目黒記念こそダービー以上に馬券的には重要なレースだ/トレセン発秘話
◆“黙って買い”の加藤敬キュウ舎
全休日明けの24日、目黒記念の取材を進めていたところ、ある関係者から「ダービーウイークに目黒記念の取材をしているようではアカンで」と突っ込みが入った。“一流の記者ならダービーの取材に専念しろ”ってことなのか。だとしたら、失礼ながら目黒記念がどういうレースであるかを全く分かっていない。
「競馬の祭典」日本ダービーが行われる当日を笑って締めくくるか、泣いてオケラ街道をトボトボ歩くかの“分岐点”となるのが、最終レースに組まれたこの目黒記念。「馬券的にはダービー以上に重要なレース」と坂路野郎は断言したいくらいだ。
「目黒記念ってちょっと独特な雰囲気なんですよね。祭りの後の少し気が抜けた雰囲気もある一方で、ファンの人は大勢いて熱心に見ている。実はGIに近い熱気もあるんですよね」とは昨年の覇者ヒットザターゲットを目黒記念に送り込む加藤敬キュウ舎の清生助手だ。
8歳となる今年、58キロのトップハンデを背負わされる。状況は決して楽ではないし、連覇は難しい?いやいや、そんなことはない。注目すべきはキュウ舎のこの舞台との相性の良さだ。
加藤敬キュウ舎は東京芝2500メートルの重賞(目黒記念&アルゼンチン共和国杯)で、昨年のヒットザターゲットだけでなく、ミヤビランベリが09年目黒記念&AR共和国杯を制覇。トータル5戦3勝という驚異的な成績を残している。加藤敬キュウ舎が東京2500メートルに使ってきただけで“黙って買い”なのである。
「ウチはこのコースを目標に仕上げているから」と冗談めかして笑う清生助手だが、あながちウソではなかったりして…。この中間も熱心に調整を進めてきたこの古豪。枠に左右されやすい馬なので現時点で「◎に決まり」とまでは言いづらいが、マークが必要な馬であることに間違いはない。(栗東の坂路野郎・高岡功)