スマートフォン版へ

【短期免許】T.ベリー騎手(1)『好きな条件は“東京の芝2000m”』

  • 2016年05月11日(水) 18時00分
今月はTベリー騎手にインタビュー


昨秋に初めて来日したオーストラリアのトミー・ベリー騎手。今春に2度目の短期免許を取得し、5月8日終了段階で4勝を挙げています。オーストラリアや日本だけでなく、香港でも騎乗している彼から見た日本馬のレベル、そして得意な競馬場やコースなど、様々なことをお聞きしました。
(取材・文/大薮喬介)


日本馬のレベルは高い GIIクラスが豪のGIレベル

――今回で2度目の短期免許取得ですが、最初に来日したときの日本競馬の印象を教えてください。

ベリー 特別戦などに出走する馬のレベルは、オーストラリアよりも高いと思いましたね。

――具体的には日本馬のどこが優れているのでしょうか?

ベリー 日本に限らず、オーストラリア、香港、シンガポールも上位にいる馬と下位にいる馬との差はどこの国でも同じです。ただ、オーストラリアと日本を比べたら、下位にいる馬のレベルは変わらないですが、クラスが上がれば上がるほど、全体的な品質や強さは日本馬のほうが上かなと思います。もちろん、オーストラリアにも強い馬はいるので、すべての馬に当てはまるわけではありませんが、日本のGIIに出走する馬と、オーストラリアのGIに出走するような馬は同じレベルだと言ってもいいと思います。

――来日する前の日本競馬のイメージとは違っていましたか?

ベリー レース映像などを観ていたので、競走馬に関してはイメージ通りでした。ただ、レース自体は来日する前のイメージとは違っていましたね。私は香港やオーストラリアで騎乗しているのですが、最初は香港のように終始密集している競馬が多いと思っていたんです。ですが、東京競馬場などは直線に入ると、スペースがある中で競馬をしているなと感じました。そこが最初のイメージと違っていたところですね。

――それは香港などに比べると、乗りやすいということでしょうか?

ベリー 乗りやすいですね。しかし、競馬のスタイルは国ごとに違いますので、日本の競馬が簡単だという意味ではありませんよ。経験や実績のあるジョッキーもいますので、当初は勝つことが難しいと感じましたから。今は道中の流れなど、日本の競馬に慣れてきましたので、勝つためにどうしたらいいかなど、いろいろと対応できるようになったという意味で、乗りやすくなったということです。

――短距離と長距離とでは、どちらが好きですか?

ベリー どちらかと言われれば、長距離ですね。短い距離だとアッという間に終わりますが、長距離だと走っている時間が長いので、戦略を練りやすいですし、騎手がやれることも多いですから。

――日本の競馬場で好きなコースはありますか?

ベリー 競馬場でいえば、東京競馬場です。コースでは、スタート地点から最初のコーナーまで角度があるので難しいですが、東京の芝2000mが好きですね。

キシュトーーク

東京の芝2000mが好きですね



――来日しようと思ったきっかけは何だったのですか?

ベリー もともと日本の競馬に興味はありましたし、最近は日本馬が海外で活躍していますから、乗ってみたいとも思っていました。ただ、日本で短期免許を取得するのは難しいことも知っていましたので、機会があればという感じでしたね。そうしたら、今のマネージャーが声をかけてくれたんです。とても、うれしかったですね。

――オーストラリア競馬と日本競馬のシステム上の違いはありますか?

ベリー 大きな違いは、調整ルームがあることですね。オーストラリアではレース前日に競馬場に入らなければいけないルールはありませんから。個人的には調整ルームに入るのはあまり好きではないんです。できれば、当日まで自分の家で過ごしたいですね(笑)。

――それはなぜですか?

ベリー 調整ルームに入ると、当然英語でコミュニケーションを取ることがほとんどできませんからね。もっと日本語が話せれば、気持ち的に楽になるんでしょうけど、現時点では家のほうがリラックスできるかなと(苦笑)。

元祖「キシュトーーク」のレギュラー陣、国分恭介、国分優作、松山弘平、川須栄彦、高倉稜を中心に、栗東・美浦・地方からも幅広く、これからの競馬界を担うU25の若手ジョッキーたちが登場します!

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング