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1400mでもベストウォーリア/さきたま杯

  • 2016年05月31日(火) 18時00分


◆1400mがもっとも力を発揮できる舞台
 JpnIIになってからのさきたま杯はますます好メンバーが集まるようになって、今回の中央勢は4頭すべてがGI/JpnI勝ち馬。1400mという距離ゆえ、短距離馬とマイル〜1800くらいを得意とする馬の対戦というのも興味深い。フルゲートになったが、地方勢はソルテがどこまでがんばれるかというところ。

 本命はベストウォーリアかコーリンベリーかで迷ったが、対戦してきた相手のレベルや、絶対能力でベストウォーリアとした。昨年7月、舞台は中央(中京)だが、1400mのプロキオンSで対戦し、59kgを背負ったベストウォーリアが、55kgのコーリンベリーをまったく相手にせずというレースだった。ベストウォーリアはマイルよりむしろ1400mがもっとも力を発揮できる舞台と思う。とはいえ不安もないわけではなく、ベストウォーリアは地方の小回りコースは3歳時に園田(兵庫チャンピオンシップ2着)を経験しているだけ。その後は、大井、盛岡、船橋と、地方にしては大きいコースか、コーナーが比較的緩いコースばかり。大型のこの馬に、初めての浦和の小回りコースはどうだろう。コースをよく知る戸崎騎手だけに、その心配もあまりないとは思うが。

 コーリンベリーは、すんなりとハナをとってマイペースなら逃げ切りも十分考えられる。地方の小さいコースは、周りは逆だが、昨年かきつばた記念を勝っている。ちょっと心配なのは外の11番枠に入ったこと。小回りの1400m戦ゆえ、4番枠に入ったソルテがハナを主張する可能性もある。互角のスタートならコーリンベリーのダッシュ力が抜けていると思うが。

 ソルテのかしわ記念は、3歳時のジャパンダートダービー(6着)以来、約3年ぶりの中央一線級との対戦で、逃げてよく2着に粘ったと思う。必ずしも逃げなければというタイプではないので、コーリンベリーが行く気を見せれば2、3番手からになるのだろう。1400m戦は前々走でフジノウェーブ記念を勝っていて、浦和コースは3走前にゴールドカップ(1500m)を制しているが、この馬がもっとも能力を発揮するのはマイル戦ではないだろうか。

 ホワイトフーガは、牡馬のGI級のメンバーを相手にどこまでやれるか。1400mは距離不足の感じもある。

 ドリームバレンチノは、一昨年のJBCスプリントを制して以降勝ち星なし。とはいえ、昨年末の兵庫ゴールドトロフィーでは59.5kgのトップハンデにもかかわらず、直線一旦は先頭に立って見せ場をつくっての2着。今回はベストウォーリアと同じ58kgでもあり、明けて9歳だが軽視はできない。

◎ベストウォーリア
◯コーリンベリー
▲ソルテ
△ホワイトフーガ
△ドリームバレンチノ

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1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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