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日本ダービー、別路線組で惹かれるのは…

  • 2016年05月27日(金) 18時00分


◆マカヒキが軸馬としてはいちばん無難

 皐月賞組に加えて青葉賞や京都新聞杯からも好素質馬が参戦し、選ぶ楽しみが増えた今年のダービー。皆さんも大いに悩んでいることだろう。

 ディーマジェスティは皐月賞で鮮やかな差し脚を見せた。ただ、極端な前傾ラップがはまった面もあり、地力で他馬に勝ると単純に考えないほうがよいと思う。今回も展開次第で、キレ味が要求される流れだと、同じディープインパクト産駒のもっとキレる馬にやられる可能性はある。反対に今回プラス材料になるのは枠。もともとCコースの東京芝2400mは内枠有利の傾向があり、Cコース替わりの今週は特に枠順に注目する必要がある。

 皐月賞2着のマカヒキは消耗戦は歓迎ではなかったはずだが、前が崩れたこともあって2着に届いた。弥生賞のような競馬でも届いた馬なので、今回もじっくり行くだろう。ダービーは上がり順位の高い馬が良い着順につながる度合いが皐月賞や菊花賞よりも高く、それゆえこの馬は軸馬としてはいちばん無難だと思う。

 サトノダイヤモンドはおそらく今回も中団あたりにいるはず。実は極端に速い上がりをマークしたことはない馬なので、いったん馬群が凝縮してからの上がり勝負だとまた惜敗になりそう。予想よりも前の位置を取るか、気持ち早めにレースを動かしていくか。1着を取るためにはそういった戦略が必要だ。

 リオンディーズは暴走気味の先行から最後は他人に迷惑もかけた皐月賞だった。ただ、それであの入線順位に踏みとどまっているあたり、さすが力はある。今回はさすがにもうちょっとじっくり行くだろうが、引き続き評価は必要だと思う。

 エアスピネルは位置を取れることが唯一の武器。ダービーを知り尽くしたジョッキーがどのような戦法を取るか。微妙に馬券圏内には足りないような気もするが、前残りの展開ならばチャンスはある。

 マウントロブソンは決め手を考えると、皐月賞以上の結果は望みづらい。ロードクエストも、NHKマイルCの段階でだいぶマイル仕様になっているというような話だったので、ここでは手を出しづらい。

 別路線組で個人的に惹かれるのは、スマートオーディン。上がりの速さだけが武器といってもよい馬で、それゆえ共同通信杯での大敗も納得はいく。皐月賞は共同通信杯と似た属性のレースだったので、仮にあの場にいても大敗していたはず。問題は今回の展開で、皐月賞と真逆のスローや上がり勝負になった場合には、この馬の台頭があっても不思議ではない。

 そういう意味では、青葉賞組の評価も展開次第で変わってくる。青葉賞は6〜11ハロン目がすべて11秒台で、ヴァンキッシュランも最後の1ハロンはタイムを下げている。これはディーマジェスティと親和性が高い結果で、つまり今回もディーマジェスティが好走する展開なら、ヒモにヴァンキッシュランを連れてくる可能性がある。皐月賞とは全く逆のテイストになった場合は、青葉賞で人気ほど走れなかったプロディガルサンあたりにヒモ穴の可能性が出てくるだろうし、その場合皐月賞組ではマカヒキ、他ではスマートオーディンが組み合わせになってくるのではないかと思う。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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