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ミッキーは? パンドラは!? 強豪牝馬の追い切りチェック!

  • 2016年05月11日(水) 18時00分


レッツゴードンキも好調アピール

 今週は月曜からずっと雨。特に10日の夜はかなりの雨量でしたが、11日の朝は時間帯によって、雨が止むこともありました。ただ、どんよりと分厚い雲に覆われて、時々強い降り方をすることも。こんな天気になると「今日の時計はどう?」とたくさんの人に聞かれますが、CWに関しては、特に時計を要している感じはありません。むしろ、テンから飛ばしていっても、最後まで踏ん張れるような馬場だった印象すらあります。

 だから、動きが良く見えたという馬もたくさんいましたが、現時点でのヴィクトリアマイルは人気馬で仕方ないのかなといったところ。この感覚、NHKマイルCのパドックを見て「メジャーエンブレムって牝馬?」っていうくらいの存在感を示していて、それに敵いそうな馬体の馬がいなかったっていうのに似てる気がします。でも下記にも取り上げた穴馬も追い切りの動きが目立っていただけに、前走のレース内容が糧になっていれば、馬券圏内だと思います。

【ヴィクトリアM/ミッキークイーン】

 追い切り本数はそれなりに足りていても、動き自体はそこまで目立っていなかった前走時の最終追い切り。それでもきっちり2着確保、しかもメンバー最速上がりですから、性能の高さは牝馬同士なら抜けた存在といってもよいでしょうか。そして、クビ届かなかったスマートレイアーとは前走2キロ差あったのが、今回は同斤量。この時点で十分逆転できる計算です。

 なにより、この中間は動きが機敏。1週前追い切りの素晴らしさもそうですが、最終追い切りはエアカミュゼとCWでの併せ馬。いつものパターンで4F追いでしたが、最後の1Fできっちり相手を突き放す動き。もともとマイル適性はある馬ですが、この反応なら、後方待機でも十分に前を捕まえることができるでしょう。

ミッキークイーン(5月11日撮影)

最終追い切りではラスト1Fできっちり相手を突き放す動きを見せたミッキークイーン(5月11日撮影)



【ヴィクトリアM/ショウナンパンドラ】

 前走大阪杯は仕上がりがよく、予想コラムでも◎を打ちましたが、結果は3着。レース展開や1着2着馬の実績を考えると、仕方ない結果だろうと思います。むしろ斤量が酷だったのに、早目の競馬をできたことは収穫でしょう。昨年の大阪杯とは全く違った内容だと思います。

 そんなこともあって、今回のヴィクトリアMへ向けた調整も昨年と違います。2週前追い切りの段階では速い時計を出せなかった昨年に対して、今年は4月27日に坂路4F51.9秒をマーク。その結果、その後も時計の出し方も楽になり、11日の最終追い切りもテンからゆっくり入り、後半2Fでしっかり加速していましたが、この動きが実にスムーズ。今の状態ならマイルが短いということはないと思いたいですね。

ショウナンパンドラ(5月10日撮影)

後半2Fでしっかり加速しているこの動きが実にスムーズだったショウナンパンドラ(5月10日撮影)



【ヴィクトリアM/スマートレイアー】

 脚質転換した東京新聞杯から2連勝。今までの勝ち切れないレースが嘘のような変身ぶり。調教の動きなどには変化がありませんから、正味、戦法が違えば、これだけ結果が違ってくるということでしょう。

 最終追い切りはいつも通りに坂路でしたが、テンから1Fごとに1秒ずつ加速して、最後は1F12.6秒。3F目の12.3秒から減速しましたが、これは前走のレース内容に似たラップの踏み方。きっと同じようなラップを踏んで、レースを引っ張るでしょうから、あとは最後の1Fでどこまで辛抱することができるか。それが着順を大きく左右するはずです。

スマートレイアー(5月10日撮影)

最終追い切りは前走のレース内容に似たラップの踏み方だったスマートレイアー(5月10日撮影)



【ヴィクトリアM/レッツゴードンキ】

 昨年の桜花賞馬ですが、前走はスプリントG1の高松宮記念に出走。スタート直後から前が狭く、位置取りが後方になりましたが、最後の直線も前は塞がりっぱなし。追うことができなかったにも関わらず、あれだけ伸びてくるんですから、後方から脚をためても競馬ができることを証明したような気がします。ただ、これが1200mだったからなのか、それとも自分のペースで走れば、これだけの脚を使えるのか。ここの判断は難しいところ。

 この中間はらしさいっぱいの本数の多い追い切り。11日の最終追い切りはテンに少しだけ行きたがるようなシーンがあったものの、あとはスムーズ。むしろ、後半2Fを12.3秒の持続ラップでまとめたあたりが体調の良さを物語っているように思います。馬の好走凡走が私の馬券のカギを握ることになりそう。

レッツゴードンキ(5月10日撮影)

体調の良さを物語っている最終追い切りだったレッツゴードンキ(5月10日撮影)



【ヴィクトリアM/シャルール】

 休み明けは勝ち鞍なしに対して、休み明け2戦目は4戦して4回とも3着以内。しかも前走は重賞にも関わらず、追い切り本数が少ない調教内容。それでいて、福島芝1800mを大外から追走して2着ですから、あのメンバーなら能力上位だったことは明らかです。

 問題は今回のメンバーでも通用するかどうか。そこは追い切り本数が強化されている点を強調したいですし、最終追い切り自体は前走時より確実に良化しています。それが終い最速ラップを踏めた点に表れていますし、内枠を引いて先行できれば、馬券圏内を賑わすことになるはずです。

◆次走要注意

・5/7 4歳上500万下【ニシノクラッチ】(4人/7着)

 パドックでの気配、返し馬での反応。どちらも状態は申し分なく見えましたが、先行して最後は失速するレース内容。あの感じだと距離短縮がベスト。
 理想は最終追い切りでもラスト1Fが最速になるラップを踏めることでしょう。

[メモ登録用コメント] [ダート1400m]最終追い切りでラスト1F最速ラップなら勝ち負け

・5/8 NHKマイルC【シャドウアプローチ】(13人/10着)

 朝日杯FS以来のレースでしたが、馬体を見た印象はトレセンよりも張りがあって、十分に勝ち負けできるレベルと判断しました。
 ただ、位置取り的にもここが精一杯。今回は着順が悪くなりましたが、前が狭いシーンもあってのこと。この先の動向にも注目すべきです。

[メモ登録用コメント] [芝1600m]須貝尚介厩舎の勝負調教に該当すれば勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・3歳未勝利【イナフイズイナフ】
 前走まで坂路での追い切りでしたが、レースで終いがたるいということで、トラック調教に変更。その効果が表れたのか、11日の追い切りでは終いまでしっかりした脚を使っていました。あの粘りがあれば、今の未勝利レベルなら十分に通用します。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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