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ユニコーンSが「堅い」理由ははっきりしている

  • 2016年06月17日(金) 18時00分


◆2,3着には穴候補も

 ユニコーンSはかなり堅い重賞だが、その理由ははっきりしている。まず、今年は不在だが芝からの転向組はほとんど成功せず、これまでダートのオープンで勝ち負けしてきた実績がそのまま物差しとなりうる。ふたつめに、500万勝ちの馬はあまり通用せず、兵庫チャンピオンシップ組と中央のオープン特別組が上位のほとんどを占める。みっつめに、オープン特別組か勝ってきた馬が圧倒的に強く、2,3着のチャンスがあるのも前走好走組だけ。よっつめに、たまに来る500万条件組は基本的に人気で出走しちぎってきた馬ばかり。つまり、「誰が見てもよさそうな馬」が来るわけである。堅く収まって当然だ。

 オープン特別勝ち馬はとにかく強いので、ストロングバローズは無視できない。成績的には東京の1600mだと惜敗がありそうに見えるが、鞍上がこのコースと抜群の相性を誇るルメール。しかも前走テン乗りだったところから一度乗って馬にも慣れている。枠もこのコースでは有利な外めを引いた。

 待ったをかけるとしたらゴールドドリームだろう。兵庫CSではケイティブレイブに主導権を握られっぱなしの2着だったが、ヒヤシンスSではストロングバローズを完封している。今回もストロングバローズのほうが前で同馬をめぐって各馬が仕掛けるだろうから、そのぶん脚を溜めるこの馬が成功する可能性はある。

 グレンツェントは前走オープン特別勝ちだが、馬の気性はなかなか厄介。それだけにテン乗りのベリーというのが多少引っ掛かる。ただ、加藤征厩舎でベリーなら、馬の特徴や注意点はきっちりレクチャーしてくるだろう。一発はありうる。

 ここまで全く面白みのない3頭を挙げているが、ユニコーンSというのはそういうレースなのである。2,3着の穴候補ということでは、まずマイネルバサラ。前走オープン2着馬だし、相手なりに走るタイプではある。ただ、最内枠を引いたのはマイナス。上位人気馬の自滅があってどこまで浮上できるか。

 ダノンフェイスも3着くらいならありそう。ただグレンツェントに青竜Sでつけられた0.4秒を逆転するまでは厳しいか。これも内寄りだけに、どうさばいていくかという問題はある。

 あとは500万条件組からどれを取るかだが、くれぐれも取りすぎには注意したい。今年はオープン好走馬と前走兵庫CS好走のゴールドドリームがいて、枠が埋まっている感がある。1頭挙げるならクインズサターン。前走同じコースを1番人気で勝ち、しかも着差をつけてきた。これと、あと1頭お好みで3着候補に、というところか。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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