連対馬20頭のうち、13頭までが「4歳馬」
昨年こそベテラン「6歳馬=6歳馬=5歳馬」の1-3着だったが、これは10回の歴史の中で初めてのこと。毎年、1分32秒前後の高速決着になり多くの馬が時計短縮を求められるためなのか、総合力を身につけつつある上昇度がモノをいうせいか、連対馬20頭のうち、13頭までを「4歳馬」が占めている。
そういう理由だけではなく、
ミッキークイーンから入りたい。ポイントは、高速決着が予測されるマイル戦に対する適性はあるか。今週は、土日ともにメインレースしか騎乗しない負傷明けの浜中俊騎手は大丈夫なのか。
桜花賞は不出走で、オークスと秋華賞を制しているミッキークイーン(父ディープインパクト)は、典型的な中距離型のイメージがあるが、ホントにそうだろうか。マイルは一応【1-2-0-0】の成績があるものの、速い時計はない。だが、重馬場の阪神1600mの未勝利戦を勝ったあと、3戦目に挑戦した「クイーンC」は初の遠征競馬とあって、いきなりマイナス20キロの馬体重だった。絞れたことも重なりそうギリギリではなかったが、期待の3歳牝馬の、まだ3戦目。そのあとも考え浜中騎手は前半からムリはしなかった印象がある。坂下まで慎重に乗り、坂上からスパートして1分34秒0(上がり33秒8)の2着なら上々だろう。
そのあとマイルへの出走は、1年後の前回の阪神牝馬S。浜中騎手が負傷中のため、代打はC.ルメール。短期免許当時なら、G1を2勝のミッキークイーンは棚からボタモチ。必勝の騎乗だったが、休み明けで、ヴィクトリアマイルに向けたステップレース。ずっとこの後も浜中のお手馬。自身はもう日本のトップジョッキーである。ノーザンFの生産馬で、池江厩舎。舌舐めずりでいただきのレースではない。テーマは決まっている。負担をかけず、慎重に次につながるレースをしたのは明白だった。スローは分かっていたが、ホントにスパートしたのは最後の1ハロンだけ。無理なく上がり33秒3でまとめ、最後は推定11秒0前後。それで勝った
スマートレイアーとクビ差。上がりは0秒9も上回っている。確実な送りバントに成功したピンチヒッターのようだった。あれで1分33秒1なら、スピード能力は十分過ぎるほどだろう。
レースレコードの1分56秒9で勝った秋華賞も、素晴らしい総合スピードの証明。中団より前に付けたミッキークイーン自身の前後半バランスは、推定「58秒6-58秒3」だった。自身も厳しいペースで追走しながら、後半も58秒台前半だからレコードなのである。
浜中騎手の、数を限った復帰週のレース騎乗はやや気になるが、万全ではないというより、多くの骨折箇所に過度な負担をかけないためか。最近では、最初の復帰で少し焦った北村宏司騎手の例が教訓になっている。メジャーのダルビッシュと同じで、全力発揮は可能でも、慎重に回数(レース数)を限って、経過観察の時間も取りつつの負傷からの復帰だろう。まだ、自信が持てないという意味の騎乗制限ではないはずである。
ショウナパンドラを筆頭に怖いライバルばかりだが、妙味は同じ4歳の
クイーンズリング。秋華賞の内容が光る。穴馬なら
マジックタイム。