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リアルスティールはマイルで通用する? 最終追い切りでチェック!

  • 2016年06月01日(水) 18時00分


時計も速く、状態に関しては申し分ないサトノアラジン

 先週の日本ダービーはウマい馬券で◎マカヒキ、○サトノダイヤモンドの的中。スマートオーディンに単穴の意味で▲を打つことも考えましたが、27日の調整を見終えて「それはマカヒキに失礼」と単穴なしにしました。

 パドックで全18頭と見た時に▲を打たなくてよかったと思いましたが、サトノダイヤモンドを見て、マカヒキ1着固定の身としては「ヤバイ」という気持ちになったことは言うまでもないでしょう。返し馬でもジョッキーとのコンタクトが抜群でしたし、よっぽど馬連を買い足すことも考えましたが、この仕事をするようになってから予想コラムで掲載したものと違う馬券を買うことはしていないので、そこはグッとこらえて・・・。

 レースを見終えて実感したのは、やっぱり負けるとすれば、サトノダイヤモンドしかいなかったということ。結果的にはハナでマカヒキの勝利でしたが、本当に素晴らしいレースだったと思います。これで燃え尽きたというか、全身の力が一気に抜けましたね。今週から、また来年のダービーに向けて、とネジを締めていこうと思います。

 安田記念は少し寂しいメンバー構成。美浦所属の有力馬も多く、よって、ここでは鳴尾記念の出走予定馬も取り上げました。

【安田記念/サトノアラジン】

 前走京王杯SCで初重賞制覇。これで思ったことは、やっぱり春シーズンは良績を残すということ。昨年も春興S、モンゴル大統領賞と連勝して、エプソムCが惜しい2着。負けた相手がエイシンヒカリですから、この時は運がなかったと判断してもよいはず。当時と同じように坂路とCWを併用して、本数多い調教内容ならG1制覇も十分可能と判断してよいでしょう。

 前走後、中2週ですが、坂路、坂路と時計を出して、最終追い切りがCW。アッシュゴールド、サトノノブレスとの併せ馬でしたが、最内から抜けてくる時の脚の速いこと。追い切りで良く見せるタイプではありますが、それが分かっていても、やっぱり動く事実を認めないわけにはいきません。時計も速く、状態に関しては申し分ないと表現しておきたいと思います。

サトノアラジン(6月1日撮影)

時計も速く、状態に関しては申し分ないサトノアラジン(6月1日撮影)



【安田記念/リアルスティール】

 海外遠征帰りですが、2週前、1週前と今まで通りのパターンでCW追い切りを行い、先週は併せ馬で先着。ここできっちり仕上がったと判断してよいのでしょう。週末と最終追い切りはいつもと同じ坂路で追い切られています。

 国内で勝った時の最終追い切りが共同通信杯まで遡ることになるので、連対ならG1の菊花賞を参考にすべきなのでしょうが、この時が芝3000m。今回は自身にとっても初めてのマイル戦ということで、過去にはない追い切りパターンで仕上げてきました。それが自己ベストを更新する坂路4F時計。4F50.8秒は素晴らしく速いですし、もっと評価すべきは後半2Fの時計。11.8秒から12.0秒でまとめており、このスピードがあれば、マイルG1でも十分に通用するイメージ。それだけに、この最終追い切りは評価したいところです。

リアルスティール(5月31日撮影)

この最終追い切りは評価したいリアルスティール(5月31日撮影)



【安田記念/フィエロ】

 安田記念はこれが3度目の出走。8着、4着と着順を上げており、今年こそといったところでしょう。過去2回と全く同じローテーションなので、中間の追い切りを比較すると、2年前が1週前、最終追い切りとCW、昨年が1週前がCW、最終追い切りが坂路。そして、今年は1週前も最終追い切りも坂路と3年連続してパターンが変化しています。

 実はマイルCSで2年連続2着していますが、この時のパターンが2週続けて坂路追い切り。今回はそれと同じですから、評価すべきパターンだと思います。ただ、マイルCS時はラスト1Fが最速になるラップを踏んでいたのに対して、今回は11.8秒から12.2秒というラップ。ここをどう見るかですが、2F24.0秒は素晴らしく速い数字。これはデビュー以来、最速の2F時計ですから、3度目で最高のパフォーマンスを見せる可能性はあります。

フィエロ(5月31日撮影)

最高のパフォーマンスを見せる可能性があるフィエロ(5月31日撮影)



【鳴尾記念/ステファノス】

 昨年暮れの香港以来のレースになりますが、追い切り本数は十分すぎるくらい。中間の併せ馬でも常に先着する動きの良さを見せており、そこは評価すべき部分。ただ、個人的には4月末から5月初旬にかけて時計を出していないことをどう判断するかに尽きるような気がします。

 とりあえず最終追い切りに関しては、十分すぎる動き。ヘミングウェイを追走して、最後はきっちり先着しましたし、1F12.1秒を余力十分にマーク。これだけ見ると、同じ香港遠征帰りの休み明けだった毎日王冠よりもいい動きに思えましたし、とりあえずどんなレースを見せてくれるかといったところでしょう。

ステファノス(6月1日撮影)

同じ香港遠征帰りの休み明けだった毎日王冠よりもいい動きに思えたステファノス(6月1日撮影)



【鳴尾記念/サトノノブレス】

 中日新聞杯を勝った時も含めて、ほとんどのCW追い切りでは併せ馬に先着するタイプ。それだけに、先週はサトノダイヤモンド、今週はサトノアラジンに遅れる形となり、これがレースにどんな影響を及ぼすのか気になっていました。しかし、遡ってみると、小倉記念を勝った時が2週続けてサトノアラジンに併せ馬で遅れています。よって、併せ馬で遅れたことがレースで悪い影響となることはないと判断してよいでしょう。

 そもそも、先週もゴール板を過ぎたところでの脚色はダイヤモンドよりも良く見えましたが、最終追い切りでも決して悪くない動き。追い切りの本数はきっちりこなしていますし、中身に関して心配することはなにもないと思います。

サトノノブレス(6月1日撮影)

中身に関して心配することはなにもないサトノノブレス(6月1日撮影)



◆次走要注意

・5/28 3歳500万下【ブラウンアニマート】(10人/8着)

 ダートを勝ち上がっていますが、馬体の雰囲気を見ていると、芝を使っても全く違和感がない馬。ただ、今回のようにスローの上がり勝負は向いていないと思うので、もう少し積極的なレースをした方がよいと思います。
 距離適性は中距離以上でも全く問題ない馬体のつくりでしょう。

[メモ登録用コメント] [芝中距離]標準トラックなら勝ち負け

・5/29 3歳未勝利【アピアリング】(6人/11着)

 フルゲートのレースでしたが、そのメンバーでも馬体は上位クラスだったと思います。ただ、大外枠であり、ゲートを出てすぐに押していったことなど負けた理由はいくらでもあります。
 福島あたりの芝1800mならすんなり先手を奪って、押し切りそうなタイプでしょう。

[メモ登録用コメント] [福島芝1800m]最終追い切りがラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・3歳上500万下【エレメンツ】
 新馬戦で強い勝ち方をするも、前走は揉まれる競馬で実力を発揮できず。しかし、その能力の高さを感じたのが、1日のCWでの追い切り。
 酒井学騎手が跨っていたとはいえ、テンから速いラップでラスト1Fを11.8秒にまとめています。この動きなら古馬混合でも十分にやれます。

井内利彰の週末予想は「ウマい馬券」でチェックしよう!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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