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勢いのあるこの2頭が馬券の中心!/エプソムC

  • 2016年06月08日(水) 18時00分

■エプソムC(G3・東京芝1800m)フルゲート18頭/登録19頭


【コース総論】東京芝1800m Cコース使用

・コースの要所!

★1番人気が信頼度・回収率ともに超優秀。人気サイドが優勢のコース。
★枠番値が低い外枠はやや割り引いて考えるべき。1着で狙うなら内枠。
★勝率が高いのは差し馬も馬券の中心に据えるべきは好位勢。前有利。






 18頭立てと多頭数に限定したデータでも、非常に1番人気が強い東京芝1800m。回収率の高さも1番人気とは思えないほどで、その他の上位人気も成績は優秀だ。となると、当然ながら期待薄となるのが穴馬で、その信頼度や回収率はおしなべて低め。ここは素直に人気馬を軸に、相手を絞って狙う馬券がもっとも効率がいいといえる。

 枠番については「やや内枠有利&外枠不利」というのが結論。単純に内外を比較したデータではほとんど成績差がないのだが、外枠である馬番13〜18番は、枠番値マイナス0.5、複勝回収率50%と、けっこう不振なのだ。また、内枠の単勝回収率が圧倒的に高いのも、それを裏付けるもの。外枠でも問題なく買えるコースではあるが、取捨に迷った際には、やはり内に入った馬のほうを重視すべきだ。

 脚質については、先行勢重視のスタンスを推奨。中団から差した馬の1着がもっとも多く、勝率もこの組がいちばん優秀ではあるのだが、連対率や複勝率、そして回収率は圧倒的に先行勢のほうが高い。1着軸に向くのは差し馬だが、馬連や3連単の軸には「早め先頭から押し切りを狙うも、最後に差されて2〜3着」というパターンに合致しそうな馬を狙いたいところ。また、穴馬も先行勢からチョイスしたほうがいいはずである。

【レース総論】エプソムC(G3) 過去10年

・レースの要所!

★3番人気以内[6-8-4-12]と人気サイドが圧倒的に優勢。紛れるなら3着。
★馬番1〜3番が5勝とコースデータより内枠優勢。先行勢の強さも目立つ。
★4歳馬が7勝2着5回と絶好調。前走芝1600〜1800m戦組や関西騎手も要注意。









 1番人気の複勝率が80.0%もあり、3番人気以内馬[6-8-4-12]と人気サイドが圧倒的に優勢である、エプソムC。平均配当も、単勝637円、馬連1820円、3連複1万915円とかなりの低水準だ。過去10年の連対馬はすべて7番人気以内で、8番人気以下はトータル[0-0-4-96]と低調な成績。やはり、手広い買い目で高配当を狙うよりも、人気馬からのコンパクトな馬券で効率よく狙うほうが、このレースは向いている。

 このレースで絶好調なのが「内枠」で、過去10年で馬券に絡んだ馬のなんと半数が、馬番1〜6番に集中。内外での成績差も非常に大きく、この時期の東京らしい高速馬場の影響を、強く感じる結果である。コースデータで「やや外枠不利」という結論が出ているのを加味すると「内>>中>外」くらいに考えるのがよさそう。今年は例年よりフラットな馬場だと思うが、それでも内枠はやはり侮れない。

 馬場の影響が大きいのは、脚質面も同じだ。4コーナーを6番手以内で回った馬が圧倒的な好成績を残しており、7番手以下から差し届いたのは人気馬ばかり。逃げた馬が連対率30.0%、複勝率40.0%と残りまくっているのも特徴で、傾向的にはかなり先行有利である。末脚のキレで人気を集めているようなタイプは、けっこう危なっかしい面があるはず。人気馬も穴馬も、前に行けるかどうかをしっかり精査したい。

 年齢別では、4歳馬が7勝2着5回という抜群の成績。3着には高齢馬も来ているが、1〜2着の候補は、若い馬から選んだほうが絶対にいい。また、馬券に絡んだ馬はすべて、前走で芝1600〜2000m戦に出走していた。目黒記念から中1週で出走するショウナンバッハやレコンダイトは、かなり買いづらい面があるといえる。あとは、関西所属騎手がやたらと強いことや、前走馬体重480キロ以上馬が強いのも、押さえておきたい。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 Cコース継続。先週も上級条件は内の先行勢が優勢だった印象を受ける。

・天候予測
 梅雨空で週末に天候が崩れる可能性アリ。内から乾くのをお忘れなく。

・注目血統
 ◎ディープインパクト産駒、○ハーツクライ産駒、▲ダイワメジャー産駒、△メジロベイリー産駒

 全国的に梅雨へと突入し、東京近郊も週末〜週明けにかけて、曇りや小雨の天候が続きそう。水曜日の朝時点では土日ともに降雨予報は出ていないが、馬場悪化があって何の不思議もない空模様だ。こういう天候のときに忘れてはいけないのが、東京芝が「内から乾く」コースだということ。安田記念でのロゴタイプの逃げ切りも、それを利した田辺騎手のファインプレーだった。

 血統面は東京芝らしく、ディープインパクト産駒にハーツクライ産駒など、いわゆる「瞬発力型」種牡馬の産駒が好成績。ただし、先行勢が強いレース&コースであることを考えると、先行力と持久力で勝るダイワメジャー産駒の台頭があるかも。信頼度と回収率の両方が高い「買い」のパターンだけに、ロジチャリスは侮れない1頭である。

★出走登録馬・総論×各論

 前走中央G1出走組が、過去10年[0-0-0-9]と全滅しているエプソムC。それ以外の側面から見ても、格より「勢い」が重要な一戦といえる。それをもっとも端的に表しているのが、4歳馬の圧倒的な強さ。強い相手と戦ってきた古豪よりも、フレッシュさが感じられるような伸び盛りの馬を買いたいレースである。

 そういった条件にピッタリ当てはまる唯一の存在がロジチャリス。準オープン、オープン特別を連勝と、かなり勢いに乗っている。また、4歳馬であることや先行力があること、前走芝1800m戦出走組であること、ダイワメジャー産駒という血統面、関西所属騎手が騎乗予定であること、さらには前走馬体重に至るまで、ここは買い材料のオンパレード。これで内枠でも引き当てれば、データ的には文句なしに「大本命」だ。

 二番手評価にラングレー。こちらも準オープン1着、オープン特別1着&3着と、このところの充実が目立つ「勢いのある」1頭。デビュー前から高く評価されてきた能力が、ようやく開花しつつある印象だ。6歳以上馬が多い今年の登録馬に入ると、5歳馬であるのもプラス評価の対象。ロジチャリス同様に前々で流れに乗れるタイプで、東京芝実績があるのも強調材料。ここは積極的に買いたいタイミングである。

 三番手評価はフルーキー。中団から安定した差し脚を使えるのは大きな武器で、上位人気の一角に推されそうなのも、人気馬が強いこのレースにおいてはプラス。掲示板を外したのが菊花賞の1回だけという超・堅実派であり、相手関係が楽なここなら、アッサリ勝って何の不思議もない。実績馬でもっとも信頼できるのは、この馬で間違いない。

 ここまでの3頭が上位評価組で、人気の一角に推されそうなルージュバックは、四番手評価となった。4歳馬であることなど買い材料も有しているが、このレースと相性の悪い牝馬&前走G1組であることなど、マイナス評価となった項目も相応にある。G1級の器であり、近走と比較して相手関係が軽いのも事実だが、いささか過剰評価な部分があるのも否めない。配当妙味も低く、積極的には買いたくないというのが正直なところである。

 以下は、マイネルミラノ、ダービーフィズも「押さえ」評価。末脚勝負型であるヒストリカルやアルバートドックは、現時点では「消し」評価である。ここを狙うくらいなら、ステラウインドやエキストラエンドなど、クサい人気薄を買ったほうが面白そうな一戦。あとは「内枠から先行できそうな馬」が激アツなのを、お忘れなく。


■総論×各論・先週の馬券回顧





東京11レース 安田記念(G1)
1着 06ロゴタイプ
2着 08モーリス
3着 10フィエロ

ここで来るかよ田辺氏(#^ω^)!
で、レース後に気付いたんだけど、付け入る隙があると判断したのであれば「モーリス2着固定」とか「モーリス3着固定」での勝負がよかったんじゃねーのかと。 そこに気付けないあたりが、何とも冴えてないね(阿呆)。まあ、それはそれで「ロゴタイプ買ってない」という悲劇が発生しそうではあるんだけどさ!

※コースデータと血統データは2012年、レースデータは2006年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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