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先月のレース回顧 夏から秋にかけて楽しみな3歳馬!

  • 2016年06月07日(火) 18時01分
小牧太

今週はレースを振り返りつつ、各馬の手応えに迫ります!


今回の太論では、4月後半から5月のレース回顧を。残念ながら、3歳クラシック路線には騎乗馬がいなかった小牧騎手ですが、夏から秋にかけて期待できそうな3歳馬は少なくありません。夏の重賞に向け、古馬のお手馬勢も順次スタンバイ。レースを振り返りつつ、各馬の手応えに迫ります!
(取材・文/不破由妃子)


ピークトラムは今ならどんな競馬でも

──今回は、4月後半から5月のレース回顧を。まずは、来週の関東オークス(6月15日・川崎)に登録のあるクリノリトミシュル。4月23日の500万条件は、5馬身差の圧勝でした。小牧さんが騎乗停止中に出走したオープン(5月22日の鳳雛Sを酒井騎手騎乗で4着)も、4着とはいえ僅差でしたね。

小牧 そうそう、騎乗停止で乗れなくてね。一番最初は芝のすみれSで騎乗して5着やったんやけど、ここにきて馬がグッと良くなってるわ。

──500万を勝ったときは、最後独走状態にもかかわらず、1分51秒フラットの好時計。文句なしで強かったです。

小牧 うん。でも、あんなに圧勝するとは思わんかった。その前に2着したときも上手く乗れたつもりやったから、「これで勝てんのやったら、この馬、勝てんのちゃうかな」と思って、この前も半信半疑やった。でも思った以上に馬が良くなっていて、実が入ってきたなぁって感じたわ。関東オークスはどうなんやろ? 出られるんかな?

──現時点では補欠2番手です。

小牧 そうかぁ。出られたらいい勝負できそうやけどな。

──続いては、5月1日の新潟8Rを勝ったケンベストカフェ。ハナ差でしたが、見た目以上に強かった。

小牧 よう勝ったね、あれは。最後は際どかったけどね。関東馬で勝ったのは久しぶりなんちゃうかなぁ。

──2013年2月2日のアドバンスウェイ(すばるS・武藤厩舎)以来ですから、3年3カ月ぶりです。

小牧 そやろ? 聞いたところによると、馬主さんが僕を指名してくれたみたいで。昔から僕のファンらしい(笑)。うれしいね。

──そうだったんですね。速い流れを先行して、なおかつ自分から動いて押し切ったわけですから、次が楽しみになる内容だったと思います。

小牧 ホンマやね。関東馬やからまた乗せてもらえるかどうかわからんけど、確かに上にいってもやれそうな雰囲気は十分にあるよ。

──同じ日には、ピークトラムで谷川岳Sも勝利。

小牧 あれは上手いこと乗れたし、ハマったよね。ただ、4コーナーの手応えでいえば、もう少し楽に勝てるんちゃうかと思ったんやけど…。次の重賞を考えたら、もうちょっと余裕を持って勝ちたかったなぁ。

──次は中京記念(7月24日)を予定しているそうですね。谷川岳Sのあと、力を付けているとおっしゃっていましたが、具体的にどのあたりに変化が?

小牧 なんていうのか、馬に活気があって、どんな競馬でもできるようになってる。もともと期待が大きかった馬やし、それこそ2、3歳時には重賞でもいい競馬をしていた馬やからね。今なら重賞でもいい競馬ができると思うよ。

──5月14日のレインボーフラッグ(京都7R・3歳500万)は順当勝ちでしたね。

小牧 あれは出遅れたねぇ。僕は一番後入れやったんやけど、デュプレシスが内のほうでなんか言うてたから(2枠2番ウインオスカー9着)、これはまだ開かんやろなぁと思ってタイミングを計っていたら、普通に開いて(苦笑)。そしたら一完歩遅れてしまった。しかし、よう勝ってくれた。あれで負けていたらもう…。

──最後方から大外を回っての差し切り勝ちですからね。力が違いました。

小牧 うん。馬が強かったね。しかも、ペースが遅くて前残りの競馬やったのに。もうちょっと上手く乗れていれば、もっと楽に勝たせてあげられたのになぁ。馬に助けられたね。

──毎日杯が勝ったスマートオーディンからコンマ4秒差ですからね。この馬も楽しみな1頭です。

小牧 そうやね。でも、現状は“ひと脚”やなぁ。最後は同じ脚色になってしまう。あと、もう少し頭が下がってくればいいんやけど…。でもやっぱりマイルがいいね。

──あとは、念願の勝利となったのがキングサムソン。ずっと乗っていらした馬ですよね。

小牧 そうそう、やっと勝てたわ。最後はよう交わしてくれた。あの馬、全然進まないから、ものすごく疲れるんですわ(苦笑)。この前も追い通しや。あと、内を回ったら全然ダメな馬で、脚があるなしに関わらず、外を回らなアカン。内で砂を被ったら、まったく進んでくれなくなる。

──じゃあ、つねに距離ロスを覚悟で外を回らなければならないんですね。

小牧 そう。自分から行く気を見せることもないし。なんせジョッキー泣かせな馬やわ(苦笑)。

──今はまだ条件馬でも、将来が楽しみな馬たちが出てきましたね。

小牧 ぼちぼちやね。今年は牝馬も男馬も3歳の乗り馬がいなかったからねぇ。クリノラホールあたり、期待してたんやけどなぁ。あの馬は、距離が延びて出世してきそうな雰囲気があるよ。

──覚えておきます! 古馬でもピークトラム、ダコール、ヒットザターゲットと、夏の重賞でやってくれそうな馬たちが控えています。

小牧 うん。僕も重賞を勝ちたいし、一緒に頑張りたいね。
小牧太

僕も重賞を勝ちたいし、一緒に頑張りたいね

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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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