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シンハライトは「継続ラップ」で評価は!? オークス追い切りチェック!

  • 2016年05月18日(水) 18時00分


エンジェルフェイスは主導権を握るレースができれば…

 先週のヴィクトリアマイル。ミッキークイーンにせよ、ショウナンパンドラにせよ、距離適性が万全ではなくても、状態が良いので、2着3着には突っ込める。その予想は正解でした。ただ、1着が無印とは…。昨年の勝ち馬であり、調教パターンも変わりなし。なのに、何気なく評価を下げてしまうという。本当に恥ずかしい予想に終わりました。

 今週のオークス。そして、来週のダービーも含めて、3歳クラシックの第二弾はある程度の狙いを定めることができました。たぶん、今度は予想が恥ずかしく終わるということはないと思うので、問題は馬券の買い方。そのためにも各馬のはっきりとした順位付けが必要になると思うので、このあたりは慎重に行いたいところです。

【オークス/シンハライト】

 通常なら前走後に放牧へ出ているので、3本という追い切り本数は少ないと評価します。ただし、石坂正厩舎の牝馬は日曜日に時計を出すことがまずないため、今回が中5週なら3本の追い切りになるだろうというのは、想定通りでした。むしろ、5月13日にCWでのキャンターの様子を見たら、抜群のフットワークを見せており、仕上がりに全く問題ないという感じ。

 それだけに、最終追い切りはラスト1Fが最速、その数字が12.5秒以下という想定でしたが、後半2Fが12.8秒の継続ラップは少し物足りない印象も受けました。確かに少し時計を要する感じの馬場でしたが、終わってみれば、1F11.6秒という最速ラップをマークした馬もおり、めちゃくちゃ重かったわけでもありません。ちなみにこの数字自体は紅梅S1着時と同じなので、決して評価を下げるつもりはありませんが、個人的に「勝ち馬はこれしかいない」という感じはなくなりました。

シンハライト(5月17日撮影)

後半2Fの継続ラップは少し物足りない印象を受けたシンハライト(5月17日撮影)



【オークス/ロッテンマイヤー】

 忘れな草賞を勝って、中間にノーザンFしがらきへ放牧。帰厩してまもない時期に馬体を確認した時にこんなにボリュームのある馬だったっけ?と体を見直したくらい。そして、その動きを日々見させてもらうと、柔らかさもあるし、2400mという距離に対応できるだろう走りに、私自身が惚れ込んでしまいました。

 1週前追い切りはT.ベリー騎手が跨って、全体が遅い内容でしたが、あれだけ我慢できるということが重要だったように思います。だからこそ、最終追い切りでも遅いラップになっても、脚がしっかりたまって、最後が一番速くなるラップを踏めたような気がします。キャリアは浅くても、中身の濃いクイーンCと忘れな草賞。そして、ここにきての充実ぶりがあれば、十分勝ち負けするシーンを思い浮かべることができます。

ロッテンマイヤー(5月11日撮影)

ここにきての充実ぶりがあれば、十分勝ち負けできるロッテンマイヤー(左・5月11日撮影)



【オークス/エンジェルフェイス】

 キングカメハメハ産駒の牝馬は鹿毛や栗毛が優秀な成績を残していることが多く、黒鹿毛の重賞勝ちはケイアイエレガントくらいだと思います。個人的にキンカメ牝馬の体が良く見えることはないのですが、この馬に関しては、つくりが雄大なこともあって、本当にきれいな馬。距離も2400mは十分適性があるように思えます。

 実際、CWでの追い切りを見ていても、折り合いをつけて走ることができていますし、速いラップを持続することも可能なタイプ。最終追い切りは他厩舎と被るようなところがあって、ごちゃつき加減でしたが、それでも最後はきっちりとヘミングウェイと同入の動き。最終追い切りが軽いのは前走時と同じですが、後半の時計は今回の方が速く、その分動けるようになっているという判断でよいでしょう。この馬がレースの主導権を握れば、変なレースにはならない、そんなイメージが湧きます。

エンジェルフェイス(5月18日撮影)

後半の時計は今回の方が速くその分動けるようになっているエンジェルフェイス(5月18日撮影)



【オークス/デンコウアンジュ】

 メイショウハガクレとの1週前追い切りは時計が速くて、相手をぶっちぎって、圧巻の内容。5月15日には左回りのCWで6Fから時計を出しており、東京競馬場に舞台替わりすれば、やっぱり怖さを感じる馬。あとは最終追い切りがどんな内容になるかという点に注目していました。

 前走時は4F追い切りでしたが、今回は6F追い。ただ、最初の2Fはあまり速くならないように考慮されたので、実質的には4F追い切りと変わりなし。動き自体は決して悪くなく、アルテミスSの結果を重視するのであれば、当時と同じ走りができて不思議ないという評価でよいでしょう。

デンコウアンジュ(5月18日撮影)

アルテミスSと同じ走りができて不思議ないデンコウアンジュ(5月18日撮影)



【オークス/アットザシーサイド】

 前走後はグリーンウッドへ放牧に出ており、帰厩したのが、5月10日。そんなこともあり、追い切り時計をなかなか出すことがなく、合計で3本、よく出たなあというのが正直な印象です。ただ、浅見秀一厩舎らしく、5月15日に速い時計を出して、18日の最終追い切りは終い重点でした。

 その終い重点の内容ですが、いくら前半をゆっくり走らせたからといっても、1F12.3秒は優秀。前半も1Fごとに1秒以上の加速はできていて、決して時計が遅いからといって評価を下げるような内容ではありません。レースでも前半をゆっくり追走すれば、勝負どころからの加速は十分に対応できそうな感じですが、問題は馬体重。少なくとも430キロ台はキープしたいところではないでしょうか。

アットザシーサイド(5月18日撮影)

少なくとも430キロ台はキープしたいアットザシーサイド(5月18日撮影)



◆次走要注意

・5/14 3歳未勝利【ピッツィカート】(1人/1着)

 最後は同着でしたが、勝ててなにより。今の京都芝外回りであんなレースをして、前を捕まえることができるのは、京都新聞杯のスマートオーディンぐらい。それを思えば、かなりのパフォーマンスだったと思います。
 17日に音無秀孝調教師に聞いたところでは、今後はゲート練習をして北海道シリーズに参戦するとのこと。秋には大きな舞台が期待できる馬かも知れません。

[メモ登録用コメント] [芝]追い切り本数が標準以上なら勝ち負け

・5/15 青竜S【アルーアキャロル】(1人/2着)

 連勝していたことで断然人気を背負いましたが、調教タイプは軽目トラック。確かに500万下はこの調教タイプで勝つことができましたが、やっぱりオープンだとこれでは厳しいということでしょう。
 それでも直線の手応えは抜群。あそこからしっかり伸びるためには調教の後押しがあれば、というのが個人的な見解です。

[メモ登録用コメント] [ダート]追い切り本数標準以上の併用調教なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・3歳未勝利【イリデッセンス】
 勝ち切れないところがあったり、レースでも走るのをやめてみたりと難しいところがある馬。先週のCWではそんなところを顕著に見せていたので、今週はブリンカーを着用しての追い切り。その効果あって、追走していても走る気十分でしたし、追われてからもしっかり。
 騎乗していた熊沢重文騎手も「効いていたと思う」ということですから、ダートにも替わる今回で結果がでなければ、くらいの感じです。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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