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前走重賞連対馬の不思議な傾向

  • 2016年05月10日(火) 12時00分


穴を出すことで回収率を維持している「前走重賞連対組」

 ヴィクトリアマイルは昨年までで10回が終了したが、前走重賞組以外で馬券に絡んだのは1頭だけ。重賞組のうち2勝・2着2回はウオッカとブエナビスタという海外帰り(2頭×2回ずつ)。残りの好走馬は国内重賞組ということになる。

 前走JRAの重賞に出走していた馬を前走着順別に見ると、前走連対組が[3-3-5-35]で、回収率が単168%・複130%。「前走重賞で好走してきた」というグループなのに、勝率や複勝率の高さではなく穴を出すことで回収率を維持している。

 それもそのはず。「前走国内重賞連対組」には、その中の人気最上位馬が走らず、人気2位以下が来るという不思議な傾向があるのだ。以下、年度と馬券に絡んだ馬の人気順/絡まなかった馬の人気順を示すと……

馬券に絡んだ馬の人気順/絡まなかった馬の人気順

2006年 2、3/1、5、8、10

2007年 12/2、5、11、14

2008年 4、5/2、11

2009年 11/4、6、15

2010年 11/5、6、9

2011年 3/9、13

2012年 3/2、9

2013年 5/3、6、8

2014年 全滅(1、2、5、9、10、13、14)

2015年 12/1、4、9、11、14

 人気最上位馬が馬券に絡んだのは2011年だけ。一方で2014年には1、2番人気を含む7頭が全滅した。とにかく人気と結果が結びつかないのがこのグループだし、2ケタ人気馬が10年で4頭馬券に絡んでいることも注目に値する。

 今年の登録馬のうち、「前走国内重賞連対」の条件を満たすのは8頭。最終的に何頭が出走するか分からないが、この馬たちの中からは、少しひねってシルシの対象馬を探したいものである。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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