典型的なアメリカ血統
2月の東京新聞杯で、何箇所も骨折する大ケガを負った浜中俊騎手(27)が、落馬したその
ダッシングブレイズで戦列に復帰する。
今週からBコース。例年だと時計が速いから、先行タイプではないダッシングブレイズ向きとはいい難く、また、この日はこの1鞍だけ。いきなり全開とはいかないかもしれないが、変に内枠を引くより、外の16番は浜中騎手にとって望ましい馬番かもしれない。
ジョッキーは、みんな不屈。馬に乗ってしまえば、勝つことだけを考えている。落馬のことなど忘れてしまうが、多頭数のインを引いて馬群をさばくことが求められるより、揉まれる心配の少ない外枠で良かった。ダッシングブレイズでレース感覚を取り戻し、たちまち日曜のミッキークイーンで本来の浜中俊に戻ってもらおう。
エイシンスパルタン(父ゼンセイショナル)から入る。父ゼンセイショナルは、オールウェザー6-7ハロンのG1を3勝しているが、必ずしもまだ著名な種牡馬ではなく、芦毛のエイシンスパルタンは、芦毛を伝える名種牡馬アンブライドルズソング(3代父がミスタープロスペクター)直父系の、典型的なスピード型としていい。
アンブライドルズソングは、芦毛を伝える母の父カロ(その父フォルティノ)の影響もあって、ダート巧者に限らず、芝向きの軽快なスピード型も送る。
エイシンスパルタンは典型的なアメリカ血統なので、5代血統表の中で、ミスタープロスペクターの「S5×S5×M4」、さらにノーザンダンサーの「M4×M5」のクロスを持つが、拡大して7代血統表にすると、芦毛の名馬ネイティヴダンサーの「S7×S7×S7×M6×M7×M6」というクロスが浮き立ってくる。
なぜ、ネイティヴダンサーが登場するかというと、エイシンスパルタンの3代母デンジャラススターは、ダークスター産駒だからである。22戦21勝のネイティヴダンサーが、1953年のケンタッキーダービーで生涯ただ1回の敗戦を喫したときの勝ち馬が、ダークスター(父ロイヤルジェム)。
ネイティヴダンサーほどではなくても、ダークスターも成功種牡馬としても知られるが、代表産駒は牝馬に多かったためか、因縁の「ネイティヴダンサーと、ダークスター」の血が組み合わさった活躍馬は、探せば少なくはないだろうが(日本の現役種牡馬では、アポロキングダムがいる)、もう物語の世界だけのこと。エイシンスパルタンのように、オープンの活躍馬が登場するのはきわめて希なのである。
そのエイシンスパルタン、格上がりのオープン特別だった前回、芝1200mを1分07秒6で快勝したが、ベストは今回の芝1400m。500万時に1分19秒9があり、骨折ブランク前には、ヴィクトリアマイルで怖い伏兵評価のマジックタイムを問題にしなかった。
距離1400mのわりに先行型が少なく、まして最近の東京1400mは厳しい流れにならない。信頼度は高いと判断したい。この距離ならツボにはまりそうな
サトノアラジン本線に、前出ダッシングブレイズ、
オメガヴェンデッタ、
ブラヴィッシモ、
サクラゴスペル、
ロサギガンティア、
アイラインまで流したい。