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ひねらず素直にあの馬を信頼!/オークス

  • 2016年05月18日(水) 18時00分

■オークス(G1・東京芝2400m)フルゲート18頭/登録24頭


【コース総論】東京芝2400m Bコース使用

・コースの要所!

★1番人気の成績が超優秀。穴は7〜9番人気を狙うのがセオリーのコース。
★内枠有利&外枠不利。馬番1〜6番を引いた馬はかなり有利と考えたい。
★信頼度だけでなく回収率も4角7〜12番手がトップと圧倒的に差し優勢。






 開催レース数が少ないコースなので、今回は2010年以降にフルゲートで行われた32レースを対象に、データを集計している。まず目立っているのが1番人気の強さで、複勝率68.8%と信頼度の高さはかなりのもの。回収率も優秀で、素直に信頼したほうがよさそうだ。人気薄では、ふたケタ人気馬が全体的に低調であるため、7〜9番人気を狙うのがセオリー。人気サイドからここに流す馬券が、もっとも儲けやすく効率もいい。

 次に枠番だが、ちょっと意外なほどに内枠有利&外枠不利。内枠である馬番1〜6番の強さは「破格」といえるもので、勝率・連対率・複勝率のいずれも、中枠や外枠に比べて圧倒的に高い。さらに回収率や枠番値まで優秀なのだから、これを狙わない手はないはず。外枠を割り引いて内枠を狙うというのが、このコースの基本スタンスだ。

 最後の直線が長い東京芝コースらしく、脚質別では中団からの「差し」が圧倒的優勢。展開次第で、前も残るし追い込みも決まるコースではあるが、勝率・連対率・複勝率のいずれも他を圧倒しているように、イメージ以上に差しが決まりやすい。また、最速上がり馬の期待値が猛烈に高いというのも、このコースの大きな特徴。鋭い決め脚さえあれば、勝ち負けに持ち込めてしまうといっても過言ではない。

【レース総論】オークス(G1) 過去10年

・レースの要所!


★上位人気もそれなりに強いが、活躍が目立つのは7〜9番人気の穴馬。
★コースデータとは異なりセンター枠が好成績。脚質はやはり差し優勢。
★好走例はキャリア4〜7戦の馬に集中。騎手の乗り替わりは大幅に割引。









 牝馬限定戦でもあり、けっこう荒れているイメージがあるオークス。しかし実際には、10番人気以下[0-1-0-87]と、ふたケタ人気の超穴馬はそのほとんどが馬群に沈んでいる。ただし平均配当は、単勝1121円、馬連9108円、3連複1万8995円と高水準。つまり、大波乱はないが中波乱は大いにありうるというのが、配当的な傾向といえる。

 1番人気は[2-3-1-4]で連対率50.0%、複勝率60.0%という信頼度。悪くはないが良くもないという印象で、2〜5番人気あたりを狙ったほうが、儲ける上では効率がいい。また、ふたケタ人気は低空飛行も、7〜9番人気は[2-1-4-23]で複勝率23.3%と、かなり優秀。これはコースデータ同様の傾向でもあり、積極的に狙っていきたい。

 コースデータとは傾向が大幅に異なるのが、枠番別での成績。回収率がもっとも高いのは内枠である馬番1〜6番だが、信頼度は内枠から外枠までほとんど差がない。とはいえ、データ母数の差を考えると、より信頼できるのはコースデータのほう。コースデータで好成績だった内枠と、レースデータで枠番値の高い中枠を重視し、外枠はやはり割り引いて考えたい。

 脚質は、「中団からキレる脚で差す馬が強い」という、コースデータとほぼ同様。最速上がり馬の強さはコースデータ以上で、この条件を満たす可能性のある馬は、徹底的にマークしたほうがいい。また、桜花賞組の強さもよく知られるところで、その他のレースから出走する馬は「2番人気以内かつ2着以内」が、本番で好走するための必要条件。前走の負けから大きく巻き返す可能性があるのは、桜花賞組だけだ。

 注目したいのが「キャリア」で、過去10年のオークス好走馬のほとんどが、キャリア4戦〜7戦だった。とくに信頼度が高いのがキャリア4〜5戦の馬で、勝率10.0%、連対率20.0%、複勝率26.0%と、他を圧倒している。あとは、鞍上の乗り替わりが大幅割引となることや、関西所属騎手の好成績にも注目しておきたい。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 Bコース継続。先週は、ちょっと意外なほどフラットな馬場だった。

・天候予測
 週末まで好天が続く見込み。含水率の低いパンパンの良馬場となるか。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、メイショウサムソン産駒○、ハービンジャー産駒▲、キングカメハメハ産駒△、ハーツクライ産駒△、ステイゴールド産駒△

 Bコース替わりで前有利な馬場が出現するかと思われた、先週の東京芝コース。しかし、ペース次第で前も残るし後方からでも差せるフラットな馬場となり、いささか予想を裏切られた。ただし、かなりの高速馬場であるのは例年通りで、ヴィクトリアマイルも1分31秒5という速いタイムでの決着。この馬場に対応できる軽さが要求される。

 血統面は、突出して成績がいい種牡馬は見当たらず。勝利数トップのディープインパクト産駒がもっとも買いやすいが、信頼度でそれを上回るメイショウサムソン産駒や、勝率トップで複勝回収率が高いハービンジャー産駒あたりも侮れない。向く血統をプラスに評価するのではなく、成績が低調である「向かない血統」をマイナスの評価するほうが、適切だと思われる。

★出走登録馬・総論×各論

 桜花賞馬ジュエラーの戦線離脱で、同2着馬シンハライトの「一強」になるかと思われた、今年のオークス。しかし、チェッキーノがフローラSを猛烈に強い内容で制したことで、一本かぶりの人気にはならないと思われる。現在のnetkeiba.comにおける予想オッズも、2.0倍のシンハライトに3.5倍のチェッキーノが続いている。以下はロッテンマイヤー、アットザシーサイド、エンジェルフェイスという人気順だ。

 データ分析からのトップ評価は、順当にシンハライト。気になるのは前走馬体重(426キロ)くらいのもので、今回420キロ台をキープできるのであれば、それもとくに問題ないと判断した。それ以外は、臨戦過程、キャリア、鞍上、血統などプラス評価となった項目ばかりで、勝ち負けに必要とされる末脚のキレも文句なし。勝負強さやセンスなど、データには表れない部分で強さを持つのも、この馬の大きな魅力といえる。

 二番手評価にアットザシーサイド。重賞タイトルこそないが、阪神ジュベナイルFで5着、フィリーズレビューで2着、そして桜花賞で3着と、ここでも好走できるだけの実績を有している。中団からの差しという自分の型を持つのも好材料で、乗り慣れた福永騎手が継続騎乗予定であるのもプラス。展開次第では、一発があって驚けない1頭である。

 三番手評価にデンコウアンジュ。人気薄となりそうな馬で、唯一「買い」ジャッジとなったのがこの馬だ。近走はイマイチな結果に終わっているが、あのメジャーエンブレムに土をつけた東京芝でその持ち味をフルに生かせば、大きく変わってくる余地アリ。メイショウサムソン産駒というのも強調材料で、決して侮れない存在だといえる。7〜9番人気となるようであれば、けっこうアツい。

 四番手評価にチェッキーノ。東京芝2000mの大外枠だったことを考えれば、前走はまさに破格といえる内容。コディーノの妹だが、兄と違って気難しいところがなく、操縦性が高いのも高く評価できる。ただし、鞍上がルメール騎手から戸崎騎手へと乗り替わる予定であるのは、やはりマイナス。前走の派手さゆえに、過剰人気となる可能性が高いのも懸念材料である。

 以下は、エンジェルフェイス、アドマイヤリード、ジェラシー、レッドアヴァンセという評価順。あとは人気次第だが、最終的に7〜9番人気となりそうな馬が「買い」であることや、外枠が割引材料であることも、忘れず覚えておきたいところ。現時点では、トップ評価のシンハライトから素直に流す馬券を推奨しておこう。


■総論×各論・先週の馬券回顧





東京11レース ヴィクトリアマイル(G1)
1着 13ストレイトガール
2着 10ミッキークイーン
3着 15ショウナンパンドラ

……(#^ω^)←かなり煮えてきているらしい
というわけでまたもやハズレも、上位3頭はいずれもG1ウィナー。実績重視のスタンスであれば、簡単に獲れた気がしないでもない。ミッキークイーン2着固定の馬単という「邪道」な馬券まで買っているのに届かないというのが、もうね(歯ぎしり)。

※コースデータは2010年、血統データは2013年、レースデータは2006年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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