり、馬券的に狙えるのは今回だと思っていますが。

シャドウアプローチ(5月3日撮影)

東京競馬場の経験もあり、馬券的に狙えるのは今回だと思っているシャドウアプローチ(5月3日撮影)



【京都新聞杯/スマートオーディン】

 松田国英調教師らしいコメントを聞いて、毎日杯は必ず巻き返してくるだろうと思っていましたが、中間の追い切りでの動きもその言葉に伴っていたので、きっちり結果が出ました。今回はその反動を心配していましたが、そんなことは杞憂に終わったようです。

 1週前追い切りには戸崎圭太騎手が跨っていましたが、抜群の動き。そして、4日の最終追い切りは調教助手騎乗でしたが、先行していたダイワプロパーを並ぶことなく、あっさりと交わしていく動き。ここまで動けるようになれば、内有利の京都でも馬場に関係なく、大外から差し切ることができると思いますし、そのくらいのポテンシャルがあるはず。

スマートオーディン(5月4日撮影)

ここまで動けるようになれば大外から差し切ることができるスマートオーディン(右・5月3日撮影)



◆次走要注意

・4/30 天王山S【カジキ】(3人/8着)

 追い切り、パドックともに状態は悪くなかったと思いますが、数字上の3番手という表記よりも厳しいレース展開になったように思います。
 これなら思い切ってハナを主張するようなレースで玉砕した方が、ここで通用するか否かが分かるはず。そんなレースができそうな展開で狙ってみたいところ。

[メモ登録用コメント] [ダート1200m]ハナ切れば勝ち負け

・5/1 天皇賞春【タンタアレグリア】(10人/4着)

 最初にレースを見た時は後方からよく追い込んだというだけでしたが、あとからVTRを確認するとスタート直後もかなりごちゃついていたんですね。あれでいて、3200mを走り抜くんですから、この馬の勝負根性は相当だと思います。
 今後はもちろん、来年の天皇賞春では相当面白いレースができそうな気がします。

[メモ登録用コメント] [芝3200m]追い切り本数多い併用系統なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・鞍馬S【セカンドテーブル】
 シルクロードS以来ということもあって、先週の時点では本来の鋭い動きは戻っていないと思っていましたが、4日の最終追い切りを見るかぎりは「らしさ」が戻ってきました。これを叩いて、もっと良化してくるような気はしますが、今の状態でも十分に勝負になるはずです。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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