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大阪杯がGIに昇格? 上半期の古馬競走体系はどうなっていくのか

  • 2016年05月30日(月) 18時01分
 少し前の話だが、3月18日にデイリースポーツ、日刊スポーツ両紙が、現在GIIの産経大阪杯(芝2000m)について、JRAが来年からGIに昇格する方向で検討していると報じた。率直に言って、最初は眉唾と思った。ただ、JRAが進めている番組改革作業の全体的な文脈を見ると、実現うんぬんはともかく、「出てもおかしくない話」ではある。重要なのは、現時点でなぜこうした話が出たかである。長年、様々な意見が出されてきた上半期の古馬の競走体系について、JRAが改革に動き出した信号と見ても良さそうだ。

JRA 内部に研究会を設置


 ちょうど1年前、筆者は当欄で天皇賞・春の距離見直し論を扱った。主にノーザンファーム系の有力馬がドバイや香港、豪州の中距離GIへと流出し、社台グループの会報に距離短縮論が公然と登場した事実にも触れた。

 こうした傾向は今年も変わっていない。昨年の2冠馬ドゥラメンテと、皐月賞、菊花賞2着のリアルスティール(ともにサンデーレーシング所有)は、当然のようにドバイに向かい、リアルスティールはドバイ・ターフで初のGIタイトルを獲得した。4月24日のクイーンエリザベスII世C(香港・シャティン=芝2000m)にはラブリーデイ、ヌーヴォレコルト、サトノクラウンの3頭が参戦。勝てはしなかったが、中距離志向の強さを改めて示した。

 一方、5月1日の天皇賞・春に出走したGI勝ち馬はキタサンブラック、トーホウジャッカル、ゴールドアクターの3頭。出走11頭中5頭がGI勝ち馬だった大阪杯に比べると、メンバーの低調さは否めなかった。

 時期は前後するが、こうした傾向を踏まえて、筆者は3月7日のJRA理事長定例記者会見で、上半期の古馬中長距離の競走体系についての考え方を質問した。これに対し、同月1日に就任したばかりの谷崎潤・競走担当理事は「国内の競馬、特に春シーズンをどう盛り上げていくかという観点から、GIの体系について研究を進めていきたい」と回答した。

 実はJRAの内部研究会は今年1月に動き出しており、担当の競走部に加え、国際部や広報部なども加わっている。この研究会は古馬中長距離だけを論議しているわけではないが、重要な議題であるのは間違いない。

教えてノモケン

▲アンビシャスが制した今年の大阪杯。キタサンブラック、ショウナンパンドラ、ラブリーデイ、イスラボニータ、ヌーヴォレコルトGI馬5頭が出走する豪華な一戦となった


即昇格可能な「隠れGI」


 大阪杯のGI昇格報道は、この質疑から11日後だったため、個人的にも意外な感はあった。報じたのが協賛社である産経新聞やサンケイスポーツでなかったのも興味深い点で、両紙側は寝耳に水だったという。では、「大阪杯」という具体的な名前がなぜ出たか? 背景には、GIを新増設する際の国際的なルールがある。

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1964年1月19日、東京都出身。87年4月、毎日新聞に入社。長野支局を経て、91年から東京本社運動部に移り、競馬のほか一般スポーツ、プロ野球、サッカーなどを担当。96年から日本経済新聞東京本社運動部に移り、関東の競馬担当記者として現在に至る。ラジオNIKKEIの中央競馬実況中継(土曜日)解説。著書に「競馬よ」(日本経済新聞出版)。

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