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絶対王者に付け入る隙があるかも!?/安田記念

  • 2016年06月01日(水) 18時00分

■安田記念(G1・東京芝1600m)フルゲート18頭/登録16頭


【コース総論】東京芝1600m Cコース使用

※今回は「12〜14頭立て」に限定してデータを集計しています

・コースの要所!

★4〜6番人気の中穴ゾーンが高期待値。波乱度の高い条件ではない。
★馬番1〜4番を筆頭に内枠の成績がイマイチ。外重視の取捨を推奨。
★逃げた馬や先行勢の健闘が目立つ。やや前有利と考えておきたい。






 久々に少頭数となりそうな、今年の安田記念。登録自体は16頭だが、回避が確定している馬が3頭いるので、おそらく12〜13頭立てになりそうだ。というわけで、今回はコースデータもそれに合わせて、集計対象を12〜14頭で行われたレースに限定しているのでご注意いただきたい。

 この条件における平均配当は、単勝1045円、馬連6774円、3連複1万9145円。人気サイドから人気薄までまんべんなく馬券に絡んでいるが、目立っているのは中穴ゾーンである「4〜6番人気」の強さだ。回収率が単勝143%、複勝86%と高く、信頼度の高さも上々といえるもの。買い材料のある馬なら、積極的に拾っていきたい。

 次に枠番だが、馬番1〜4番の勝率が妙に低いのが気がかり。連対率や複勝率もイマイチで、内枠がいいとは言いがたい結果である。内外での比較においても、信頼度や回収率など、すべてが「外>内」。大きな差があるわけではないが、取捨に迷った場合は内よりも外を重視するスタンスのほうが、好結果を呼び込めそうだ。

 脚質については、先行勢と中団待機組がおおむね互角の成績。ただし、4コーナーを11番手以下で回った追い込み勢の信頼度は、かなり低い。また、先行勢の踏ん張りや逃げた馬の好成績からも、「やや前有利」くらいに捉えておいたほうがいいはず。ただし、勝ち負けに高いレベルの瞬発力が要求されるのは、他の東京芝コース同様である。

【レース総論】安田記念(G1) 過去10年

・レースの要所!

★1番人気は[4-0-0-6]と両極端。3着が人気薄のケースが非常に多い。
★前走での上がり3F順位は要チェック。2位以内であれば高信頼度だ。
★前走479キロ以下馬は連対率わずか3.3%。勝ち負けには馬格が必須。









 ダービーがガッチガチ決着だっただけに強調しづらいが、安田記念もダービーと同様に「ヒモ荒れ傾向」の強いレース。昨年は3着に12番人気のクラレントが激走し、一昨年は2〜3着がいずれもふたケタ人気と、毎年のように人気薄が上位に食い込んでいる。1着は手堅く、2〜3着は大胆に狙うというのが、このレースの正しい攻め方といえる。

 とくに紛れるのが3着馬で、過去10年の3着馬のうち8頭までが7番人気以下。13番人気以下で馬券に絡んだ馬も3頭いるという、穴党垂涎のレースと化している。このパターンを少頭数の今年に当てはめると、7〜10番人気あたりが狙い目となりそう。1着に3番人気以内の3頭を、そして3着に7番人気以下を狙う3連単フォーメーションなどは、かなりオススメの買い方である。

 枠番は今年については参考データとなるが、もっとも成績がいいのは馬番1〜6番の「内枠」である。この時期の東京開催はいつもそうだが、先週の結果を見るかぎり、今年も内枠有利の馬場状態にありそうだ。ただし、コースデータで「外枠有利」という結果が出ているだけに、内枠の過信は禁物。土曜日のレース結果にもよるが、枠番をあまり気にしないのが正解となるかも。

 脚質はコースデータ同様に、先行勢と中団待機組が互角に張り合っている。4コーナー13番手以下からでも7頭が馬券に絡んでいるので、「どんなポジションからでも好走可能」というのが正しい表現か。それを裏付けているのが、上がり3F順位別での成績。差し優勢の東京芝とは思えないほど、上がり4位以下の馬が健闘しているのだ。やはり、「やや前有利」だと捉えたほうがいいと思われる。

 取捨選択にかなり役立ちそうなのが、前走上がり3F順位別での成績である。これが2位以内であるか、それとも3位以下であるかでは、信頼度に天と地ほどの開きがある。そして、今年出走すると思われる馬で前走上がり3F順位が2位以内であるのは、サトノアラジンとダノンシャークのみ。3位まで範囲を拡大しても、フィエロが増えるだけだ。

 そしてもうひとつ、前走馬体重が480キロ以上であるか否かも、ぜひチェックしておきたいポイント。こちらも、479キロ以下馬が[1-1-4-54]に対して480キロ以上馬[6-7-5-70]と、後者が前者を圧倒している。そして、このデータで割引対象となるのは、イスラボニータとダノンシャークの2頭である。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 Cコース継続。やはり内&中団より前のポジションが有利な状態。

・天候予測
 週末〜週明けにかけて天候が崩れそう。降雨もありそうな雰囲気。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、フジキセキ産駒○、ローエングリン産駒▲

 勝利数2位のフジキセキ産駒が9勝、1位のディープインパクト産駒が49勝と、まさに「圧倒的」な成績。ディープ産駒は勝率、連対率、複勝率のいずれも文句なしの高さで、「1着>2着>3着」とキッチリ勝ちきっているのも好印象である。それ以外で目立つのは、複勝率&複勝回収率の高いフジキセキ産駒と、連対率が高いローエングリン産駒くらいのものだ。

 現在の馬場に関しては、やはり前&内有利の状況にあると考えてよさそう。土曜日の降雨が影響した部分もあるが、先週からのCコース替わりが大きく影響していると思われる。コースデータやレースデータも「先行勢やや有利」という結果であるだけに、先行勢の前残りをなおさら警戒しておきたい。

★出走登録馬・総論×各論

 最大でも13頭立てと頭数こそ寂しいが、世界を相手に大活躍中のモーリスと、ドバイで初G1制覇を達成したリアルスティールが出走と、メンバー自体はかなりハイレベル。京王杯スプリングCを素晴らしい内容で制したサトノアラジン、香港から遠征のコンテントメントなども、決して軽くは扱えない。

 当データ分析がトップ評価したのは、リアルスティールである。芝マイル戦への出走は今回が初だが、距離短縮組が好成績を残しているレースであり、血統的にはまったく問題がないどころか、素晴らしい適性の高さを見せてもおかしくないはず。前々で流れに乗れるセンスのよさも、大きな武器となるはずだ。

 二番手評価にモーリス。昨年の勝ち馬で、実績を考えればこちらがトップ評価となってしかるべきだが、気になるのが状態面である。堀調教師が出走にゴーサインを出した以上は「万全」と考えたほうがいいのかもしれないが、陣営コメントのトーンはかなり控え目。思いきって嫌ってみる手もありそうな雰囲気だ。

 三番手評価にサトノアラジン。「前走が最速上がりで前走馬体重480キロ以上」と、安田記念の注目データをいずれも優秀な内容でクリアしている。昨年のマイルCSでもモーリスから0秒2差の4着に好走しており、東京芝コースの適性も十分。勢いに乗る川田ジョッキーの手綱さばきにも注目である。

 ここまでの3頭が上位評価組で、以下はダノンシャーク、イスラボニータ、コンテントメント、フィエロ、ロサギガンティアという評価の序列。あとは直前の人気を確認した上で、「人気馬からのヒモ荒れ狙い」という決着パターンに該当する買い目を構築したいところだ。大恥をかく結果になるかもしれないが、上位人気2頭で消すならモーリスのほう──というのが、現時点での判断。リアルスティールから人気薄へと流す馬券を、厚めに狙いたい。


■総論×各論・先週の馬券回顧




東京10レース 日本ダービー(G1)
1着 03マカヒキ
2着 08サトノダイヤモンド
3着 01ディーマジェスティ

煮えてる人間にこんな配当が獲れるか(#^ω^)!
……と逆ギレしてみたものの、上位評価組でキッチリ決まっているワケで。要するに「俺がどうしようもなく馬券下手」というだけなのよねー。09マウントロブソンや14ヴァンキッシュランの上位食い込みを期待するも、ドモナラズ。でも、いいレースだったし、こんな堅い馬券は自分には手が出せないんだから、今週に関しては「納得の負け」かも。

※コースデータと血統データは2012年、レースデータは2006年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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